■トレーニングの効果
これまでに報告されている研究報告
NK細胞
中程度のトレーニングでは安静時のNK細胞活性は増加し,高強度ではNK細胞活性の低下が見られることが多い。
マウスの実験でも自発的運動は脾臓NK細胞の機能を高めるとの報告が多い。
トレーニングによってNK細胞サブセットの比率が変化する。
リンパ球
安静時のリンパ球濃度はトレーニングによって変化しないと考えられる。
貪食作用や活性酸素産生能などの好中球機能,リンパ球の増殖反応およびIgA,IgG,IgMなどの血清免疫グロブリン濃度
中程度のトレーニングでは増加するが,高強度では減少するとの報告が多い。
単球
マクロファージ
トレーニングによって数の変化はないが,走化性,接着性,傷害活性,食機能なは亢進すると報告されている。
◆オーバートレーニングの影響
これまでに報告されている研究報告
末梢血における白血球濃度の減少が報告されています。白血球の分画ではNK細胞や単球濃度が減少し,NKT細胞濃度は増加します。T細胞やB細胞濃度への影響はあまりありません。
唾液中のIgA濃度を減少させます。IgA濃度は高強度の運動を数日継続すると低下します。
オーバートレーニングを起こした者は
グルタミン
の血中レベルが低下しています。
グルタミンは体内では最も豊富なアミノ酸で,筋で産生され血中に放出されます。
また,免疫細胞の主要なエネルギー源でもあり,特にリンパ球やマクロファージによる取り込みが顕著です。
グルタミン濃度の低下は免疫機能を低下させる可能性があります
グルタミンのレベル低下はオーバートレーニングにおいて,その徴候がみられる間は継続して低下することが報告されています。
グルタミン濃度がオーバートレーニングの生理的指標と成り得るかを検討する研究が現在進行中。(現時点ではグルタミン濃度低下と感染率増加をリンクさせる報告はありません)
◆研究結果からみるトレーニングによる影響
これまでのトレーニング研究では一定の結果が得られていない。原因としては以下のことが考えられる。
最後に行った運動
などの違いがあるため
トレーニングの形態
筋線維の損傷度
精神的ストレス
栄養や休養
しかし一般的には軽度ないし,中程度のトレーニングは免疫機能を亢進し,高強度では免疫機能抑制の傾向にある。
高強度では免疫機能抑制の原因として以下のことが考えられる。
筋線維損傷反復によって白血球組織への遊走が促進される。
炎症反応の繰り返しによる抑制的なフィードバックの発動。
好中球のターンオーバーが早くなり,未成熟な好中球増加に伴う機能低下。
この抑制が免疫機能としてどのような意味を持つのかは現在研究段階にあります。
◆topへ戻る
◆慢性運動の効果に戻る
◆運動と上気道感染へ進む
◆運動と免疫の目次へ
◆ホームへ