Beer-Lambertの法則と最適濃度


レーザ有機蛍光法において重要な法則としてBeer-Lambertの法則がある。これは励起光がターゲット部分に到達する前に、その途中にある染料によって光エネルギーが吸収されることを示すもので、次式で表される。

実際に写真をとってみると下図のようになる。容器に蛍光染料溶液をいれて、右からレーザビームを照射した。低濃度(上)の場合には蛍光はほぼ一様だが、高濃度では右にいくにしたがって蛍光が減衰している。



染料の濃度は高ければ局所的には蛍光強度は大きいが、同時に濃度が高いことによって途中での減衰も大きくなり、蛍光強度を下げることにも寄与する。よって、両者がトレードオフする点がある。下図は、レーザが入射してからx[mm]はなれた地点での蛍光強度を濃度の関数として表したものである。実験室内のマクロな実験をする場合はx=100mm程度であるから蛍光強度が最大となる濃度は1mg/L程度である。線形な範囲はそれよりも小さい0.1mg/L程度である。