先週に引き続き関数を取り上げます.
よく使う関数を用意しておこう.
1.二つの整数を渡すと,大きい方を答える関数
2.整数の2乗を計算する関数
3.整数の3乗を計算する関数
4.整数のn乗を計算する関数
#include <stdio.h> int large(int a, int b) { if(a>b){ return a; }else{ return b; } } int square(int a) { return a*a; } int cube(int a) { return a*a*a; } int power(int a, int n) { int i, pow=1; if(a==0){ return 0; }else{ for(i=0; i<n; i++){ pow *= a; } return pow; } } void main() { int a, b, n; printf("aの値を入力してください:"); scanf("%d", &a); printf("bの値を入力してください:"); scanf("%d", &b); printf("n乗のnの値を入力してください:"); scanf("%d", &n); printf("大きい数の値は%d\n", large(a, b)); printf("aの2乗は%d\n", square(a)); printf("bの3乗は%d\n", cube(b)); printf("aの%d乗は%d\n", n, power(a, n)); printf("a^3 + b^2 + a^n =%d", cube(a) + square(b) + power(a,n)); }
これまでは,一つの値しか関数から戻すことができなかった.また,同じ変数名を使っていても,関数の方で値を変えても,mainでは変化しなかった.これは,関数には変数の中身が伝えられているためです.
今回は,関数から複数の値を戻したい場合や,文字列や配列データを渡したい場合を考えよう.この場合,関数に変数のしまってある場所を伝え,その場所のデータを関数で使うようにすれば,よいと考えられる.
変数のしまってある場所(アドレス)を扱うのは,ポインタの出番です.ポインタを用いて,変数の場所を関数に渡したプログラムの例です.
#include <stdio.h> int test2(int *a) /* 変数aのアドレスを受け取る(ポインタ変数) */ { *a += 10; /*aの指すアドレスの中身に1を加えるから,main関数でも変化する */ return *a; } void main() { int a, b; printf("aの値を入力してください:"); scanf("%d", &a); printf("関数へ渡す前のaの値は,%dです\n", a); b = test2(&a); /* 変数aのアドレスを関数に渡す */ printf("関数から戻ると...\naの値は%d\nbの値は%d\n", a, b); }
aに2を入力すると,どのように関数にわたり,
ポインタを用いて,アドレスを関数に渡せることがわかりました.
では,関数に配列データを渡してみましょう.
まずは,入力された文字の長さを返す関数を作ってみましょう.
配列を受け渡している例を見てください.
#include <stdio.h> void dim_init(int *ary, int no, int val) { int i; for(i = 0; i < no; i++){ ary[i] = val; } } void main() { int i; int ary[] = {1,2,3,4,5}; dim_init(ary, 5, 0); for(i =0; i < 5; i++){ printf("ary[%d] = %d\n", i, ary[i]); } }
このプログラムは,配列aryの先頭からno番目までの要素の値をvalに設定する関数です.関数の初期化などの際に用います.関数には,配列の先頭のアドレス(ary)が渡されるので,関数側ではポインタ(int *ary)で受け取っています.関数で変更の加えられたデータは,特に戻り値を指定していませんが,main関数では,その変更が反映されます.
文字列は,配列として扱うことを思い出してください.関数に文字列を受け渡すには,上記の配列の場合と同様,ポインタを用います.
ここで,文字の長さを数えるプログラムを関数を用いて書き換えてみよう.
#include <stdio.h> void main() { char str[128]; int i; printf("文字列を入力してください:"); scanf("%s", str); for(i = 0; str[i] != 0x00; i++); printf("入力された文字列は,%sです.", str); printf("文字数は,%dです.",i); }
ここで,青い色の部分を関数にしてみよう.
#include <stdio.h> int moji_nagasa(char *str) { int i; for(i = 0; str[i] != 0x00; i++); return(i); } void main() { char str[128]; int i; printf("文字列を入力してください:"); scanf("%s", str); printf("入力された文字列は,%sです.", str); printf("文字数は,%dです.", moji_nagasa(str)); }
(2) 配列の要素の和を求める関数を作成せよ.
(3) ある文字列を入力したとき,文字数を数える関数を利用して,文字を逆に並べ替える関数を作成せよ.