国連安全保障理事会決議82(抜粋)
1950年6月25日採択


安全保障理事会は、

 大韓民国政府は

「国際連合臨時朝鮮委員会が観察し、かつ協議することができたところの、朝鮮人民の大多数が居住している朝鮮の部分に、有効な支配と管轄権を及ぼしている」

合法的に確立された政府であること、および

「この政府が朝鮮の前記の部分の選挙民の自由意思の有効な表明であり、かつ、臨時委員会により観察された選挙に基づくものであること、ならびにこの政府が朝鮮における唯一のこの種の政府であること」

を、総会がその1948年10月21日の決議293(W)において認定したことを想起し、

 朝鮮の完全な独立と統一とをもたらすために国際連合が達成しようとしている成果に反する行為を加盟国が慎まない限り生ずる恐れのある結果について、総会がその1948年12月12日および1949年10月21日の決議において示した関心に留意し、また、国際連合朝鮮委員会がその報告において記述した事態が大韓民国および朝鮮人民の安全と福祉とを脅かし、かつ同地域における公然の軍事的紛争を導くものであるという懸念に注意し、北朝鮮からの軍隊による大韓民国への武力攻撃を、重大な懸念をもって注目し、この行動が平和の破壊を構成するものであると決定し、また

1 敵対行為の即時停止を要求し、かつ、北朝鮮当局に対し、その軍隊を38度線まで 直ちに撤退させるよう要請する。

2 国際連合朝鮮委員会に対し、次のことを要請する。
a) この事態に関する充分に考慮した勧告を、できる限りすみやかに通報すること。 b) 北朝鮮軍の38度線への撤退を監視すること。
c) この決議の実施に関して、安全保障理事会に常時通報すること。

3 すべての加盟国に対し、この決議の実施について、国際連合にあらゆる援助を与え、かつ北朝鮮当局への援助の供与を慎むよう要請する。


出所) 細谷千博、丸山直起編『国際政治ハンドブック』(有信堂)、207-8ページ。 原典:神谷不二編『朝鮮問題戦後資料(第1巻)』日本国際問題研究所1976年、471ページ。


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