コンピュータを動作させる手順を記述するための言葉を,「プログラミング言語」と呼びます.人間の言葉に,日本語,英語,フランス語といろいろあるように,プログラミング言語にも,BASIC,JAVA,Perlなど様々なプログラミング言語があります.本講義では,機械の制御や信号処理などに最も適したC言語の学習を通して,コンピュータのプログラミングを学びます.C言語を身につけておけば,他のプログラミング言語にも応用することができます.
プログラミング言語の学習をはじめて,最初に作ってみるプログラムは,どんな言語でも画面に「Hello, World」と表示するプログラムを作ってみるのが,ならわしとなっている.早速,C言語で作ってみよう.
#include <stdio.h> void main() { printf("Hello, World\n"); }
エディタを用いて,プログラムを入力・編集する − 秀丸エディタの使い方
プログラムのコンパイル − Borland C++ の使い方
プログラムの実行
Windowsの[スタート]メニューから,[秀丸エディタ]を選んでクリックする.
秀丸エディタを起動したら,プログラムを入力する.
#include <stdio.h> void main() { printf("Hello, World\n"); } |
プログラムを入力したら,保存する.
秀丸エディタのメニューから,[ファイル]→[名前を付けて保存]を選ぶ.
ファイルの種類:の欄から[C言語ソースファイル(*.c)]を選び,ファイル名欄に自分でわかりやすいファイル名を入力する.これから,たくさんのプログラムを作成するので,よく考えること.
プログラムを入力する際に間違いやすい点についてまとめておくと,,,
auto | break | case | char | const |
continue | default | do | double | else |
enum | extern | float | for | goto |
if | int | long | register | return |
short | signed | sizeof | static | struct |
switch | typedef | union | unsigned | void |
volatile | while |
C言語のプログラムの基本形は,次の図のようになります.
C言語のプログラムは,関数の集まりです.プログラムにおける関数とは,「一連の処理のかたまり」のことを指し,数学の関数とは多少意味が違います.
関数には計算の過程を指示する文および計算で使われる値を一時的に格納する変数が含まれます.上のプログラムでは,main(), printf() が関数です.プログラムの実行は,main関数から順番に始まります.
1行目の,#include <stdio.h> は,すでに用意されている入出力を行うための関数を使うための準備です.標準入出力関数には,画面に文字を表示する printf(),キーボードからデータの入力を受け取る scanf()などがあります.
今回は main() 関数の中で,printf() 関数が実行される.ここで,二重引用符"...."で囲まれた文字を,文字列と呼ぶ.文字列の最後の \n という記号は改行をしなさいという命令で画面には表示されません.日本語環境では「¥(エン)」記号を用いていますが,英語圏では「\(バックスラッシュ)」が用いられます.
できあがったC言語のプログラムファイルのことを,ソースファイルと呼びます.コンピュータは,ソースファイルを直接理解することはできません.コンピュータのわかる言葉(機械語)に翻訳する必要があり,翻訳をするプログラムのことをコンパイラと呼びます.
コンパイラにもいろいろなものがありますが,本講義では,Borland C++ を用います.
これまで,コンピュータの操作はほとんどマウスで行っていたと思いますが,ここからは,キーボードから命令を入力して実行していきます.
[スタート]→[プログラム]→[アクセサリ]→[コマンドプロンプト]と順にクリックし,コマンドプロンプトを起動する.
dir (ディレクトリの中身の一覧を表示する)
bcc32 hello.c (hello.c というプログラムをコンパイルする)
コンパイルが成功すると,hello.exeというファイルができるので,確認する.