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応植研ニュース Vol.14 No.3
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2010年4月2日発行
〒214-8571 川崎市多摩区東三田1-1-1
明治大学農学部農学科応用植物生態学研究室
編集 倉本宣・林恒至
URL http://www.isc.meiji.ac.jp/~seitai
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■ 先生から
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【日曜の生態学者】
私は、1983年から13年間にわたって研究職ではなく一般行政職の
仕事をしながらアマチュアの研究者として研究してきました。職場
は東京都庁の大島公園事務所(大島町)、多摩環境保全事務所(立川
市)、桜ヶ丘公園管理所(多摩市)、東京都公園協会(千代田区)、都
庁環境保全局(新宿区)で、なるべく現場で仕事をするようにしてき
ました。大島公園の植栽のように仕事の中で研究が役立ったことも
ありました。でも、大部分は日曜日に研究をしてきました。大島公
園事務所では8週9休でしたから、休みは今より少なかったのです
が、休みをまとめて多摩川に調査に来ていました。
東京都公園協会で仕事をしていたときに、「カワラノギクの保全
生物学的研究」という学位論文をまとめて、東大の井手久登先生の
ところで審査していただきました。井手先生はドイツでは「日曜の
生態学者」という言葉があるとおっしゃいました。
研究室の卒業生の大部分は職業的な研究者や研究に関係のある職
業に就くわけではありません。でも、それぞれの持っている時間に
応じて、「日曜の生態学」を展開してほしいと思っています。今年
は隣の部屋の藤沢先生が定年退職されますが、私が退職するときに
は「日曜の生態学展」ができたらいいなと願っています。
(倉本 宣)
【黒川里山探検】
約2年間、農学部の教務主任として農学部の運営の仕事、特に黒
川新農場の計画に携わってきました。教務主任の任期が終了するこ
とから、来年度に新たに始める研究の企画を考えています。
ここで、黒川新農場について若干の説明をしておきます。明治大
学では多摩ニュータウンの南東に隣接する川崎市麻生区黒川に新農
場を建設しています。黒川は都市に囲まれながらかろうじて残って
いる里山で、都市農業がさかんに営まれているところです。水田が
あって、小川の水管理も行われています。一方、雑木林はほとんど
利用されなくなっています。黒川には、貴重な動植物も生息・生育
しています。また、黒川谷戸プロジェクトとして、坂本正紀さんと
黒川観光農業振興会のお力添えにより、放棄された水田の管理や周
囲の生きもの調査を行ってきました。
そこで、私たちと一緒に黒川の自然や農業や農家の暮らしの知恵
を調べてくれる学生を募集して谷戸プロジェクトをもう一歩拡張し
ようと考えています。ここで学生というのは農学部の他学科の学生、
和泉校舎や駿河台校舎の学生、さらには理工学部の学生です。それ
ぞれの学生には、黒川のなかの狭い地域を受け持ってもらって、そ
の場所の農家とお友達になったり、季節の進行につれて自然のこと
を調べてもらったりしようと考えています。
これは、黒川でこんなことをしたらどんな反応があるかという多
摩川でカワラノギクのための造成を行ってそのあとの変化をみるよ
うなインパクト-レスポンスの観察が基本です。なるべく、黒川の
人たちに迷惑にならないように、そして2年後に農場ができて学生
が黒川に来るようになったときの摩擦が少ないように行いたいと考
えています。
研究室の谷戸プロジェクトの一部は拡張した谷戸プロジェクトの
研修の場として活用させてもらうつもりです。また、いきなり調査
といってもみんな戸惑うでしょうから、最初は里山の大切さとおも
しろさを伝えるような催しも用意したいところです。
なお、名称についてはまだ検討中です。学生の世代に受けそうな
アイディアがあったら教えてください。
(倉本 宣)
■ 報告
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日本生態学会第57回大会において、応用植物生態学研究室の3名の学
生がポスター賞優秀賞を受賞しました。
発表内容と受賞者は以下の通りです。
『下部谷壁斜面における木障刈り後の植物個体群再生様式』
(農学科4年 小泉恵佑)
『絶滅危惧種コアジサシの効率的な保全への提案』
(農学科4年 佐々木太毅)
『マイクロサテライトマーカーを用いた落葉低木ユキヤナギの遺伝
的構造』
(農学研究科博士後期課程2年 芦澤和也)
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L.A.P.E. 応用植物生態学研究室
http://www.isc.meiji.ac.jp/~seitai/