ネバダ州(USA)の「1997年電子メール法」
(仮訳)
翻訳:夏井高人
これは,アメリカ合衆国ネバダ州の法典の一部であり,いわゆるスパミングに対抗するための法律として新規に立法された「電子メール法」を大急ぎで仮訳したものです。誤訳もあるかもしれません。この点,ご注意ください。
なお,この法律のオリジナル・テキストは,
http://www.leg.state.nv.us/97bills/SB/SB13_EN.HTM
で入手できます。
1997年7月1日制定
Section 1.
ネバダ州法典第41章は,本法の第2条ないし第8条に規定するとおりに追加して,改正される。
Section 2.
本法の第2条ないし第8条で用いるときは,文脈が他の意味を要求しない限り,本法の第3条ないし第6条で定義する用語は,それらの条項で示される意味を有する。
Section 3.
「宣伝(Advertisement)」とは,次のものを意味する。
1 不動産,動産またはサービスの性能もしくは品質に関する商業目的での宣伝広告
2 不動産,動産またはサービスの購入を請うことを企図もしくは目的とするもの
Section 4.
「電子メール(Electronic mail)」とは,メッセージ,ファイルその他の情報であって,ローカル・ネットワーク,リージョナル・ネットワークもしくはグローバル・ネットワークを介して,そのメッセージ,ファイルその他の情報が,
1 閲覧されるかどうか,
2 後に復元するために記憶されるかどうか,
3 紙その他の類似の物に印刷されるかどうか,または,
4 電子メールの内容をフィルターまたはスクリーンするためのコンピュータ・プログラムによってフィルターされ,もしくは,スクリーンされるかどうか
にかかわらず,送信されるものを意味する。
Section 5.
「ネットワーク(Network)」とは,1以上のコンピュータからなるネットワークであって,モデム,電子的技術,光学的技術その他類似の手段によってアクセスすることのできるものを意味する。
Section 6.
「受信者(Recipient)」とは,電子メールのアイテムを受信する者を意味する。
Section 7.
1 本法の第8条が規定する場合を除き,宣伝広告を含む電子メールのアイテムを送信し,もしくは,送信されるようにした者は,次のいずれかに該当するのでない限り,受信者に対し,民事損害賠償責任を負わなければならない。
(a) その者が,受信者と,以前から存在するビジネス上の関係もしくは個人的関係を有している場合
(b) 受信者が,その者からの電子メールの受信を明示に同意している場合,または,
(c) 宣伝広告をするものであることが容易に判別でき,もしくは,それが宣伝広告であることを示す文章が含まれている場合であって,かつ,次の各事項が明確かつ目立つようにその文章が示されている場合
(1) その電子メールを送信する者の適法な氏名,住所及び電子メール・アドレス
(2) 受信者が,今後,その電子メールの送信者から宣伝広告を含む電子メールを受信することをを断ることができる旨及びその電子メールの受信を断る場合の手続に関する告知
2 ある者が,1項に基づき受信者に対して責任を負う場合には,受信者は,その者に対して,次の損害の賠償を求めることができる。
(a) 実際の損害の額にかかわらず,受信した電子メールのアイテム1つにつき10ドルの割合による損害賠償額
(b) 弁護士報酬及び訴訟費用
3 2項に規定によって認められる損害賠償請求に加え,受信者は,受信者の住所地にある郡の地方裁判所において,宣伝広告を含む電子メールのその他のアイテムを受信者に送信した者に対する損害賠償命令の発布を求めることができる。
Section 8.
1 ある者がユーザに対してネットワークへの接続を提供しており,かつ,そのサービスの一部として,そのユーザの代わりに電子メールのアイテムの送信をしている場合には,その者が,その者の配布する広告もしくはその者に配布される宣伝広告を含む電子メールのアイテムを送信するのでない限り,その者は,本法の第2条ないし第8条に含まれる民事損害賠償責任を免除される。
2 本法の第2条ないし第8条に含まれる条項は,受信者が任意に入手する電子メールのアイテムについては適用されない。本項は,受信者が電子掲示板(an electronic bulletin board)から任意に入手する電子メールのアイテムを含むが,これに限定されるわけではない。
Section 9.
本法は,1998年7月1日に発効する。
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最終更新日:Jun/18/1998