--------------------------------------------------------------------- ==================== 応植研ニュースVol.9 No.4 ==================== ---------------------------------------------------------------------         2004年10月8日発行         〒214-8571 川崎市多摩区東生田1-1-1          明治大学農学部農学科応用植物生態学研究室          編集 倉本宣・小池佳代・阿南一穂 URL http://www.isc.meiji.ac.jp/~seitai  ---------- カワラノギクプロジェクト 9月の除草 ----------------  カワラノギクの復元個体群が生育している多摩川永田地区A工区では、 6月と9月の2回にわたって本来は丸石河原に生育していない植物で、 草丈30cm以上のものを除草しています。6月は6日間作業を行い、特定 のメンバーに作業が集中しがちだったので、9月の作業は無理のないよ うに工夫することにしました。まず、9月23日に作業しました。  現場に生育している植物をデジカメで撮影してA工区版の簡単な図鑑を つくりました。これは図鑑のスケッチや写真は花や果実の時期の様子が 描かれていますが、9月下旬のA工区にはあてはまらないものが多いから です。これは、好評で、多くのメンバーがこの簡易図鑑をみながら作業し ていました。  休憩を兼ねて、ミニ知識紹介の時間をつくりました。カワラノギクにつ いての知識を紹介したり、カワラノギクと違って水際に生えている植物に ついて研究している大学院生の杉山くんに水際の不安定な立地に生育して いる植物について話してもらいました。昭和記念公園の秋山さんはこの杉 山くんのカワジシャの話が一番おもしろかったそうです。  今回の作業は余裕があったので、除草の仕方にも個性がありました。東 京大学大学院の矢野さんは、ヒメムカシヨモギだけを選んで抜いていまし た。後日、研究室でこのことを話したら、間違えるといけないから種を決 めて抜いていたといっていた学生もいました。矢野さんは抜いた時の感触 のよいヒメムカシヨモギを選んでいたのだそうです。私もそれをみていて、 選択的除草は頭を使うので無心になって作業できないという欠点があるか ら、対象をせまくしてしまえばレクリエーションになるなと思いました。 銘々が種を決めて抜いて、重さを比べてみたらおもしろいのではないかと いうのが矢野さんの提案です。現在のところ20名あまりの参加者が倍くら いになれば、その提案も生かせると思います。  私は自分の研究室の学生を自分の都合で動員しないように心掛けていま す。もちろん、学生同士調査を手伝ったり、興味を持った学生に手伝って もらうことはよいことなのですが、研究室の学生全員に無理に頼むのは よいことではないでしょう。今回はやむを得ず、学生を動員してしまい、 反省しています。ところで、選択的除草はうまくやればよいレクリエーシ ョンになるはずです。9/26が雨で中止になって、次は10/10です。 ぜひ、おいでください(初めての方はJR福生駅9時集合)。  -------------- 緑化工学会大会で発表しました ---------------- M2 小林美絵  先月の18、19日に第35回日本緑化工学会がつくばで行われ、参加してき ました。私はこの学会に論文を投稿し、口頭発表をしました。題目は「オ オマツヨイグサ、メマツヨイグサ、コマツヨイグサの種子発芽特性」です。 私の調査地の多摩川ではオオマツヨイグサが減少し、メマツヨイグサ、コ マツヨイグサが増加しています。これらの増減の要因を解明するために、 3種の発芽特性を調べ、多摩川の植生の増加との関係を検討しました。  発表本番はかなり緊張し、自分がしゃべったことをほとんど覚えていま せん。質問を正しく理解し、それに対して答えるということができません でした。これは卒論発表のときや、他の学会のときから思っていたことで すが、やはりまだまだ十分に答えることは出来ません。今後ともこの課題 を意識していきたいと思います。  今回の学会では、多くの方と話をすることが出来ました。前回の緑化工 学会に参加したときにお会いした方とまた話ができ、以前よりも幅の広い 話が出来たのが、私としては楽しかったです。これは継続して参加したか らこそできたことだと思います。学会で知り合った方などのネットワーク は今後も大切にしていきたいと思います。  なお、この大会では、技術報告として「多摩川において新たに発見され たカワラノギクの局地個体群に対する対応について」(倉本宣・古賀陽子) 、「中国産コマツナギを自生のコマツナギとして扱ってよいか」(阿部智明 ・中野裕司・倉本宣)のポスター発表を行いました。 ------------------- 今後の予定 ----------------------- 10月16日13:30-15 国立市あおぞら児童館           一橋大学の雑木林の土壌動物を小学生と観察します。 10月17日 シンポジウム「市街地の中の里山《生田緑地》の自然をどう考え、             どう保全するか」 生田緑地青少年科学館      倉本も遺伝子レベルの撹乱について話します。 10月23日14:30-17 いきもののにぎわいのある森シンポジウム 上郷森の家          倉本も目標とする自然について話します。 11月21日〜23日 生明祭 OB会は21日の予定です。 --------------------------------------------------------           これからも応植新聞は,「見やすい・読みやすい・読んで楽しい」をモットーに 頑張っていきます。よりよい応植新聞を作っていきたいので、いろいろと ご意見をいただければ、と思います。よろしくお願いします。      応植新聞係  (先生には内緒の話もOKです)