2022年度卒論
近藤優矢
「拡散律速凝集による稲妻のシミュレーション」
本論文ではコンピュータシミュレーションを用いて,稲妻模様(リヒテンベルク図形)を描く.稲妻模様は自然が作り出す複雑な形であり,その形を疑似乱数を用いて描画する.本研究では,描画に拡散律速凝集を用いた.
Wanqi Huang
「ポートフォリオの最適化問題」
ポートフォリオ最適化は,投資資産の数やそれらの関係性を考慮し,最大限の利益を得るために資産を配分する方法を決定するときに使用される.この分野は,投資におけるリスクとリターンのバランスを考える上で重要な要素になる.この分野の技術は,経済学,数学,統計学などの様々な分野から影響を受けており,特に数学的に最適な解を求めるために最適化理論を使用する.
山下裕成
「Whisperを用いた自動音声の抽出」
本稿ではWhisperという音声認識モデルを用いて授業動画に字幕をつける.また,実際にWhisperを使って取り出した字幕ファイルが原稿とどれだけ一致しているかを計算する.字幕を作成したのちに,形態素解析を用いて重要単語をピックアップしてリストを作成し,動画内の重要単語を検索できるようにする.この研究を通じて映像授業に対する学習補助情報を提供することが今回の目的である.
長澤みずき
「定理証明支援系Coqによる字句解析器の形式検証」
本研究では,正しく動作することが保証された字句解析器を得るための最初のステップとして,シンプルな字句解析器を定理証明支援系であるCoqで実装する.それが満たすべき性質として健全性と完全性を考え,それぞれCoqで形式化し証明する.それらの性質が示された字句解析器をOCamlのプログラムとして抽出し,それが字句解析器として動作することを確認する.
谷口英恵
「オプション価格式の導出とギリシャ指標による評価」
オプション価格の導出とギリシャ指標による評価を行う.オプション価格は離散時間モデルとブラック-ショールズモデルで考える.ギリシャ指標は特にデルタについて観察し,デルタを用いたオプション評価の一例を見る.
旭夏海
「複数かつ2段階の乱数検定法の統計的評価について」
本稿では村岡らによって提案された手法により,乱数生成器の統計検定を議論する.まずNIST SP800-22による生成器評価の不完全な点を述べる.次に提案された統計検定フレームワークの検定手順を説明する.最後にPythonを用いて実際に乱数生成器の評価を行う.