日本流通史シラバス

 

前期シラバス

導入
授業履修・評価方法について〜日本流通史分析の方法〜
@ケースの処理を将来のそれぞれの企業における operationに生かす=図上演習(ノートパソコンなどで歴史上発生した諸マーケティングケースの分析を側面から支援=持ち込み可)、商品開発戦略、世界戦略、流通戦略、財務戦略、経営危機回避(リスクマネジメント)、市場の激変への対応(ダメージコントロール)
Aケースを具体的に読み込むことで将来のシステム建設のコンセプトを設計する

第一セメスター・現代世界・日本の流通・デリバリーシステム

T.インフラ・ストラクチャー・システムとデリバリー・システムが現代企業の生き残りを決す?現状・アメリカのネット・ビジネス
@インフラストラクチャーとは何か?

Aデリバリーとは何か?

 

T.事例(Case)アメリカのネットビジネスの動向・アマゾンのデリバリー戦術?

 

 T.事例(Case)日本問屋業のネット配信ビジネス・デジキューブのゲームソフト流通戦略

 T.事例(Case)日本優良メーカー、ソニー・プレステのネット配信ビジネス戦略構想

第一セメスターの評価・・・第二セメスター受講許可者発表/ ・今年までは、このようなセメスターごとの評価によって、進級する仕組みは稼動させません。しかし、いくつかの前期諸ケースの処理が適当になされているか、どうかは、前期の基礎ポイントにとって重要な要素となります。後期の試験は自分の基礎ポイントを考えて、配点の異なる試験問題を選択し、それぞれが目的の評価を受ける仕組みとなりました。ただし、就職活動中の四年生に対しては、このようなシステムの適応が難しい場合があると思います。そこで、前期分ポイントシステムに代替する夏のレポートを差し上げます。続けてこのページの更新によって情報を得てください。


第二セメスター・パラレルワールド西欧と日本の流通システム・歴史的特徴分析。

 U.消費革命・デパートが変えた消費システム・西欧の19世紀ボン・マルシェ

 U.日本の消費革命・三井(越後屋)の革新・「現金安値掛け値無し」の持つ意味

18世紀江戸呉服店店頭(三井文庫所蔵史料)

 U.18世紀十組問屋の興隆・巨大消費を支えた巨大商業資本の生き残り戦術とは?

鴻池と淀屋、生き残るのはどちら?

U..巨大商業資本の経営構造解析・日本における起業家の役割とその大きさ・日本における従業員の役割とその大きさ

本来の(native)日本企業のあり方は?それは、歴史的に創出された
江戸時代三井の社会的存在基盤とその構造、公私混同の論理世界、きわめて日本的な存在規定の稼働、三井=現在の日銀と大蔵省の合同体でありながら、三井家の構造、経営体としての構造、トップは従業員の代表である重き手代(重役?)Case 安永持ち分け一件

 V.江戸在住商人(中小卸売業)の巻き返し

場末の顧客の心を捕まえろ!

(Case)江戸の中小酒卸売り商人高崎屋のプライベートプランド戦術

 

 

第二セメスター試験実施・・・

第二セメスターの評価・・・第三セメスター受講許可者発表
Teaching Evaluation

第三セメスター・前近代・近代社会における情報インフラと商事情報、商況、市場情報

西欧と日本における情報インフラストラクチャーの歴史とケース・メソッド

W.情報流通事情の比較史・前近代・西欧と日本

前近代までのインフラストラクチャー比較・西欧における交通システムの革新・日本における菱垣、北廻船航路の発達

W.飛脚便、馬車便、船便による情報伝達を

ネイサン・ロスチャイルドとロイターは、どのように変えたか。

ワーテルローの闘いとロスチャイルド王国の誕生

ニュースの商人ロイターと鳩

Case:ニュースの商人ロイター 

ヨーロッパ金融の大御所ロスチャイルドはいかに巨万の富を築いたか?

