--------------------------------------------------------------------- ==================== 応植研ニュースVol.9 No.5 ==================== ---------------------------------------------------------------------         2004年11月8日発行         〒214-8571 川崎市多摩区東生田1-1-1          明治大学農学部農学科応用植物生態学研究室          編集 倉本宣・小池佳代・阿南一穂 URL http://www.isc.meiji.ac.jp/~seitai --------------------20万株のカワラノギク------------------------ 永田地区のA工区の植生管理については多くの皆様にお力添えいただき ました。本日、11/6のカワラノギクプロジェクトで個体数を推定した ところ、十数万株の開花個体と十万株弱のロゼット個体が生育している ことがわかりました。この数は1980年代の多摩川の個体数に匹敵する ものです。これだけ多くのカワラノギクが生育するようになったのは 皆様のおかげです。どうもありがとうございました。 一方、これで、成功といえるのかを考えてみると、ロゼットのほうが 少ないのは実生の定着ができにくくなっているからで、早くも個体群の 衰退の兆しがみられるといえます。したがって、2004年の活動と同じ ことを続けているだけではなく、新たな対策を考えなくてはなりません。 それがどのようなものなのかは、まだはっきりしませんが、冬の間に みつけたいと思っています。 (倉本宣) ----------------里山コーディネーター入門----------------------- 明治大学の社会人大学リバティ・アカデミーで「里山コーディネーター 入門」という講座を開催しています。受講生は18名で、毎回2/3程度の 出席があります。 多くの行政では指導者(リーダー)養成の講座が行なわれています。 私はリーダーを行政が育てるということにずっと疑問をもってきました。 リーダーが必要な局面もあるとは思いますが、コーディネーター(つな げる役目)の方が普遍的に必要だと思うのです。 これまで、横浜里山研究所(元横浜市役所)の浅羽さんと日本野鳥の会 の景山さんにお話をしていただきました。浅羽さんのお話は、横浜市の 舞岡公園や新治市民の森をつくっていったときのお話でした。 景山さんのお話は根室市の春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターが 人口33,000人の根室市のなかでキーになって、みんなで春国岱と風蓮湖の 保全と活用を考えるというお話でした。どちらもとっても感動的なもので、 聞いていて元気が出てきました。これから、NPObirthの佐藤留美さんと 横浜自然観察の森のふじた・かおるさんのお話があります。 この講座を準備し運営することも、コーディネートのひとつです。 私は講座のコーディネートも大好きです。講座のリクエストがあったら ぜひ教えてください。 (倉本宣) --------------うごめいてLOVE・虫の秋-----------------------                     3年 芦澤 和也 去る10月16日(水)、一橋大学の構内にある雑木林と人工林にて国立市の 青空児童館の自然観察会が行われ、M1の斎藤さん,戸金さん、3年の持田 芦澤で観察会の講師である倉本先生の手伝いをしてきました。 当日の流れについてですが、まず東学童保育所に集まり、一橋大学に子ども たちとともに移動しました。大学構内の雑木林で「自然の落とし物探し」、 その後、土の中の動物を探す、という自然観察会を行いました。 子どもたちのパワーは凄まじく、常に圧倒されっぱなしでしたが、とても 楽しく、また、非常によい経験をすることが出来て、とてもよかったです。 自然の落とし物探し:布の上に葉や実などをいくつかバンダナで隠しておい           て、それを1分間見せて、その場で覚えてもらって、           いくつ探し出せるか、というゲーム. 土の中の動物を探す:雑木林の土を採取して、ざるで白い布の上にふるいま           す。落ちてきた虫を吸虫管などを使ってシャーレに           入れます。捕まえた昆虫はニコンファーブル(携帯顕微           鏡)で観察しました。 持田さん(3年)と戸金さん(M1)に感想を書いてもらいました。 -----------小学生による土壌生物の観察について-----------------        M1 戸金 大 10月16日に国立市の一橋大学構内で、小学生による土壌生物観察の手 伝いをしました。参加した小学生は低学年が中心ということもあり、 皆夢中になり土を掘り返し、生き物を探していました。1班5〜6人という 構成であったため、自分の順番が待ち遠しいようでした。 倉本先生によるお話しでもあったように、普段は何気なく歩いている地面 の足下にこんなにもたくさんの種類の生き物がいることに皆驚いていまし た。特にハサミムシやクモは大人気でした。しかし生き物に興味があるの にそれに触れない子供が何人かいたのはちょっと寂しかったです。 ハサミムシやミミズに喜び、自分のシャーレに入れようとする子の中にも 生き物を触れないことに驚きました。普段見たことの無い生き物に対し、 興味があるということをとても感じれました。 ---------------リトルファーブルに参加して-----------------    3年 持田 美和 10月16日国立市の青空児童館にリトルファーブルのお手伝いに行きました。 子どもたちは約50人集まり、とてもにぎやかでした。 一橋大学のキャンパスの林の中で“自然の落とし物探し”と“土壌昆虫 の観察”を行いました。子どもたちは、私たち大学生や初めて見る吸虫管 に興味津々といった様子で、色々な質問をしてきてくれて嬉しかったです。 “同じ木の実や葉を探す”というゲームでは、子どもたちは競って森の中 から見つけてきてくれました。似ている木の実を比べ、「ここが違うね。」 と言う子も何人かいて、その観察力には感心しました。 私が担当した班では、最初土壌昆虫をなかなか見つけられず、中には違う ことに興味がそれてしまった子もいました。しかし1人が昆虫を見つけた 途端、みんな必死に土とにらめっこを始めました。見つけた子は土壌昆虫の 分類の表を見て、どの昆虫を捕まえたのか確認していました。シャーレに 入れた昆虫を嬉しそうに眺めている子どもたちを見て、本当に来て良かった と思いました。 ------------------- 今後の予定 ----------------------- 11月21日〜23日 生明祭 OB会は21日の予定です。 11/27 9:30〜 生田緑地雑木林勉強会 生田緑地と活動を見直す 12/6 卒論中間発表会 12/11 カワラノギクプロジェクト 2005年の計画についての話し合い 12/14 18-20 セミナー 自然再生の技術―生きものの調査について―             春田章博さん 1/4(予備日8) 9:30 永田橋 カワラノギクプロジェクト        カワラノギクの種子の採取 --------------------------------------------------------           これからも応植新聞は,「見やすい・読みやすい・読んで楽しい」をモットーに 頑張っていきます。よりよい応植新聞を作っていきたいので、いろいろと ご意見をいただければ、と思います。よろしくお願いします。      応植新聞係  (先生には内緒の話もOKです)