前回導出した熱伝導方程式は,時間・場所・発熱の状態が変数となり,解析により解をもとめることは不可能です。
そこで,次の様な伝熱現象について考えよう。
このようなケースを,一次元定常熱伝導と呼びます。 そこで,次の様な条件を満たす場合の熱伝導方程式を考えよう。
このような場合,式(1)は x 方向の温度勾配のみになり,偏微分から全微分へと変換できる。
境界条件は,
x = 0 で,T = T1
x = L で,T = T2
であるから,熱流束および伝熱量はそれぞれ次の様に求まる。
水筒の様な円筒の内部と外部の伝熱も,上記の条件が当てはまり,一見三次元に見える現象だが一次元の熱伝導問題として考えられる。
円筒座標系の熱伝導方程式
は,このような場合,r 方向の温度勾配のみとなり,全微分の方程式となる
境界条件は,
r = r1 で,T = T1
r = r2 で,T = T2
であるから,熱流束および伝熱量はそれぞれ次の様に求まる。
図4-3に示したように,厚さ,熱伝導率とも異なる平板が2枚重なっている。 定常状態で両端の温度が T1, T2 のとき,以下の問いに答えなさい。
ヒント:平板が密着している場合,それぞれの平板を通過する熱流束 q は等しい。
2021.03.08 更新