法社会学 |
担当教員 | 太田 勝造(OTA Shozo) |
法科大学院科目群 | 基礎法学 |
種別 | 選択 |
単位数 | 2 |
法科大学院年次 | 3年次 |
配当学期 | 夏(S) |
筆記試験 | 行なわない |
平常点 | 考慮する |
リポート | 課す |
開講年度 | 毎年 |
《教材》![]() ・東京大学教養学部統計学教室(編)『人文・社会科学の統計学』東京大学出 版会 ・ボーンシュテット&ノーキ『社会統計学:社会調査のためのデータ分析入門』 ハーベスト社 ・芝&南風原『行動科学における統計解析法』東京大学出版会 ・辻&有馬『アンケート調査の方法:実践ノウハウとパソコン支援』朝倉書店 ・盛山,近藤&岩永『社会調査法』日本放送出版協会 ・マンジョーニ『郵送調査法の実際:調査における品質管理のノウハウ』同友 館 ・林『郵送調査法』関西大学出版会 ・「法曹の質」研究会(編)『「法曹の質」の検証:弁護士に求められるもの』 商事法務 ・加藤&河合(編著)『人間の心と法』有斐閣 ・太田(編著)『チャレンジする東大法科大学院生』商事法務 ・村山,フット,濱野&太田(編著)『法社会学の新世代』有斐閣(近刊)
《概要》 現代日本の法制度と法をめぐる社会現象とについて,社会科学的アプローチ を用いて探求する.実定法の解釈学とは異なり,法制度が社会においてどのよ うな実際の働きをしているのか,していないのか,法をめぐる社会現象はどの ようなメカニズムとダイナミクスで説明されるのか,という視角から分析する. 法解釈学のように,法はいかにあるべきか,という規範的な分析や政策的提言 を行うことよりも,法と社会とはいかなる相互作用をするものなのか,につい ての実証的分析や理論的考察を行うことを法社会学はその中心的課題とする. もちろん,事実を重視するといっても,法社会学が,単なる事実の羅列的記 述を行うだけであることを意味するものでは決してない.人間行動とその相互 作用が,いかにして秩序を生み出したり社会制度を構築したりするのか,その 際に規範や法はいかなる役割を果たしているのか,を認識するためには社会行 為とその相互作用についての理論が必要である.このような社会科学的理論に よって提示される諸仮説について,社会の現実とつき合わせて「ほんとうのと ころはどうなのか」を検証して行く学問が法社会学である.法社会学が提供し ようとするものは,このような事実についての客観的認識である. 法とは,あるべき社会についての理想像を示すものであるとともに,その理 想へ至るための道筋を示すものであり,理想を実現するための道具ともなるも のでもある.法社会学は,法が理想実現のためのより良い道具となるための条 件を明らかにするものともなりうる.このことは,法制度の改善のための事実 的基礎を提供することも法社会学の役割のひとつであることを意味する. 講義では,法社会学の諸理論,諸方法,諸成果を説明して行く.法意識・法 文化,法律家(弁護士,裁判官,検察官など),司法制度・裁判制度,裁判外 紛争解決制度(仲裁,調停,苦情処理など),法秩序,社会変動,などに興味 を持っている学生の聴講を期待している. 今年度の講義では,社会調査の設計および質問票作成の具体的作業を試みる 予定である.
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