トルーマン・ドクトリン(抜粋)
1947年3月12日
(前略)世界の歴史は現在の瞬間において、殆どすべての国家の人民に対し、二つの生活様式のいずれか一方を選ぶことを要求している。しかもこの選挙において、自由を与えられ る国々はあまりにも多いのである。
二つの生活様式の第一は、多数者の意志に基礎をおき、自由な制度、代議政体、自由選挙、個人の自由の保障、言論と宗教の自由、そして政治的圧制からの自由によって特徴づけられる。
第二の生活様式は、多数者の上に力によって強制された少数者の意志に基磋をおく。そ れは恐怖と統制された出版と放送、形式的な選挙、そして個人の自由の圧迫によって成立つものなのである。
私は武装せる少数者や外部の圧力による征服の意図に抵抗しつつある。自由なる諸国民 を援助することこそ合衆国の政策でなければならぬと信じる。
この故に私は当議会に対し、1946年6月30日をもって終結する期間の間に、ギリシャお よぴトルコに対して4億ドルの援助を与える権限を要請する。
資金と同時に・私は当議会に対し、ギリシャ=トルコ両国の要請に基き、その復興を助け、与えられるべき財政的物質的援助の使用を監督する目的をもって、両国に対してアメリカ民間人および軍人を特派する権限を要請する。私はギリシャ=トルコ両国人の中から選ばれた人々に対して、指導と訓練を与える権限をも与えられることを勧告する。
出所) 細谷千博、丸山直起編『国際政治ハンドブック』(有信堂)、74ページ。
原典:アメリカ学会訳編『原典アメリカ史 別巻』(岩波書店)