ニュースの商人、ロイターは最初、何によって貴重な情報を伝達したのか?

 

 

W.道路・航路・物流ソフト・情報伝達ソフト・旅・時間・地図・ガイドプック・識字率・学校教育システム・紙の消費・資源枯渇と資源保全の世界・・・観華夷思想の結実・資源保全システムの完成と大量紙消費社会・インフラの徹底化の相違

蒸気機関車世界最速のマラード号

 

W.江戸時代・北廻り船の情報伝達戦術

明治初期の情報伝達ツール

当時の長距離通信システム・電信=「自分仕立て飛脚」と

短距離双方向通信システム・電話=「丁稚・小僧・子供」?

三井物産、明治十年代、電話が無かった時代、証券相場をどのように知ったのか?名探偵ホームズの謎・少年たちと彼の関係は?

大正中期自動電話交換機登場

W.明治後期・大正初期の通信システムと「総合商社」

Case 三井物産第一次大戦バブル終了直後の事業再構築・リストラクチャリング、あなたは、大戦終了間近の至急電報(タイセンシュソクチカシ、テモチヒンハスベテショブンスベシ)を受けたら、何に着手しますか?変動費分析(直接費と間接費)を通じて、事業の革新に着手せよ。

 

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連絡先情報 なお、メールによるQ&Aなどは、まだ開始しません。開始できる状況になったら、おしらせします。

電子メール アドレス
w_zemi@isc.meiji.ac.jp

Web アドレス
http://www.isc.ac.jp/~w_zemi


参照文献

 

参照文献

本講義では諸文献を参照しているが、多く引用した専門書及び、あまり専門的でなく、比較的安価に入手できる文献を以下に掲げる。

ジャンル1.Introduction/現状分析

これは、参照すべきは、現在の新聞や雑誌、TVプログラム、現状はどのようになっているのか、現在何が重要なテーマなのかを若い感性で取得してください。でも問題提議という意味では、以下の書物は読んでおくといいと思います。

松岡真宏『問屋と商社が復活する日』日経BP

ジャンル2.U.パラレルワールド(欧米と日本)

欧米と日本を大きく見る歴史書、あるいは環境考古学の良書があります。

小林章夫『イギリス貴族』講談社現代文庫 竹内洋『パブリックスクール』講談社現代文庫 松井和夫『M&A』講談社現代文庫 木村尚三郎『家族の時代〜ヨーロッパと日本〜』新潮選書 横井勝彦『大英帝国の死の商人』講談社 鯖田豊之『ヨーロッパ中世』河出書房 〃   『火葬の文化』新潮選書 内藤則邦『イギリスの労働者階級』東洋経済 藤原正彦『遥かなるケンブリッジ』新潮文庫 横山三四郎『ロスチャイルド家』講談社 D.ウィルソン『ロスチャイルド』上下、新潮文庫 フレデリック・モートン『ロスチャイルド王国』新潮選書 ロン・チャーナウ『モルガン家』上下、日本経済新聞社 間 宏『イギリスの社会と労使関係』日本労働協会 ロナルド・ドーア『貿易摩擦の社会学』岩波新書 この他、Lloyd's ロイズ関係の図書が図書館に複数ある。安田喜憲『森のこころと文明』NHK出版、1996年、価格922円、鈴木良隆編著『経営史』有斐閣 奥村宏『新版法人資本主義の構造』現代教養文庫 〃 『株とは何か』朝日文庫 〃  『買い占め・乗っ取り・TOB』朝日文庫 山本七平『日本資本主義の精神』光文社文庫 ロナルド・ドーア『イギリスの工場・日本の工場』 小池和夫『日本の雇用システム』東洋経済 熊沢誠『新版日本の労働者像』ちくま学芸文庫 〃  『日本的経営の明暗』筑摩書房 三戸公『公と私』未来社 栗田健『日本の労働社会』東大出版

