第7回 繰り返し(for文) (5/28)

while文に引き続き,繰り返しを学習する.
今回は,繰り返しのもう一つ,for 文の演習を行う.


第5回演習の解答例


for文による繰り返し表現

(例)1から,入力した値 n までの和を求めるプログラムを作成せよ.

考え方:

 この問題は,1 から n までの値を自動的に作るプログラムを土台にする.


#include <stdio.h>

void main()
{
    int i, n;

    printf("n=");
    scanf("%d", &n);

    i = 1;                   /* カウンターの値を1に */

    while(i <= n) {          /* カウンターの値が n 以下の場合,以下を繰り返す */
        printf("%d¥n", i);   /* 画面にカウンターの値を表示する */
        i++;                 /* カウンターの値に1加える */
    }
}

 ここで,ループの回数を数えるカウンタは,1 から n まで変化する.

i
1
2
...
n

別の変数 wa を用意し,ループで作成したカウンタを順番に加えていく.

i wa
1 1
2 1+2
... ...
n 1+2+...+n

#include <stdio.h>

void main()
{
    int i, n, wa;

    printf("n=");
    scanf("%d", &n);

    wa = 0;   /* 和をあらかじめ 0 に */ 
    i = 1;    /* カウンターの値を1に */

    while(i <= n) {      /* カウンターの値が n 以下の場合,以下を繰り返す */
        wa += i;         /* wa = wa + i */
        i++;             /* カウンターの値に1加える */
    }
    printf("和は %d です¥n", wa);     /* 結果を表示する */ 
}

同じプログラムを,for文を用いて作成すると,


#include <stdio.h>

void main()
{
    int i, n, wa;

    printf("n=");
    scanf("%d", &n);

    wa = 0;

    for(i=1; i<=n; i++) {
        wa += i;
    }

    printf("和は %d です.¥n", wa);
}

となる

while文と比較してみよう.


while for

式1;
while ( 式2 ) {
文1;
式3;
}

for(式1; 式2; 式3) {
文1;
}

式1 初期値設定 繰り返し実行の直前に1度だけ実行される.カウンタの初期値設定などに使う.
式2 反復条件 while分と同様,繰り返しを継続する条件を書く.この条件式がの間は繰り返す
式3 付加実行式 繰り返しを1度行うごとに実行したいことを書く.
文1 実行文 繰り返し実行する文


while 文と for 文の使い分けのめやす

for 文は,あらかじめ繰り返しの回数がわかっているときに,利用する.

while 文は,ある条件になるまで繰り返すという場合に,利用する.

ただし,どちらも書き換えが可能なので,必ずというわけではない.


演習課題

(1) 整数nを入力すると,n!を一回だけもとめるプログラムをfor文を用いて作成せよ.(注意:0!=1)

(2) まずデータ(例えば実験データなど)の件数 n を整数で入力し,続いてその件数分データを入力すると,
  データの合計と平均値を求め画面に表示するプログラムをfor文を用いて作成せよ.

  データの例:5(データ件数,これは整数),続いて 10.2 9.8 3.3 8.4 11.9 と順に入力すると,合計は...

(3) 掛け算九九の1から9の段の式と答えを表すプログラムをfor文を用いて作成せよ.

(4) 成績データ(0以上100以下)を何件か入力し,その最大値を求めるプログラムを作成せよ.ただし,データ件数は始めに入力する.

(5) m枚のカードからn枚選んで順に並べる場合の数(順列)を,自然数m,nを入力すると答えるプログラムを作成せよ.


授業終了時までのプログラムと完成した提出用プログラムをoh-meijiシステムを使って提出すること
授業終了時に送るのは出席の確認用である.完成した課題は提出用の回に送ること
(提出期限を厳守し,提出用の回に提出しないと採点を行わない)