アサヒビール訪問記


レコーダーの性能不足で、聞き取れなかったところは「・・・」になっています。
でも雰囲気は伝わりますよね。同期のデジなんとかのインタビューよりだいぶ上品です。


N:中原さん
W:先生
J:ジュンコ(楢本)
H:はらちゃん(原)
K:北島くん(北島)
S:鈴木さん

N …まして、どうもありがとうございます。で、わざわざお越し下さいまして
ありがとうございます。会社のことにつきましてですね、…ことですので、私の
方と、あと決算ですとかですね、経理関係のことにつきまして経理部の鈴木が参
っております。二人でお答え、出きる範囲で、さしていただきたいと思います。
で、どういうふうに進めさしていただいたらよろしいでしょうか。ご質問を頂戴
して、私共の方でお答えするみたいな形でよろしいでしょうか。

J …

N 簡単なことからは会社案内でございます。あと、ホームページの上にもです
ね、中間決算、まあ正規の決算内容等は載っておりますので、…はなかったんで
すけども、こういったことは、などございましたら。
…連結の方になっとりますので、…

W アサヒビールさんというと非常に優秀な企業で、しかも、…まで、つい最近
もヒット商品のスーパードライの売上で、学生たちが研究対象というふうなこと
にさしていただいて。お忙しいところ、経理のご担当の方もおいでになっていて
、手短に質問事項をしぼってですね、お願いしたいと思うんですけども。…お邪
魔さしていただきます。

N FAXで箇条書きでお送りいただいていたものは…

W それにそってお話をうかがったらどうですか。

N <経営革新の話し>

N 9/1に経営革新の中期的な目標を設定するということで、載せていただき
ました。

W リストラというと、首切り、という…聞こえると思いますが、事業再構築と
いうことで、9/1付けの新聞…

N 工場を、東京工場を、…南足柄の方に…させるという内容がありましたもの
ですから、どうしても、・・・関係の話に…

W ホームページの方は、…ずいぶん早く…多岐にわたると言うか、全体の経営
戦略というふうに位置付けてよろしい…それに関して誰が話しを一番最初に…楢
本さんの方から少し話をしてください。

J 先ほど、大森工場を閉鎖して南足柄の方へ…それははじまりに過ぎないとい
うことでしたが、他に具体的にリストラ案といいますか、具体的にこれからおこ
なっていくことを伺いたいと思います。

N あるべき姿を設定しますと言いますか、経営全般でございますね、大きな流
れと言いますと、…
なぜ、私どもがこの中期経営計画を今回作成したかと申しますとですね、大きな流れということで言えばですね、…より経営がグローバルスタンダードに株主重視にという中で…酒販免許の緩和により、コンビニなどでの販売率が上がっているなどの大きな変化の中でアサヒビールは世界の目から見ても評価を頂けるような企業になっていきたいということを目標としまして…お客様満足の追及、品質最優先という基盤を前提にして、キャッシュフローや利益を重視した経営を重視、株主の満足の追及、合理化策を含めて93あるグループ会社グループ経営の革新、バックグラウンドには売上高、それに対する利益。それをどのように使って行くのか。スーパードライは13年間で売上高5倍になった。生産能力のアップのためにお金を借りた。有利子負債、財務リストラを好調な今急速に、経営計画でも、2000年2001年に単体及び連結に関しましても、財務リストラを終了しようと考えている。
で、その後の3年間で中期計画ではキャッシュフローを、それをビール、食品、薬品、そういったコア事業にさらなる投資へと。

K 今グループ経営というお話しがあったが、関連企業が93社あるそうだがそれに関するリストラというのは具体的には削るということか。

N 人員削減計画は今回は発表していない。グループを含めても2004年にはこのような人員でこれくらいの結果を出したいというのがあるのでそれについては、…。2002年には4100人にしたいというのがあるがあくまでも自然減。計画的な採用活動を行う。
グループ各社に関してはコア事業、ニッカウヰスキー、…。
そういった中でコア事業とのシナジー効果、半分くらい統合、やめたり、新規に起こしたりして最終的には3分の一から2分の一にしていきたい。

W この中で特に財務リストラが2001年までにこのままのキャッシュフローのその中でコア事業とのシナジー効果を計算に入れた形で例えば機能支援型なんかの統廃合が行われる具体的にはおうかがいしたいのは例えばアサヒビールの金融子会社が統廃合の目玉と考えてらっしゃる?

