むすびにかえて
ともすると選挙区内の利害に縛られる地方議員が、地域を越えて考え、そして地域で活動する契機にインターネットはなっている。しかし、インターネットは活用方法も含めた普及率の点で、まだまだ政治・社会をどう変えるかという段階にはない。またここで触れたのは限られた先駆者集団の中での話しに過ぎない。筆者としては、今後、これを一過性の研究としてではなくその推移を継続的にとらえ、かつ現実に変化をもたらし得るような方法を模索してゆきたい。
今回、多くの地方議員の方に御協力を頂いたことに改めて誌上をもってお礼申し上げたい。設問事項のうち政治と情報倫理、選挙活動についての回答を報告することができなかった点について、今後、何らかの方法(Web等により)で報告をするようにしたいと考えている。また、地方議員に対する調査の比較対象として芸術・文化領域、NGO・市民運動団体、国際関係団体にアンケート調査を行ったが、その回答に対する分析と報告も今後の課題である。結局、判明したことよりも残された課題のほうがはるかに大きい結果となってしまったが、持続的、かつ実際的な研究の第一歩として、御協力を頂いた皆さんのお役に少しでも立てればと思うばかりである。