第7回:関数(2)

前回に引き続き関数を取り上げます.


前回のこたえ

【練習】

・長方形の二辺の長さを渡すと,面積を戻す関数を作成してみよう.

/* 長方形の二辺の長さを渡すと,面積を戻す関数 */

#include <stdio.h>

int area(int a, int b)
{
    return a * b;
}

void main()
{
    int a, b;
	
    printf("たて="); scanf("%d", &a);
    printf("よこ="); scanf("%d", &b);
	
    printf("面積=%d", area(a,b));
}
				

・円の半径を渡すと,面積を戻す関数を作成してみよう. 面積は,実数であることに注意.

/* 円の半径を渡すと,面積を戻す関数 */

#include <stdio.h>

float carea(int r)
{
    return r * r * 3.14;
}

void main()
{
    int r;
	
    printf("半径="); scanf("%d", &r);
	
    printf("面積=%f", carea(r));
}
				

【演習】

ある数 n の階乗 n! を求めるプログラムを,関数を用いて作成せよ

ただし,0! = 1 であることに注意.

/* ある数 n の階乗 n! を求めるプログラム */

#include <stdio.h>

float fact(int n)
{
    int i;
    float f = 1.0;

    for(i=0; i<n; i++){
        f *= (i + 1);
    }

    return f;
}

void main()
{
    int n;
	
    printf("n="); scanf("%d", &n);
	
    printf("n!=%.f", fact(n));
}
				

ここで, n! = n * (n-1)! であることを利用してプログラムを書くと,どうなるか?考えてみよう.

C言語では,関数の中から自分自身を呼び出すことができます.(これを再帰といいます)

どうなっているのか,わかるかな?

/* ある数 n の階乗 n! を求めるプログラム */
/* 再帰関数バージョン*/

#include <stdio.h>

float fact(float n)
{
    if(n == 0){
        return 1.0;
    }else{
        return n * fact(n-1);
    }
}

void main()
{
    int n;
	
    printf("n="); scanf("%d", &n);
	
    printf("n!=%.f", fact(n));
}
				

値参照(Call by value)

このプログラムでは,main関数からsankaku関数へ変数の値(中身)が渡されています.これを値参照(Call by value)といいます. 値参照では,関数を呼びだした元の変数は変化しません.元の関数に結果を返すにはreturn文を用います.このため,戻り値はひとつです.

簡単なプログラムで確認してみましょう.

#include <stdio.h>

int test(int a) 
{
    a += 10;

    return a;
}

void main()
{
    int a, b;

    printf("aの値を入力してください:");
    scanf("%d", &a);

    b = test(a);

    printf("aの値は%d\nbの値は%d\n", a, b);
}

aに2を入力すると,結果はどのように表示されるだろう.


これまでは,一つの値しか関数から戻すことができなかった.また,同じ変数名を使っていても,関数の方で値を変えても,mainでは変化しなかった.これは,関数には変数の中身が伝えられているためです.

では,関数に変数をしまってある場所を伝えたらどうなるだろう...これは,来週のお楽しみ


変数のスコープ

 変数は,宣言する場所によって,その有効範囲が異なります.同じ変数名なのに,関数によって値が違ってくるのは,このためです.

 ある関数の中で宣言した変数のことをローカル変数といいます.ローカル変数を利用できる範囲は,変数を宣言した関数の中に限られます.この変数の有効範囲のことを変数のスコープと呼びます.

int funca()
{
int y;

.....

return y;
}

変数yの有効範囲

変数yは,関数funcaの中のみ有効

void main()
{
int x;
x = 3;
y = 4; ×エラー!!
}
main関数では,変数yは使えません

 関数の外で宣言した変数のことをグローバル変数といいます.グローバル変数は,どの関数からも参照できます.

int y;
int funca()
{
....

return y;
}

変数yの有効範囲

変数yは,main関数の中でも使える

void main()
{
int x;
x = 3;
y = 4; ◎
}


演習

よく使う関数を用意しておこう.

1.二つの整数を渡すと,大きい方を答える関数
2.整数の2乗を計算する関数
3.整数の3乗を計算する関数
4.整数のn乗を計算する関数

main関数の部分はこんな感じ.あとは,関数の定義部分を作ってみよう.

void main()
{
    int a, b, n;

    printf("aの値を入力してください:");
    scanf("%d", &a);
    printf("bの値を入力してください:");
    scanf("%d", &b);
    printf("n乗のnの値を入力してください:");
    scanf("%d", &n);  

    printf("大きい数の値は%d\n", large(a, b));
    printf("aの2乗は%d\n", square(a));
    printf("bの3乗は%d\n", cube(b));
    printf("aの%d乗は%d\n", n, power(a, n));

    printf("a^3 + b^2 + a^n =", *********);
}

できた人へ:

フィボナッチ数列を求めるプログラムを作ってみよう.(再帰呼び出しの練習)

フィボナッチの数列とは,(n番目の値)=(n-1番目の値)+(n-2番目の値)

1 1 2 3 5 8 13 21 34...