--------------------------------------------------------------------- ==================== 応植研ニュースVol.9 No.7 ==================== ---------------------------------------------------------------------           2004年2月13日発行          〒214-8571 川崎市多摩区東生田1-1-1           明治大学農学部農学科応用植物生態学研究室           編集 倉本宣・小池佳代・阿南一穂   URL http://www.isc.meiji.ac.jp/~seitai  <新3年生>  新3年生の入室が決まりました。9名の入室が決まりました。70単位取れて いないと入室できないので、まだ仮決定ですが、よろしくお願いします。  川崎市麻生区黒川に農場ができることになり、明治大学は用地を取得してい ます。この農場の1/3くらいは雑木林を残すことになっていますし、黒川全体が 谷戸の自然が残っているところで、さらにその北には自然指向の住民の多い 新興住宅地があります。新3年生はこの黒川で実習をやってきた学生が多いの で、黒川という地域をいっしょに調べることから始めようと思っています。                            倉本 宣 -----------------------新3年生の一言---------------------------------- ・ 菊地 哲理  応用植物生態学研究室に入室することになった菊地です。 私はここで、ユリについての勉強や研究をしていきたいと考えています。日本 原産のユリは観賞価値が高く、それらを交配親として外国で育種された品種は、 切花市場で高い地位を得ています。しかしその一方で、日本に自生する数種の ユリの個体数の減少や、旺盛な外来種の個体数の増加という問題も浮上してきて います。私はこれらの問題について取り組んでいきたいと考えています。宜しく お願いします。  ・ 小林 悠佳  私が応用植物生態学研究室に興味を持ったきっかけは、「里山コーディネー ター」という講座で聞いた春国岱ネイチャーセンターで働いていた方のお話で した。それまでつながりのなかった春国岱に関わる人々のなかへ入っていって、 春国岱を守り、利用するためのネットワークを築いてきたというもので、人の ネットワークっておもしろい!と思いました。その講座をコーディネートされて いたのが倉本先生だったので、応植研がいいかなと思いました。こうして入室を 許可され、これからは関連ある分野について学んでいき、どんなことができるの か、自分は何をするのか、考えていきたいです。 ・ 目次 裕介  はじめまして!応用植物生態学に入室させていただくことになりました、目次 裕介です。僕はこの研究室で、今神奈川県で約半分の種類が減少傾向にあると いわれるトンボの保全について研究したいと思っています。実際にフィールドに 出てトンボの生息環境の特徴や移動範囲などを調べ、どこにどんな環境があれば トンボにとって好適な環境になるかなどを調べてみたいと思っています。 野外で何かをやるのは好きなので、調査をするのが楽しみです。 よろしくお願いします。 ・ 大橋 賢  はじめまして!このたび応用植物生態学研究室に所属させていただく大橋賢  (まさる)です!  僕はこの研究室で雑木林(主に植物)の保全をやりたいと思っています。 僕が雑木林をテーマに選んだのは、雑木林に生えている多くの植物を見るのが 好きだからです。だから保全方法やいろいろな植物の特徴(性質)について 実際にフィールドに足を運んだり、本を読んだりして勉強していきたいと思って います。迷惑かけることが多いと思いますけどよろしくお願いします! ・ 坂田 久幸  僕がこの研究室でやりたいことは樹木の保全に関することです。まだどの種に するかまでは決めていませんが、本来生息すべき場所・地域に何らかの人為的な 要因のために生息することが困難になっているものを選ぼうと考えています。  例えば、林の中に道路を通したり、スギ・ヒノキの大量な植樹によって生態系 が変化してしまい、その土地に生息しにくくなったり、生息できなくなった樹木 です。そういった樹木を保全することで、原生林の状態に少しでも近付けること ができればと思っています。   ・ 庄下 将志  こんにちは。庄下です。二年生になってこの研究室でできることを知ってから ずっとここに入るしかないと思っていました。僕がこの研究室に入ってやりたい ことは魚類、その中でも特にメダカの研究です。  実家は三重県なのですが、最近は田舎でもメダカの姿を見ることが少なくなり ました。そこで、どんな所に住みやすいかや、昔から住んでいるメダカを保護 できる方法がないかなど、これ以上数を減らさないようにするにはどうしたらい いかを研究していきたいと思います。 ・ 鈴木 敏弘 今日、急速に自然が失われていますが、それはその場に生息する生物の住み家も 失われていることを意味します。生き物の生息空間をビオトープといいますが、 ビオトープや生物そのものの保全・再生にかかわる研究をすることが目標です。 ホタルの研究を第一に考えていますが、今は1つにとらわれることなく、多くの ことに目を向けたいと思います。自分一人では分からないことは多くあります。 多くの人の意見・考えを聞いて、研究にうちこみたいです。 ・ 橋本 和佳子  はじめまして。橋本和佳子です。私は雑木林や里山に興味があり、それに 関する研究をしたいと思っています。とは言っても現時点ではまだ具体的に 考えていません。自然の中にいるのが好きで、木や花を見たり触れたりするのが 好きです。いつか屋久島やカナダなどあちこちに行ってみたいと思っています。  念願の応用植物生態学研究室に入室できたからには、興味のある分野を思う 存分学んでいきたいです。