S 目玉ではない。確かに今単体…。グループファイナンス…。

W 有価証券の含み損っていうのは一番大きいシェアでいうとグループ子会社に対する有価証券では?

S ではないですね。余剰株式で…。金融株が…。金融子会社についてはリストラが終われば通常のグループファイナンスという会社になるのでやめるということはない。

W うちわのなかの悪いものがなくなっていく…。それから考えればいい?

S 具体的には来年の春。

W ビジネスヒストリーに学生がついてこない。企業研究には毎年アサヒビールさんがあがってくるが今年も3社めなのだが、バブル期のつけというのが非常に大きい印象を受けるがバブル期に発生したと考えていいのか。

S …。63年から平成3年の間に常識を超えた5000億以上もの設備投資。それを行わなければ今のアサヒビールはなかった。

W 好調だから設備投資が必要だったということですね。中期計画で一歩前進ということですね。

N 営業利益が伸び悩んでいる理由として販管費の内訳を教えてください。

S ほとんどは販促費と人件費。

W 日本の企業全般高いと思うがそれに比べて高いと言っているのか。

S それは誤解。固定費はキリンより少ない。中間決算も増収。販促費をどのようにコントロールしていくかというのはこれからの話になるが今まではシェアナンバー1をとろうとキリンに追いつこうとしてきたが、来年からは採算重視。利益重視の経営に転換していこうと。難しいがこれから考えていかなければというところ。

N 補足すると…今年の2月3月ワイン感謝キャンペーンで…。今回だけの特別出資と考えて頂ければ。

W キャンペーンは大々的になさってキリンさんも…。

N …。スーパードライはビール市場で4割シェアを持っている。

H スーパードライの売上が減速気味だとうかがっているが。

N 広報部が悪くて…。別に伸び率が下がってきたから中期経営計画を立てたのではない。それからスーパードライの伸び率に関しては昔に比べては確かに下がっているが。全体の環境、発泡酒…。

J 発泡酒をHPでとりあげていて、それに対する対策はもちろん考えていると思うが、低価格ビールを投入するという話を聞いたのだが。

N HPはアサヒは発泡酒を出さないのかというお客様の問い合わせに対する見解を示したもの。サントリーのマグナムドライなど。発泡酒に対しての対策としての商品を出すつもりはない。低価格ビールは、価格に対して敏感な購買層はあるとは思うが、かつて低価格な外国ビールがはやったときも急激に伸びたが…。あくまで例をあげただけのこと。決して低価格ビールを発売すると言ったのではない。そういうことも考えられる。もちろん同じ品質のものなら安い方が顧客にとってはいい。それがクリアできれば、長期的に見れば…。ただ今年出すとか来年出すとかいうわけではない。

W ヨーロッパのマーケットは発泡酒のシェアが大きく銘柄的にもワインの中で発泡酒とか発泡酒じゃないというのではなく、味で比較されるようなマーケットの生育状態。もし発泡酒でスーパードライを超えるような商品が開発されるならそれに対応していくと考えていいのか。

N わたくしどもは発泡酒を否定しているのではない。若い女性向のビア・カクテルを…。あれは発泡酒。…。

W マグナムドライはパッケージが黒と銀でしょ?

