ウエルネス

 ■ウエルネススペクトル

1 ウエルネススペクトルとは

健康は単純に病気と健康というように示すことはできなく,病気などによる未成熟な死から,高いレベルの健康まで,光線のスペクトルのような状態で連続しているはずです。
ここでは病気の有無にかかわらず,右に向って行くことがより高いレベルの健康を獲得することを表しており,健康のなかにも質的な違いがあることを示しています。
wellness spt

2 ウェルネスフォース

スペクトルの中に示されているウエルネスフォースは,より高いレベルの健康を獲得する推進力であり,自覚,学習,実行,習慣化の4段階から構成されています。
自覚
自分自身の現在の身体と心の状態を把握すること。
ネガティブ因子である病気の有無をはじめとし,環境の変化に積極的に適応する能力を知ることに。
自分を取り巻くリスクファクターや各種ストレッサーの存在を把握すること。
自分がより人間らしく生活するためには何をやりたいのか,という自分の欲求を自分自身に確かめてみること。
学習
自覚した自分の身体と心の状態、リスクファクター,欲求等をふまえて,それを解決していく方法を学習すること。
身体や心に病気がある場合,それをどのように治療していったら良いのか?
病気ではないが,さらに良い状態や高い能力を得るためには何をしたら良いのか?
自分にとってリスクファクターやストレッサーは何か,さらにその除去やマネージメントはどのようにするか?
欲求や願望を達成するためには何をしたら良いのか?
実行
学習したことを実行する。
健康が気になる人は多いが,実際にそのために何かをやっている人はあまりいない。
実行することによって初めて実際の効果が現われるのであって,実行しないことははじめから何もやらないのと同じ効果しかないことになりる。
大きなハードルだが,まずは1歩を踏み出すことが大切。
習慣化
3番目で実行に移した行動をライフスタイルとして自己の生活のなかに取り込むこと。
ポイントはいくつかの取捨選択を経て,自分に合ったものを取り入れていくこと。
本当に自分が打ち込めるものであるか,それとも自分の生活のなかに自然に取り入れられるものであるか見極めが必要。

このステップを踏むことで,現在の状況から次第により高い健康の方向(右側)にシフトしていきます(ウエルネスフォース)。
これに対し,現代生活に身を委ねている状態であれば,時間の経過(加齢)とともに次第に左にシフトしていきます(タイムフォース)。

3 問題点

左側の最終点が死で良いのかということです。
ひとくちに死といってもその内容は寿命を全うした大往生か,病死,自殺,事故死など様々です。
寿命を全うした大往生
大変健やかな死と考えられます。
自ら命を断つ
自殺や無謀な行動による死は,事情はどうあれ,まず精神的に健康を害した状態といえます。この場合の死は高いレベルの健康に対極するものとして考えられます。
病死の場合
病死では死にいたる過程が様々です。その過程の内容によっては健やかな死と考えられる場合も,不健康な死と考えられる場合があります。

例えば,ガンと知りながら最後まで好きな山を登り続けた登山家やオリンピックに出場した後で先天的な疾患によって突然死したバレーボール選手達の場合,彼らの人生は短くはあるが充実したものではなかったでしょうか。この場合の死は健やかなものとして考えて良い部分が多いと思います。

慢性疾患や先天的な疾患があってもそれをうまくコントロールし,自分に合った充実した人生を送った人の死も健やかな死として考えて良いでしょう。

以上のことから左側にくる死とは,自己の存在価値を失い,生きる意欲を喪失してしまったような場合や無謀な行動によって死に至るような事故を招いた場合になります。
図に示している「未成熟な死」にはこのような意味が含められています。

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