なぜ米軍基地が日本に・・・?    
なぜ米軍基地が日本に・・・?


なぜ日本に米軍基地が存在するのだろうか?この問いの答えを見つけるために、安保条約と在日米軍の意義について調べてみた。

 

日米安全保障条約、通称「安保」は、1951年9月に締結され、これにより日本での米軍基地の存在が日米両国で認められた。そしてこの安保成立の大きな目的は、 日本を他国の、特に共産圏の国々の勢力から守ることと日本が太平洋地域において 米国を中心とする西側諸国の防波堤としての役割を果たすものであった。

       

このように「日本の安全は米国の軍事力によって守られている」というのが、日本が安保体制に見出した意義である。確かに日本は防衛力を持たないし、 核も持たない。今までこの問題点は米軍の存在によって解決されてきた。そして条約が対等の立場で結ばれたものである以上、日本は米国に何らかの利益を 与えなければならない。それが基地の存在である。

   

ところが1989年頃から、国際情勢に大きな変化が訪れた。冷戦の終結である。これまで重要視されてきた、ソ連邦の強大な軍事力、共産主義の脅威は 、全く失われたとまでいかなくとも、以前のような圧迫感が取り除かれた。日本には新たな敵が必要だった。現在北朝鮮の動向が危険視されている。日本人は 北朝鮮の政権がいかに危ない人物に握られているかを知り、核疑惑におびえ、近隣諸国が未だ安定とは遠い状態にあることに不安を覚える。その不安こそが 現在の安保体制を支える柱になっているのであろうと思う。



そして1996年クリントン米大統領と橋本首相による「日米安保共同宣言」が発表された。そこには、「日米両国の将来の安全と繁栄がアジア太平洋地域 の将来と密接に結びついていることで意見が一致した」とある。こうして安保体制は現在も続き、基地は存在し続けているのである。



しかし今なお米軍基地があるために犯罪、騒音、事故、環境汚染などの様々な問題が起こっている。「日米両国の将来の安全と繁栄のため」と定義され たものの、このような問題の被害者の立場に立つとこの日米安保体制に疑問がわいてしまうのである。