また、商品流通とは何か?という問題では、主に経済学の本を読んでおいてください。

商品流通=財、資本、サービス、人的資源、情報という主要商品の流通再生産構造の全体と規定しておりますので、これに関する本を参照しておいてください。

ジャンル3.流通史・総論

マーケティング史研究会編『日本流通産業史』同文館

小原博『日本マーケティング史――現代流通の史的構図――』中央経済社

安部悦生他『ケースブックアメリカ経営史』有斐閣

若林他『近代日本流通政策史』白桃書房

網野善彦『日本論の視座』小学館文庫 ノエル・ペリン『鉄砲を捨てた日本人』中公文庫 由井常彦・ヒルシェマイヤー『日本の経営発展』東洋経済 斉藤修『商家の世界・裏店の世界』リブロポート 安岡重明『財閥の経営史』社会思想社文庫 〃   『三井財閥』日本経済新聞社 森川英正『日本経営史』日経文庫 由井常彦編『安田財閥』日本経済新聞社 邦光史郎『三井王国』上・下、集英社文庫 横山源之助『明治富豪史』現代教養文庫 中井信彦『町人』小学館文庫 浅田毅衛編著『殖産興業政策の軌跡 改訂版』白桃書房 辻達也『江戸時代を考える』中公新書 神坂次郎『元禄お畳奉行の日記』中公新書 佐藤雅美『幕末「住友」参謀』講談社文庫 *(三菱、三井、住友、あるいは、財閥全般には多くの文献が簡単に手に入る.

橋本寿朗他『日本経済の発展と企業集団』東大出版 橋本寿朗、由井常彦『革新の経営史』有斐閣 柴垣和夫『三井・三菱の百年』中公新書 奥村宏『三菱』現代教養文庫 小野ヨーコ『ただの私』(女の愛読書フェア)講談社文庫 岡崎哲二他『現代日本経済システムの源流』日本経済新聞社 佐口和郎『日本における産業民主主義の前提』東大出版 江戸英雄『三井と歩んだ70年』朝日文庫 小島直記『三井物産初代社長』中公文庫 長井実編『自叙益田孝翁伝』中公文庫 木村昌人『渋沢栄一』中公新書 桂芳男『幻の総合商社鈴木商店』現代教養文庫 長幸男『昭和恐慌』岩波新書 豊田譲『飛行機王中島知久平』講談社文庫 御田重宝『戦艦大和の建造』講談社文庫 キリンビール『ビールと日本人』河出文庫 上之郷利昭『西武王国』講談社文庫 東大社研『現代日本社会』4「歴史的前提」、東大出版 アル・アレツアウザー『ザ・ハウス・オブ・ノムラ』新潮文庫 粟田房穂・高成田亨『ディズニーランドの経済学』朝日文庫 中川端造『海軍技術研究所』講談社文庫 石原莞爾『最終戦争論・戦争史大観』中公文庫 芝垣和夫『昭和の歴史9.講話から高度成長へ』小学館文庫 原彬久『岸信介』岩波新書                   

ジャンル4流通史・小売り

初田亨『百貨店の誕生』三省堂選書

佐野眞一『カリスマ』上、下、新潮文庫

ジャンル5流通史・卸売り

長沢康昭『三菱商事成立史の研究』日本経済評論社

麻島昭一『戦前期三井物産の機械取引』日本経済評論社

ジャンル6.情報流通交通史
藤井信幸『テレコムの経済史』keisou shobo

松田裕之『明治電信電話ものがたり』日本経済評論社

杉山伸也・リンダグローブ『近代アジアの流通ネットワーク』

児玉幸多編『日本交通史』吉川弘文館
石井寛治『情報通信の社会史』有斐閣
吉見俊哉『「声」の資本主義』講談社メチエ
ジョアンナ・ヌーマン『情報革命という神話』柏書房

 

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最終更新日 :?2000/06/20.