N ちょっとわたくしどもの商品だと誤解されている。宣伝を見ても、あまりサントリーというのを出していないようだ。ああいうのは個人的には…。

J 今は発泡酒は出さないということだが、社内に発泡酒を出した方がいいんじゃないかというような動きや会議などはなかったのか。

N もちろんみんなが同じことを考えているわけではないから、議論がなかったわけではない。

N 先ほどスーパードライがナンバー1になって舞台が変わったと言っていたが、海外進出nに関して質問。他の三社もそうだが特に中国に力を入れているようだが、上海でサントリーが大衆価格帯でバドワイザーをおさえて1位になったと聞いているが、アサヒビールはこれからもプレミアム価格帯で勝負していくのか。

N なぜ中国なのかは世界第2位の消費、あるいは生産。しかも1人当たりの消費量でいえば、15リッターくらい。日本が66くらいでアメリカが80?90。まだまだ今後マーケット拡大が見こめる。販売戦略サントリーは上海重点。地元ブランドの低価格帯でやっている。
わたくしどもは、今は沿岸中心だが今後内陸に広がることを見こんである程度全国を網羅したい。アサヒブランドは高品質。日本と同じ品質なのでプレミアム価格帯。ただ、合弁会社で生産している地場ブランド、例えば西湖ブランド。われわれは高価格帯だけで勝負するのではなく、アサヒスーパードライは高価格帯だが中国のアサヒブランドである朝日ぴーちうでは中価格帯。合弁会社ではサントリーなどと同じく低価格帯。わたくしどもが経営参加しているトータルは35万トン。グループとしては中国で5、6位くらいに入る。

H 中国でビールが置いてある状況は例えばコンビニだと半年前のも平気で…。フレッシュローテーションという考え方からいくとこのまま生でいくというのはこの状況を変えることは可能なのか。

N …。なんで生なのか。競争が激しい中国で品質重視になっていくだろう。将来その面では生ビールを売りにしていこう。流通は日本のようにはいかないが、サイクルの向上、できる限りの品質管理をしていきたい。

J 今品質についてうかがったが味について。中国で販売されているスーパードライは日本のと全く同じ?

N そう。

J 日本人と中国人では味覚は違うのでは?

N 当然市場調査をしている。スーパードライの製法は中国の方にも受け入れられている。中国のビールはエキス分が少ないのが多い。なぜ、スーパードライの味を変えないのかは、グローバルブランドとして世界で…。味は世界どこでも受け入れられると思っている。

K スーパードライは発売から10年以上も経過して定番化していると思うが、日本国内でも消費者の志向は変化していると思うがそういった中で味の改良は行われているのか。スーパードライに限らず。

N 味の改良を行うときには、例えばファーストレディはミラーと共同開発だが、ファーストレディシルキーというようにデザインを変えたり、変えるときには変えると報告します。スーパードライに関しては発売から一切味もデザインも変えてはいない。スーパードライの発売当初、コクがあるのにキレがあるという青木と尾崎のCMのアサヒ生ビール…。その前にアサヒのロゴを変えるためのCIを導入した。10%もシェアを割り込んで、サントリーが後ろから迫ってたとき。全体を変えたいという状況でCIを導入した。マークを変えただけではなく、商品もすべてアサヒ生ビールにした。そのときに大規模な調査をして客の志向はこの辺にあるんじゃないかということで出したのがアサヒ生ビール。スーパードライはその当時お客様の志向はこういう方にいくんじゃないかとちょっと時代を先に見た商品として出した。今となってはど真ん中。この先もど真ん中でい続けるのかはわからない。フレッシュマネジメントや新しい飲み方を提案することでこれからお客様の支持を増やしてゆく。

H 今のところはアサヒ生ビールの時に先を見越してスーパードライを作ったような…状況ではないのか。

N 新商品は出していく。新しい市場を作るような商品を作っていきたい。スーパードライはそれを達成できたとは思うが。スーパードライとは違う味や楽しみ方を提案するような商品は今後も出していきたい。

H 新聞によると年内に若者向けの新しいビールを発表するそうだが。新しいブランド名はウィルということだが、広告宣伝費の削減のために他の大きな企業も参加されていて共通のブランドやロゴマークを使用するということだが、この企業はどういう感じで集まったのか。

N 松下、花王、近畿日本ツーリスト、…新しいマーケティングができないかというのが考え。

W マーケティング部門が先行してプロデュースしていった計画なんですか?

