∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵          応植研ニュース Vol. 13No.1 ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵ 2008年5月24日発行 〒214-8571 川崎市多摩区東三田1-1-1 明治大学農学部農学科応用植物生態学研究室     編集 倉本宣・中村光一朗・北嶋裕一 URL http://www.isc.meiji.ac.jp/~seitai _/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄  紙面の改訂に当たって  研究室ニュースは私の研究室にとって自慢できる財産なのですが、 このところ十分読んでいただける内容になっていませんでした。し かし、研究室で何をやろうとしているかを知っていただくことは研 究室の財産だという観点からもう一度研究室ニュースをしっかり作 ることにしました。  そこで、紙媒体のものも作成し、ご希望の方に郵送することにし ます。原稿依頼の仕方を工夫して、短くて読み応えのある紙面を目 指します。なお、2ヶ月に一回の発行を目安とします。どうぞよろ しくお願い致します。  今回は,1.新しく着手した研究と2.新3年生が目指すものについて 紹介します。 1.新しく着手した研究について―出水後の河道植生の回復とマイク ロハビタットの関係―  昨年9月6日から7日の台風9号による出水という約20年ぶりの大き なかく乱の後に、小さなスケールでみた生育地の環境と植生の回復 がどのような関係をもって起こるかを、研究することにしました。 共同研究者は、知花武佳さん(東京大学社会基盤工学専攻)、岡田久 子さん(本研究室客員研究員)、芦澤和也さん(本研究室助手)と倉本 の4人です。  主なフィールドはこれまでと同じ多摩川です。上流の岩場のユキ ヤナギ、中流の礫河原のカワラノギク、中流の早瀬のカワシオグサ、 河口の干潟のウラギクを研究の対象とし、それぞれの植物の環境を ミクロな視点で時間をかけて調べていこうと考えています。  干潟のウラギクはこれまで2人の卒業研究で取り上げてきましたが、 近年激減しているという印象です。植被の少ない環境に生えるので、 ホームレスの家でつぶされてしまうことも多いようです。多摩川に 限らず、ウラギクについての情報がありましたら、お知らせいただ ければ幸いです。 ・‐カワシオグサのマイクロハビタットの野外調査と解析‐    客員研究員 岡田久子 私の分担は、河川の中流域においてカワシオグサのマイクロハビタッ トを調査することです。カワシオグサは水域に生育する糸状性の付着 藻類です。付着藻類・・「河川水中の石の上のヌルッとしたもの」と いえば、川遊びをしたことのある方は「あれ、すべりやすいのよね」 と気づかれると思います。釣りをされる方であれば魚や水生昆虫の餌 として認識されているかもしれません。多くの付着藻類は顕微鏡でし か識別することはできませんが、カワシオグサは成長すると肉眼で確 認することができます。昨年の台風9号で、多摩川の河床の石ころは 一新されました。通常であれば同じ石ころの上で5月から10月にかけ て多くの生育が認められますが、今年はどうでしょうか。これからの 調査が楽しみです。また、時間の経過とともに、水域では細粒土砂の 堆積や流失により、マイクロハビタットに差が生じてきます。マイク ロハビタットとカワシオグサの生育の関係を丁寧に調査していき、ユ キヤナギ、カワラノギク、ウラギクなどの陸上植物と比較することで、 河川におけるマイクロハビタットと植物の生育の関係を、体系的に明 らかにしたいと思います。 ・上流域の岩場のマイクロハビタットの経時的変化と渓流性植物の生 育の関係 博士後期課程1年 芦澤和也 今回採択された科研費の研究において、私は河川上流域の岩場のマイ クロハビタットと植物の関係について調査をします。本課題における 主なモデル植物は、学部3年のときから研究し続けてきた河川上流域 の岩場に生育する低木ユキヤナギです。現在までの研究で、ユキヤナ ギの発芽のセーフサイトはコケ植物であることを明らかにしました。 本研究では、出水によるコケや岩の間隙の土砂といったマイクロハビ タットの変化を経時的にとらえつつ、生成されたマイクロハビタット のどの部分にユキヤナギが定着していくかなどについて調査していき たいと考えております。 2. 新3年生のめざすもの ・初めまして、伊藤邦泰です。私のホームグラウンドは東京都の羽田 近くにある東京港野鳥公園という都立公園です。今はボランティアと いう立場で通っています。今後は、環境保護活動を支えているボラン ティアとその活動に関する機関との関係や、自然復元型環境下での生 態系の再生方法などに関する事を扱ってみたいと考えています。