国際政治史における軍縮と軍備管理

  • 概 要
    19世紀以降には、兵器生産技術が飛躍的に発展したと同時に、兵器の生産や保有、移転などの規制が幾度となく試みられてきた。本書は、この時代の軍縮・軍備管理における、武器移転規制と軍備の削減・制限の位置付けや関係性を考察し、過去の時代に関する研究が現代の政策論議に対して持ちうる示唆を検討する。そして、歴史学者と安全保障研究者・実務者による学際的・国際的な研究に向けた課題を特定し、新たな研究を展望する。
  • 目 次
    • 序章武器移転規制と軍備の削減・制限をめぐる歴史(榎本 珠良)
    • 第1章アフリカ銃貿易とブリュッセル会議(一八八九~九〇年)―ソールズベリー首相はなぜ銃貿易規制を推進したのか―(竹内 真人)
    • 第2章両大戦間期における軍事力と国際的不安定性(ジョセフ・マイオロ)
    • 第3章第二次ロンドン海軍軍縮会議予備交渉の過程(小谷 賢)
    • 第4章ジュネーヴ軍縮会議に至るイギリス国際軍縮政策とフランス安全保障問題(松永 友有)
    • 第5章戦間期武器貿易規制交渉の帰結と遺産(キース・クラウス)
    • 第6章アメリカの戦時在外余剰資産の処分と武器移転―国務省対外清算局の活動(一九四五~四九年)を中心に―(須藤 功)
    • 第7章冷戦終結後の通常兵器移転規制の進展と限界(榎本 珠良)
    • 終章軍縮・軍備管理の学際的研究に向けた諸課題(榎本 珠良)