コンピュータ技術の基本的発展構造
1.「道具」から「機械」への発展 --- 計算「道具」から計算「機械」へ
2.「機械的」計算機(メカニカルな計算機)から「電子的」計算機(エレクトリカルな計算機)への発展
3.「アナログ」計算機 vs 「デジタル」計算機 --- デジタルな計算道具(そろばん) VS アナログな計算道具(計算尺)


2.歯車式計算「機械」から、電子式計算「機械」への技術発展 ---- 機械的計算機から電子的計算機(電子計算機)への技術発展


分類1 道具 機械
分類2 計算道具 機械的計算機 電子的計算機(電子計算機)
分類3
手動式
計算道具

手動歯車式
計算機

蒸気動力
歯車式 計算機
電動歯車式
計算機
電気機械式
(リレー式)
計算機
[第1世代]
真空管式
電子計算機
[第2世代]
トランジスタ式
電子計算機
[第3世代]
IC式
電子計算機
[第4世代]
LSI式
電子計算機
数値演算・
論理演算の
実行回路の
構成素子
(演算素子)
 
歯車
リレー
(1835)
真空管
(1904)
3極真空管
(triode)
トランジスタ
(1948)
集積回路
(IC)
(1958)
大規模集積回路(LSI)
(1968)
2極真空管
(diode)
半導体ダイオード
(semicondutor diode )
抵抗器、コンデンサー
+配線
抵抗器、コンデンサー
+配線
記憶素子 (そろばんの玉)   (パンチカード)         半導体  
動力 人間動力 蒸気動力機関 電気動力
(電動モータ)
電気動力
(リレー動作
用電力)
電気動力
(電気回路の動作用電力)
具体例 非プログラム型
計算機
(calculator的
計算機)
そろばん
アバカス
計算尺

パスカルの
計算機(1642)
ライプニッツの
計算機(1671)
アリスモメータ
(1820)
タイガー計算機

バベッジの
階差機関
(1820-)
モンロー電気
計算機(1925)
タイガー電気
計算機
  乗算穿孔機
IBMモデル604
(1947)

CPC(カード・
プログラムド・
カリキュレータ)
    ビジコンの電卓
プログラム型
計算機
(computer的
計算機)
    バベッジの
解析機関
(1834-)
  ベル研究所
ModelI(1942)
ハーバード大学
MarkI(1944)
ENIAC(1946)

EDVAC(構想1944)

EDSAC(稼働1949)


UNIVAC-1
(1951)

IBM-701
(1953)

IBM-650
(1954)


富士写真フイルム
FUJIC
(1956)
UNIVAC
Solid State
Computer
(1958)



IBM7070

(1960)
IBM360
(発表1964年
出荷1965年)


DEC
PDP-8
(発表1965年)
IBM4300
(発表
1979年)

上記の表にはないが、日本の独自のコンピュータとして、パラメトロンを論理素子として利用したパラメトロン計算機の開発が1950年代に進められた。
パラメトロン(Parametron)
フェライトの環状磁心にコイルとコンデンサを組み合わせた共振回路をもつ電気回路素子。1954年に後藤英一が考案した。
その発明当時の対抗技術である真空管と比べ構造が簡単で信頼度が高く、コスト的にも安いことから、これを演算素子や記憶素子として利用した計算機が製作された。

フェライト(ferrite)
酸化鉄Fe2O3に、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケルなど様々な金属酸化物を添加して焼き固めた複合酸化物セラミックス