N 去年ぐらいからマーケティング担当者どうしで話が出て、なにか一緒にやれないかということで8月に5社でこういう形でいこうという大筋が決まった。ウィルという統一シリーズは、各社が共同広告、共同プロモーションという風に考えている。

W 変わったプロモーションの仕方が期待できそうだが、論文に書きたいので、詳しく…。

N 広告はこの秋から考えていく。…。販促費の低減が主目的ではない。

W スーパードライの好調さを前提に中期経営目標が設定されたんじゃないかと思うが、財務部門の方でHPによると売上高目標が2000年から2004年まで非常にハイペースでつくられているように見うけられるが。この具体的な数字の根拠はやはり今までのスーパードライというブランド力に今までの数値というのが前提になっているのか。

N この5年間で年平均3.5%…

W これは過去の売上高推移、トレンドの回帰分析を行ってこういう数値を出したのか。

N  もちろんスーパードライその他の商品を伸ばしていくという計画をもとに出した。年平均3%程度という目標は現実性のあるもの。

W ROEが2001年から2002年まで8.8%と急激に上がっている。この辺はひょっとすると自己発行株式の消却というような大きな償却を行うという計画がすでにあるのでは?

S それは予定してない。単純に…。財務リストラで営業利益率が上がって…。

W それだけでこんなに跳ね上がる?

S そうですね。

W じゃあ2001年までのマイナス部分の…がこんなにROEを跳ね上げる?

S 例えば今年の…。

W アサヒさんがビール業界、あるいは飲料のコア事業と呼ばれてる中でどんどんもっと財務体質も強くなってということもあるがそれ以外の多角化の計画は?これだけキャッシュフローがあればずいぶんそれも設定されてるのではと思うのだが。

N コア事業との相乗効果が期待できる事業を革新したい。一方で社長が申すには高齢化社会などがキーワードとなってくる。また、情報ネットワーク…。

W 単体というか連結だけでの事業拡大も考えられると思うが特に高齢化社会など。そうじゃなくてこれだけのキャッシュフローがあれば他の企業を吸収合併して、それによってシナジー効果をさらに拡大するという計画は十分に練られているだろうとわたしは考えているのだが。 

N それは…。

W サッポロビールと是非一緒になってもらいたい…。機会があったら。ついつい脳裏から離れないので期待してます。

N 重なってる部分が多いですから。

W お時間の方が…。

H 事前にFAXでお伝えしたかと思うんですが、スタイニーボトルの回収率…。

N われわれが考えている以上にお客様の環境に対する意識は高く、今年に入って8割は回収…。将来的にはやはり9割以上にあげていきたい。…。あとなかなか海外のシェアは出ないのだが…。1バレルは117.3リッター。弊社は14位。これは海外での販売量も含めて。キリンビールさんは10位。トップではないのといわれるがキリンビールさんは発泡酒も入れて申告している。アサヒは21.2ミリオンバレルが去年の海外を含めての販売量。国別のビール消費量のトータルで見ると1.82ミリオンバレルが世界で飲まれている。これを割って頂くと世界市場のマーケットシェアが出るわけだが、だいたい2%くらい。こういう風にしか把握できない。ちなみにブランドとしてはスーパードライは第3位。1位、2位はバド。
しかしこれらは、スーパードライの倍。やはり、アメリカマーケットというのは世界一位。

W アサヒビールに毎年1人は学生がトライしているのだが、なかなか…。秘訣があれば。今これを勉強しておけというのがあれば教えていただければ…。

N 大学の名前を問う試験はやってないので、ご自身の…。先ほど先生がおっしゃったように外国語もできたにこしたことはない。

W 社内で勉強をさせられるというシステムですか。それとも、インフラとかパソコンとかが家庭まで…。時代をキャッチアップするというような研修プログラムとかもかなり充実している方だとお考えですか。

N 研修はもちろん…。ただ、あれは読み書きそろばんじゃないがそれがないと仕事ができないので、慣れ親しんでいただければそれにこしたことはない。秘訣というか…。

W 人員に関しては来年度も採用数についてはあまり減らすということは?

N 例年並だと思う。がんばってください。

W 今日はお忙しいところありがとうございました。