ヤマトのインタビュー
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物品販売について(ここは短く割愛させていただいます。)
A.得選市場は、小売ではなくあくまでお届けサービス。何でも売ればいいのでなくて
安くていいものをお届けする。
裏の事情としては、ヤマト運輸のお客様には小売業が多くいるから、小売のお客様の本業を圧迫しないように。トイレットペーパーや水は、小売が目くじらを立てて怒るようなものではない。これらは場所だけとって儲かるものではない。
しかし、大量に扱えば扱うほど安いコストでできるという、ヤマトにはスケールメリットがある。
今後の対象は特に決めていないが、一例として高齢者に向けての介護用品や昼間ご不在の家庭を対象に考えている。
A
離島では荷物は翌日に届くのか?そのときの交通手段は?
A.できる所とできない所があります。例えば、沖縄・伊豆七島でも船の便を使うところはだめですね。離島といえるかわかりませんが新潟の佐渡島はできます。交通手段は船の場合もあるし、飛行機の場合もあります。直営の営業所があるところまではフェリーがあれば、(フェリーに)トラックを乗せて営業所まで運んで、そこから運びます。営業所のない島については、委託先を決めてそこの委託先に荷物を引き渡してお願いします。例としては小笠原ですね。
B
ロジスティクスは、倉庫に余裕があるからやっているのか?
A.余裕のあるとことがまだ多いですね。空きスペースがあるところがまだ多いです。「もっと営業してお客を取ってこないと、空いているスペースがもったいない。」と社長が言っていました。ハッハッハ
C
わざわざロジスティクスのために空けたのではなくて、余裕のあるスペースを使った?
A,もちろん新しく作った施設もありますが、もともと宅急便の施設をいうのは大きなターミナルがあるんです。そのターミナルというのは、荷物が集中する時間帯が決まっていて、夕方から次の日の朝にかけて一番忙しい時間帯です。そこのスペースに空きスペースが少しあるので、まずはそのスペースを倉庫として活用していこうを思いスタートしました。しかし、お客様が増えて手詰まりになっているところもあるので、そういうところは倉庫を借りる、または拡張工事をしてそのスペースを作っています。ここ2・3年新しく新築されたターミナルについては、保管スペースをかなり広くとった施設になっています。ロジスティクスを展開するために、そういった倉庫スペースを広くとったターミナルを作っています。
D クロネコ探検隊は、企業のほうに無料でサイトを提供していて、しかも配達はヤマトに限らず他社でもよいとなっているようですが・・・
A,これは宅急便でお届けできるという前提になっています。クロネコ探検隊に載っている業者さんはすべてヤマト運輸で配達します。でも、荷主さんの配送手段がいろいろある場合もありますよ。その場所ごとのサービスや価格で使い分けをしている荷主さんもいるでしょう。その場合は荷主さんの判断で。
クロネコ探検隊は宅急便でお届けできる便利なものを集めて、欲しい物を紹介しています。荷主さんは全部ヤマト運輸のコレクトサービス(代金決済サービス)の契約をしていただいている荷主さんに限定なので、だから掲載料は無料なのです。楽天では、その商品が売れても売れなくても掲載料に5万円くらいとっていますけどね。このサービスは(配送までつながれば)コレクトサービスの手数料も入るし、当然宅急便で配送されるので宅急便の収入にもつながります。
E
集荷先及び届け先における宅急便取扱個数の割合(法人・個人)は?
A.最近データの分析をしていないのでよく分からないですが、大体の感触で言うと・・・配送の方でみると、7・5割が企業から出る荷物、残り(2・5割)が個人から出る荷物というくらい企業発が増えてきていますね。もともと宅急便を始めた時は、CtoCという市場がターゲットだったので、あくまでも個人から個人という市場が主流だったのですよね。宅急便が伸びてきた背景には、企業が宅急便を出すようになったことも非常に大きく影響しています。何年からか前から分らないが、それが逆転してしまって、圧倒的に企業から出る荷物が増加しました。CtoCの市場はある程度飽和に近いと我々もみていて、大体どれくらい出すか分からないですけど田舎から荷物を送ってくるといった人は多く使うのでしょうが、(その他の人は)年間で5回か多くて6回くらいじゃないかと思います。そこへくると企業は、大量に出すから、そういった意味で企業からの割合が多いと思います。物流のアウトソーシングを請け負うことによって、結果的に宅急便の発送個数も増えてくるのではないかと思うのです。
F
BtoCが増えたというのは、企業のIT化が進んだからか?
A.少なからずともありますね。しかし爆発的に影響を受けたかというとそうでもないと思います。あえて言うとネットビジネスの中でもネット通販の影響っていうのがあるかもしれないですね。ネットオークションとか、インターネットを使ったいろんなサービスに付加されたデリバリーサービスというのがあるので。やっぱりコレクトが非常に伸びています。コレクトが伸びているということは通販がすごく伸びているということですよね。代金決済がクレジットカードでできるようになってもっともっと便利になってきているので、またBtoCの市場は広がってくるのではないかな。
G
その代金決済はドライバーさんが届け先の窓口で行うのか?
A.それは佐川さん。ヤマトではまだやっていないですね。それとはまた違うサービス、いわゆるクレジットカードでの決済サービスだけれども、ヤマト運輸が始めたのは軒先で機械を使ってお客様の目の前で決済をするのではなくて、時前にネット上で決済を済ませてしまう。だからお届けの時には、代金も何もいただかないでお届けするだけ。指定の口座から引き落とされて、それがクレジットカード会社に決済されるという仕組みができていて、それがネット上で全部できるようになっています。
H
なぜそういった方式をとったのか?