どう ぞ、これから宜しくお願いします。 ・はじめまして、応植新3年の北嶋裕一です。樹木など植物の生態に ついて興味を持ちこの研究室を希望しました。現在、イネが土壌シー ドバンクにどのような影響を与えるかということについて実験をして います。どのような結果が得られるか楽しみです。これから植物の名 前や生態などを勉強しながら、研究の対象を決めていきたいです。 ・初めまして。私は小泉恵佑と申します。昨年の6月頃、生田緑地でホ タルパトロールのボランティアに参加し、生まれて初めてホタルとい うもの見ました。このホタルをずっと見続けたい、守りたいと切に感 じたのがきっかけでこの研究室に入室しました。生きものと生きもの が生きる空間にとても興味があります。物知りになれるように勉強し ますので何卒宜しくお願い致します。 ・はじめまして、佐々木太毅です。私は小さい頃から野生動物に興味 があり、現在はリトルターンプロジェクトというNPO法人に所属し て絶滅危惧種の鳥類の営巣の手助けをしており、卒業研究もそれに関 連した事をおこないたいと思っています。また、将来は生物多様性の 保全に貢献できるような仕事に就きたいと思っています。  よろしくお願いします。 ・初めまして。新三年の清水冬音です。冬生まれです。横浜の中でも 緑の多い緑区で育ちました、横浜大好きなハマっ子です。ズーラシア の近くに住んでいます。応用植物生態学研究室には、雑木林や里山、 その中でも特に樹木について研究したいと思い、入室しました。今は ホオノキの年輪について調査しています。よろしくお願いします。 ・はじめまして、杉山智美です。今期から応植研の一員となりました。 私は鳥に関する研究をしたいと考えていて、4月から葛西臨海公園の 鳥類園にて識別が出来るようになるために勉強しています。植物に関 する知識も増やしていきたいと思いますので、これからよろしくお願 い致します。 ・どうも初めまして!この度応植研に配属になりました寺村彬です。 千葉県在住です。この研究室に入った動機は、絶滅危惧種である草本 類の保全について勉強してみたいと思ったからです。ご迷惑かけると 思いますが、皆様これからよろしくお願いします。 ・横山悠人です。研究は荒廃しつつある日本の里山とヒトとの関係を テーマにやっていきたいと思います。あと個人的にアグロフォレスト リーと排出権に興味があります。よろしくお願いします。 ・初めまして。今年から応植研に入室させていただくことになりまし た、渡辺幸太といいます。東京都練馬区出身です。この研究室を選ん だきっかけは、開発等で失われていく里山の生態系をどうすれば保全 していけるかという事に興味を持ったからです。現在は特に鳥類につ いての研究をしてみたいと思っています。この2年間をより充実した ものにしたいと思います。よろしくお願いします。 お知らせ 応用植物生態学研究室には助手が2名います。明治大学のシステムでは、 博士後期課程の大学院生が任期付きの助手になることができるのです。 戸金大さんは、黒川と里山関係のことを分担し、芦澤和也さんは多摩川 と河川関係のことを分担します。2人ともよろしくお願いします。 編集後記  黒川農場の基本計画が策定されたので、生きものと共存するための手 法を具体的に考えることにしました。この研究室は応用植物生態学研究 室という応用学(具体的には緑地学)の研究室です。そこで、教養的にで はなく、問題解決型の勉強をやっていきたいと思っています。高校生の 時に将来やりたいことを書く機会がありました。私はよくわからなかっ たのですが、応用生物学と書きました。せっかく応用生態学としての緑 地学に出会ったのだからしっかりやっていきたいものです。(倉本 宣)                   _/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄  いつも応植研ニュースをご覧いただき、ありがとうございます。応植 研ニュースはメーラーやブラウザの表示をMSゴシックなどの等幅フォン トに設定していただくと、見やすくご覧いただくことができます。  これからも応用植物生態学研究室をどうぞよろしくお願いいたします。 また、紙媒体のものも作成し、ご希望の方に郵送させていただきますの で下記のメールアドレスまでお寄せ下さいますよう宜しくお願いいたし ます。 応用植物生態学研究室 新聞係    ohshokunews-request@mail.goo.ne.jp  また過去の応植ニュースや研究室の情報などを応用植物生態学研究室 のHPに更新していますので、下記のURLからご覧ください 。 L.A.P.E. 応用植物生態学研究室                http://www.isc.meiji.ac.jp/~seitai/