●文献入手のしかた

データベースなどを使って、文献があることがわかったとして、その文献は、ど
うやって入手したらいいでしょうか。

比較的簡単に入手できるものは、国語学関係の論文を載せる雑誌でいえば、
『国語学』『日本語学』『国語と国文学』『国語国文』『文学・語学』といったような
ものでしょう。これは、図書館の開架のレファレンスコーナーにあります。

難しいのは、各大学の紀要や、大学ごとに組織している研究会発行の雑誌です。
これらは、図書館あてに寄贈されていなければ、本学の図書館で見ることはで
きません(ただし、かなり揃ってはいますので、諦めずに検索の端末をたたいて
みてください)。

そのようなときには、どうしたらよいでしょう。

当たり前ですが、まず、図書館のスタッフに尋ねてみましょう。これこれこういう
本や雑誌を探しています、と。すると、たちどころに検索して、どこの図書館が所
蔵しているか等の情報を教えてくれ、場合によっては、資料利用依頼書(紹介状)
を発行してくれます。後述の「山手線コンソーシアム」に属している大学であれば、
利用は比較的容易でしょう。また、かなり遠方の大学図書館にしかない場合には、
取り寄せてもらえたりもします(ただし、その場合、家に持って帰ることはできず、
図書館内だけの閲覧になるのが普通です)。こんなに至れり尽くせりの図書館を
利用しない手はありません。

さて、あくまで独力でやりたいという場合は、どうでしょう。

考えられるのは、国会図書館に行って見つける、ということです。地下鉄で永田
町まで行き、そこから方向指示板を頼りにして、比較的たやすく着くことができま
す(国会議事堂や議員会館なんかも周囲にはあり、政治の中心地を歩いている
という実感がわきます)。国会図書館では、必要な部分をコピーして貰えます(実
費必要)。こんなときには、「地の利」を実感します。

次に、「山手線コンソーシアム」で提携している大学の図書館が所蔵していない
かを調べてみます。青山学院・学習院・國學院・東洋・法政・明治学院・立教の
各大学の図書館が所蔵している場合は、所定の手続をふんで、閲覧あるいは
借り出しができます。

それでだめなら、やっぱり図書館のスタッフです。

本や雑誌を探すことで見聞を広めたり、どうして、ここまで親身になって検索を
続けてくれるんだろう、などと、人の情けが身にしみる経験をしながら、「情報」
を入手するスキルを自分のものにしてください。どうやったら確実に情報を手に
入れられるかを自分のものにしておくことは、今後生きていく上で、非常に重要
なものになります。

それから、入手した文献のコピーには、必ず、その論文が載っていた雑誌名、
巻号、刊行年月を書きつけておく習慣をつけて下さい。要するに、コピーの端に、
『国語と国文学』45―3、1972・3」のようにメモしておけばいいのです。「その
論は、何という本(雑誌)に載っていたものなのですか?」と問われて、どきまぎ
しないように、準備をおさおさ怠らないで下さい。