A.というと、(衛生を使っていれば別だが)アンテナの状況・電波の状況によって軒先でカードをこすっても余震?経過が返ってこないことがあるのです。クレジットカードが使えるかどうかは余震?しないと決済ができないので、使える場所と使えない場所がでてしまいます。佐川さんが使っているのはNTTdopaという通信システムです。(軒先で行う)この動作が事前にネット上で余震?が済んでいれば、このクレジットカードが使えるという報告がきて始めて配送されるので、お客様は安心して受け取れます。
I
インターネットをどのように考えているのか、力をいれているのか?
A.力を入れていきます。お客様に便利なサービスを提供するためには、インターネットを使ったサービスが欠かせないですね。インターネットを通していろんなサービスが提供できるように研究しています。その一つが「荷物のお問い合わせ」であり、「集荷依頼・再配達依頼」です。これらを全部ネット上で受け付けることもできるし、携帯電話でもできるし、引越しの見積もり依頼もできます。本当は、我々のサービス業では対面でというのが理想的なのですが、今の若い方達も含めて対面では嫌な人もいるじゃないですか。自由に24時間いつでもインターネットを通してコミュニケーションがはかれるというのが必要になってくるのではないかと思います。これからもそういったサービスが出てきますね。
J
ヤマト運輸では佐川に比べてCtoCが多いと思ったが、お話を聞いてBtoCが多いということがわかったのですが、BtoBはやっていないのか?
A.やっていますよ。まだシェアは大きくないですが。
K
BtoBの新規顧客開拓に関してどのような方針があるのか?
A.一つにはITを駆使したお客様へのサービスがあります。ヤマトの情報システムの仕組みというのが元々はCtoCの市場からスタートしたサービスなので、それを中心とした仕組みになってしまっています。だから今のインターネットと非常に相性の悪い仕組みになってしまっています。そこで今、それをいわゆるホスト集中型からサーバーをきちんと分散して、このシステムはこのサーバー、このシステムはこのサーバーとサーバーごとに独立させた仕組みにして、結果としてお客様がインターネットを通してヤマトのサービスにどんどん入ってくるような仕組みに切り替えています。企業のお客様との間でも色々なデータ(EDI)のやりとりであるとか、インターネットを通したもっともっと幅広く不特定多数の方が自由に使ってもらえるようなそういった仕組みにしていきます。
今まではどうしても個人のお客様が中心だったので大口の荷主さんから話しがくると個別にカスタマイズしていかないとできませんでした。カスタマイズできるところとできないところがありました。例えばお客様から発注データなどを全部もらっていたのを、そこで打ち込めば自動的にヤマトのほうにデータが飛んできて、ヤマトのほうでそれを加工して伝票に写して配送します。データのやりとりがうまくいかなかったり、そこでまた色々な仕組みを付加しようとするとできなかったりが、今の段階では(そういうことが)どうしてもあります。佐川さんとか日通さんとかは新しい機関システムを最初から、何もなかったものを最初から作り上げたので、もう向こうのライバルさんたちはできています。若干ヤマトが遅れをとっていると言われていますね。しかし遅れ馳せながら、そういったBtoBの市場も踏まえた情報システムの再構築というのをやっているので、早ければ来年早々にも計画ではいけるようにやっています。
L
市場的にはCtoCが飽和状態であって、BtoCが伸びるということですか?
A.BtoBは非常に伸びると思いますね。ヤマトがねらっている市場はBtob(スモールb)、要するに限りなく個人に近いような企業(個人商店や中・小企業、町工場など)自分達で仕組みが作れないけれど、ヤマトの仕組みをうまく利用すればどんどん活性化するというところがいっぱいあると思います。ヤマトのコンセプトは、「不特定多数を対象に」であるから特定の荷主さんに対して個別にというよりは、誰でも使えるような仕組みにしたいというのがあって、例えば日通さんとかは、ある特定の企業の物流センターを任されて、そこをやっているというのが結構あるようです。例えば、アマゾンですね。
M
佐川などは主にBtoBだったのが、これからはBtoC・CtoCにも参入してくると思うのですが。
A.平成12年に国土交通省から宅急便取扱個数の発表があり、それを見ると佐川さんが追随してきているのでヤマトのシェアが落ちてきていますね。佐川さんの荷物のカウントの仕方が変わったことで(元々潜在個数が10億個くらいある)、あれはあくまでもBtoB・BtoCも今までは宅配としてやっていなかったものを全部宅配便にカウントすることができるようになりました。(運賃届けをしたことにより)実際の取扱個数も伸びたとは思うのですが、あれだけ伸びたのはもともとあったものを宅配便の個数でカウントしたからではないかと思います。だから来年はもうちょっと数字を伸ばしてくると思います。下手するとヤマトに追いつくか追い越されるかというような危機感をもたなくてはいけないし、それを想定した動きをしていかなくてはいけないなと思います。
N (資料から)宅急便の単価が下がったというのは?
一つには、荷物が小口化しているということです。企業の荷物が増えてきているというのは、書類・部品など小さなものが結構あり(その荷物の量が)多いとそれだけ単価が下がります。もう一つには、企業からの荷物が増えたことにより大口割引が適用になる企業が増えたことです。大口割引が増えればそれだけ単価が下がります。
以上がインタビューの大体の内容です。インタビューおこすのが遅くなり申し訳ないです。実はもうちょっと他にも質問が出ていたのですが、論文には直接関係のないと思ったところ&テープにガタガタという雑音が入り聞き取れなかった部分はのせていません。ごめんなさい。なんでこの質問入れてないの?というのがあったらぜひお知らせください。それでは…論文提出までもう少し、がんばろうね!