経緯
「平和」の売上高・経営利益の推移を見るとき、92年が大きな転機になっていることがわかる。それまでの業績に比べて、急激な増加を示しているのである。91年の売上高が682億5800万円であるのに対し、92年の売上高は1068億8300万円と前年比56.89%
の伸びを示している。その後も96年までは、同程度の水準を維持していた。 92年 「平和」の業績が上がった要因として、次の2つを挙げることができる。1つ目は、業界初の液晶を使ったパチンコ機 が大ヒットしたことである。従来の台に比べて、液晶は原価が高かったため、それに伴い売上高、経常利益ともに上昇したのである。そして、2つ目は、CR機の導入である。92年以降CR機の需要が増加し、「平和」のパチンコ機及びパチンコ機ゲージ盤 と補給機器 の売上高が急激に上昇する結果となった。92年から96年までの間、パチンコブームによる産業全体の急成長の後押しもあり、「平和」は非常に高い利益をあげたが、97年には、パチンコ人気の低迷、景気の停滞、プリペイドカードシステム (以下PCシステム)の普及が一巡したこともあり、カードシステム関連機器 の売上高は大幅に減少した。 現在のパチンコ産業は非常に厳しい状況に置かれているが、92年から96年の例から分かる通り、新しい機械の開発や新しいシステムの技術革新により、再び大きな利益をあげる可能性は大いにあると思われる。