●分析結果を表現する

 表やグラフができ上がったとして、それをそのまま示して、あとは勝手に読み
 取れというわけにはいきません。その表やグラフの語るところを、言葉でいい
 表す必要があります。よく大学入試などで、グラフや図を出して、ここから読み
 取れるところを書け、といったタイプの小論文か出ることがありますが、これも
 表現力を問うことができるために、出題され続けているものと思われます。

 それでは、基本的にどのような手順を踏めばいいかというと、
  1)まず、誰にでも読み取れることを書く
  2)細かく見ないと気づかないことを書く
  3)グラフには現われていないが、分析の過程で気づいたことを書く
 ということになるでしょう。1)の「誰にでも読み取れることを書く」ということに
 ついては、見ればわかることを一々書く必要があるのかとか、くどいと思われ
 ないかとか、極端な例だと、頭が悪いと思われないかと不安だと言われたり
 します。しかし、果たしてそうでしょうか。見ればわかるといっても、それは、
 作った当人だからそう思えるわけで、やはり、全体の傾向を見渡すための手
 引きが必要なはずです。それを、くどいとか何とか思う人は、少し粗忽にすぎ
 るようにも思います。ですから、堂々と、誰にでも読み取れることを書く必要
 があるわけです。

 そして、次に、細かく見ないと気づかないことに進んでいきます。ここの数値
 が若干高めだとか、この項だけがこころもちばらつきが大きいとか、よく見て
 みないとわからないことを書きます。

 最後に、必ずしも表には数値として現われていないようなことで、重要と思
 われること(言及しておいたほうがいいと思われること)を述べます。あるい
 は、ある項目に数値が出てもよさそうなところなのに出ない、という理由な
 どを述べます。

 それらに対応した表現として、
  1)「表から、まず見て取れることは…」「表からすぐわかることは…」
  2)「さらに子細に見ると…」
  3)「グラフの数値には出ていないが…」
 というような表現を用いるのもいいのではないかと思います。ただし、単純
 に何度も繰り返すと、文章が単調になりますから、若干表現を変えたりして
 変化をつけることも、表現上の方法としては必要でしょう。