たぶん、おれ56さい、「たかだ」とモ〜すものです。

書評 谷川俊太郎、平田俊子、高橋源一郎『日本語生きる』(岩波書店)

越川芳明

 

たぶん、おれ56さい、「たかだ」とモ〜すものです。おれショ〜ジキ「じしん」ないです。ビョ〜インのセンセ〜によると、ケ〜ドの<キオクソーシツ>だそ〜です。カンゴ婦のMEGUちゃん(おれがそ〜呼んでるだけだよ)がそっと教えてくれたところによれば、「あなたの日本語がコワレてる」んだ、そ〜です。一から日本語ベンキョ〜しましょうね。そ〜センセ〜からいわれました。そんなとき、この本としょかんからかりてきて、声に出してよんでくれたんです。MEGUちゃん、おれに気があったりして。へへへ。

でもタイトルきいて、こりゃむずかしそ〜だぞ、Its a big problem!て思ってたら、それがマジ・ビックリじゃありませんか。おれっチのことが書かれているんですから。谷川俊太郎センセ〜、平田俊子センセ〜、高橋源一郎センセ〜の三人が、それぞれ「ショ〜セツ」と「ギキョク」と「シ」の三つケ〜シキをつかっておれのこと書いてます。シロ〜トのおれにはナマイキなこといえませんが、シジンの谷川センセ〜と平田センセ〜の六作品には、ケッコ〜ファンタジックていうかモ〜ソ〜系のフンイキがぷんぷんでしてました。ショ〜セツ家の高橋センセ〜の三作品には、なんかおれ自身のことが書かれてるとはいえ身につまされました。そして世のなかにたいするブラックな笑いもかんじました。

で、おれはいったい何モノなのでしょ〜か。谷川センセ〜によると、わかいころキョ〜レツなことしたみたいです。「高田には秘密がある/二三歳の夏に母の妹つまり叔母と寝たのだ」。ワァオ。そのオバさん25も年上らしい。おれってヤルゥ〜?でも、おれ、いま81のオバさんのイサン金をネラったりして、ワルみたい。平田センセ〜によると、もっとスゲ〜。チュ〜ガッコ〜のキョ〜シのくせに頭がいかれてシッソ〜したあげくしぬのです。ウソ〜。おれのニョ〜ボ〜(おれにいたっけ?)によると、「あの人、最近おかしかったんです。『悪魔がやってくる』といって家の外を鏡で見張ったり、ひと晩中明かりをつけっぱなしにしたり。かと思うと、柱をのこぎりで切ろうとしたり」とか。だけど、おれまだ生きてるって〜いうの!さらに高橋センセ〜になると、もっとショ〜ゲキ的。おれは「見えない人間」なのです。「そう、タカダさんは、いるのに、いなかったのである」ってね。おまけに三〇年イジョ〜も「ヒキコモリ」です。ママが80になって「ろ〜じんホ〜ム」にいくってんで、おれを見かぎるんです。カナシ〜ね〜。

 この三人の日本語のおかげで、おれはおれのジンセ〜を十二分にリプレ〜できました。でも、まてよ。おれって「たかだ」だったっけ?

(『すばる』2003年5月号)