主旨
「リズム現象」は生物に見られる特徴的な現象の一つです。心臓の周期的な鼓動や概日リズム、細胞周期など、様々な時間スケールでリズムが刻まれています。これらのリズム現象の起源を探る研究は多方面から行われており、生物を分解して構成要素の分子間(遺伝子間)ネットワーク構造を解析するような研究が代表的です。その一方で、リズム現象は生物に限らず、その本質を抽出できれば無生物系でビーカーの中でも再現することは可能です。Belouzov-Zhabotinsky反応に代表されるような化学振動反応がその良い例です。さらには、それらを数理モデルに書き表し、本質的な仕組みを数理的に解析する研究も行われています。今回、このように多方面からアプローチされている「リズム現象」にフォーカスを絞り、分野の異なる研究者が一堂に会して議論する機会を作り、これらの多様な研究のつながりを明らかにすることで、統一的な理解を見出すことを目的として研究集会を開催します。このように、分野の垣根を越えて議論する機会を作ることで、新たな視点を得たり、新たな共同研究の礎を築いたりするきっかけにもなると期待されまる。