これからどうぞよろしくお願いいたします。 ・ 羽鳥 祐子 私は、「人と自然とのかかわり」というテーマに関心を持っています。それは、 元々興味を持っていた森林保全(里山保全)のボランティア等で得た知識や経験 に基づいています。現在、人と自然との共生(=環境保全)が一般的な価値観 で、この先もしばらくそれは変わらないと思いますが、私は、人間にとっての 自然の価値がこれから更にどう変化していくのか、ということを先に挙げたテー マを研究することによって見つけていきたいです。 -------------------------------------------------------------------------  <卒業生>             「卒業生に送る言葉」  これは修士論文の審査が終わって今年度の審査が完了した後で、卒業生と 一緒に夕食を食べに行く時の9名の学生院生共通のメッセージです。実際には、 これに 個別の思い出が含まれたメッセージが付記されています。  博士論文、修士論文、卒業論文、お疲れ様でした。 今まではこの時期には他の 仕事を入れなかったのですが、今年は大学の仕事 の関係で、そういうわけには いかなくて、とても苦しい時間繰りでした。  私は学生に対しては公平にしなくてはいけないことはよくわかっていてそう してきたつもりですが、基本的に自分の好きな市民からエネルギーを分けて もらって、自分の好きな市民のために生きてきました。これからはみなさん からもエネルギーを分けてもらえたらと思っています。   さて、これで、あなた方と私は、対等な同世代人です。お互いがんばって 私たちらしい時代を創っていきましょう。                          2005.2.8 倉本 宣 卒業論文のテーマ 赤石 正樹 「多摩川におけるウラギクの種子発芽特性」 飯塚 文子 「多摩川における外来植物コセンダングサの個体群動態と植生の変化 との関連性」 伊藤 信 「学校ビオトープ整備校における保護者の現状と意識に関する研究」 小池 かよ 「アメリカネナシカズラの多摩川における寄主特性と種子特性に関する 研究」 塚田 里美 「首都圏におけるセミ類の都市環境の指標生物としての有効性」 修士論文のテーマ 小林美絵 「多摩川におけるオオマツヨイグサの減少とメマツヨイグサ、コマツヨイグサの増加の要因の 解明」  樋口広大 「水田地帯の灌漑期におけるメダカ(Oryzias latipes)のマイクロハビ タットと生活史の解明」 湯本裕之 「港北ニュータウンにおける竹林管理に関する基礎的研究」 博士論文のテーマ 園田陽一 「都市環境における野生哺乳類の生息地としての緑地の管理・配置に 関する研究」 ---------------------------------------------------------------------- 「後輩へ、そして、倉本先生へ」     M2 樋口広大  無事に修士論文(4年生は卒業論文)を書き上げることができて、今は少しほっ としています。さてさて、早速ですが、この場をお借りして卒業生として、これ からの応植を担う後輩、そして倉本先生へ一言、ものも〜す!!  まずは、後輩へ。応植が誕生してから9年が経ちます。この9年間で、応植は 研究室として大きく成長したようです。今年の夏のゼミ合宿で、倉本先生が応植 の1期生である篠木さんに「篠木君が居た時より、研究室はかなり成長したでし ょ」とうれしそうに話していました。  後輩へ、応植をますます成長させてください。成長させる方法は単純だと思い ます。学生一人ひとりが、研究活動を通して、困難を乗り越えることで色々なこ とを学び、人間として成長していけば、応植は成長していくと思います。「研究 室は人なり」です。何年か経って、私たちが応植を訪問した時は、先生が私たち に「樋口君たちが居た時より、研究室はかなり成長したでしょ」と言ってくれる ように祈っています。楽しみにしています。 そして、先生へ。先生は、大学という教育機関に所属していることから、研究 者であると同時に教育者であること強く意識されていると思います。すばらしい 研究者の下では、すばらしい研究が出来るかもしれませんが、学生は人間として 成長しません。いつまでも、研究者と教育者という2つの顔を持った指導者でいて ください。教育者である倉本先生が提供してくれる応植は、学生が人間として 成長することが出来る研究室です。私は、他の研究室の話を聞くたびにつくづく 良い研究室だなぁと思っていました。  倉本先生へ、4年間本当にありがとうございました。研究者である倉本先生に は、投稿論文や修士論文を書くことで少しは恩返しが出来たと考えています。 教育者である倉本先生への恩返しはこれからです。研究活動で学んだことを、 今後、社会で活かして生きていくことが、恩返しであると思っています。幸せな 人生が過ごせるように頑張ります。                        樋口広大 -----------------------これからの予定--------------------------- 2/15 10時黒川駅改札口 Kurokawa Satoyama Excursion その1 冬芽    ポストドクトラル研究員の細木大輔さんに農場のできる黒川の植物を 1年間かけて教えてもらいます。 3/5 13:30-16:30明治大学農学部2号館2-200           シンポジウム「130万都市川崎は雑木林と共存できるか」 ------------------------------------------------------------------- いつも応植新聞をご覧いただき、また、さまざまな励ましのお言葉をいただき、 ありがとうございます。代替わりの時期となりましたが、来年度も引き続き よりよい応植新聞を作っていけるように頑張ります。             応植新聞係