2004年の抱負

by 夏井高人


 

 いろいろと雑事にまぎれて自分らしい仕事ができないまま,あっという間に2003年も過ぎてしまった・・・

 2004年は,いくつかの実現可能な目標を定め,その実現のためにがんばりたい。

 ところで,自分の達成すべき目標を公開することは,ある意味で恥ずかしいことでもありリスキーなことでもある。

 なぜなら,目標それ自体がたいしたことでない場合,馬鹿にされるかもしれないという気持ちにとらわれやすいし,また,もし目標を達成できなかった場合,将来の時点で,ある種の非難や侮蔑の原因ともなり得る (簡単に言うと格好悪い)からである。

 しかし,私は,あえて私の目標を公開しようと思う。

 なぜなら,自分で自分に鞭打って,自分に厳しく生きるということが非常に難しい年齢になってきてしまったからだ。何もしなくてもそこそこの名誉と地位と収入を得ることはできる。どうしても軟弱な傾向に流れやすいし,できれば冒険を避けたくなってしまうような年齢なのだ。

 けれども,この私から探究心と努力というものを取り去ってしまったら,いったい何が残るというのだろうか?これまで,私は,その2つだけを自分の宝にして今日までがんばってきたのではないか? 私が私らしく生きることをやめてしまったら,私は,私ではなくなってしまうかもしれない。

 というようなことをあれこれ考えた上で,ここに非常にチープな今年の私の目標を掲げたい。

1) SHIPプロジェクトの研究がこの3月で5年の研究期間を終えるが,きちんとした研究成果をまとめて残したい。また,その成果物を法科大学院等でも利用できるようなかたちで受け継ぎしたい。

2) これまで伸び伸びとなっており出版社にも多大も迷惑をかけ続けていた書籍の刊行をぜひとも実現したい。少なくとも下記の 2冊の書籍は,必ず刊行する。

a) サイバー法入門 リックテレコム

b) 法情報学読本 日本評論社

3) きちんとした論文をまとめて学位請求をし,学位を取得する。

 私自身は,実務家出身だし学位にこだわる気は毛頭ない。人間の価値は学位の有無などで決まるものではないし,研究成果の生産性・有用性も学位の有無によって評定可能なわけがない。しかし,海外に出ていろんな人と出会う度に,必ず「プロフェッサー夏井はどうして学位をもっていないんだ?学位がなくても授業をすることができるのか?」と尋ねられ,日本の制度が海外の制度と大きく異なっているという説明をするのにとことん くたびれてしまった。きちんと説明しようと努力すればするほど「日本は奇妙な国だ」というような不信感を招くことにもなりかねない。そんな面倒くさくリスキーな説明を重ねるくらいなら,いっそのこと学位をとって しまい,名刺にそれを刷り込んでおいたほうがずっと楽だ。その程度の話しである。

4) ホームページの更新をサボり気味だったので,きちんとやる。

5) 仕事にばかりかまけて家族旅行をしていなかったが,気がついてみると子供たちもずいぶんと大きくなり,いずれ全員そろって家族旅行などできない状況になってしまうだろう。そこで,とにかく 一家そろっての家族旅行を実現する。これは,親の自己満足に過ぎないのかもしれない。しかし,時間は決して逆戻りすることがない。

 以上のとおり。

 こんなつまらないことしか目標にできないけれども,でも,がんばってみよう!

 


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Last modified Jan/05/2004

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