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TEMロータリーポンプ定期メンテについて

ロータリーポンプのポンプは、ベルトを介してモータが回転させている(Fig.1)。 このベルトが緩みモータが空回りすると、ポンプが動作しなくなり、TEMが緊急停止する。 以下に、その症状とメンテナンスの方法をまとめた。

Fig.1 ロータリーポンプ(上段:ポンプ,下段:モータ)

ベルトが緩み始めると

 フィルム室を開けて閉じると、TEMが緊急停止して電源が落ちる場合がある。 閉じた瞬間ではなく、閉じてしばらくして電源が落ちる場合もある。 原因は、ベルトが緩みである。
 フィルム室を開けて真空度が悪くなった状態から、フィルム室を閉じると、 フィルム室内の真空度を上げるため、ロータリーポンプに負荷がかかる (ポンプが回転しづらくなる)。 その時にベルトが緩んでいると、ベルトがスリップして(空回りして)ポンプが回転しなくなり、TEMが緊急停止して電源が落ちる。 このようなことが起きないよう、以下の手順でメンテすること。

ベルトの適正な張りをキープする

 Fig.1と2より、ロータリーポンプのモータとポンプは、一枚の鉄板に固定されている。 鉄板の表面にポンプが乗っていて、鉄板の裏面にモータがぶら下がっている。
 緩んだベルトを張るには、モータとポンプの距離を離せば良い。 Fig.2に示したポンプをつってある4本のボルトを回してモータを下げる。 ネジを緩めれば、モータの重みで下がるので、ベルトを張ることができる。
 適正なベルトの張りは、ポンプとモーターの真ん中辺りで、ベルトを指で押て約1cmたわむ程度に調節する(Fig.1)。

Fig.2 モータを固定しているボルトとナット4組 (a)ロータリーポンプ側面 (b)ロータリーポンプ正面

ロータリーポンプの磁気センサの位置に注意!

 ロータリーポンプのメンテナンスを行っていくと、 ポンプの回転の有無を検出するセンサの位置がずれて、 回転の検出ができなくなる。  必ず磁気センサと磁石の間が1mm以下になるように調節すること。 Fig.3の赤丸で示したネジでセンサの位置を調節する。
 検出には回転部にいくつか取り付けられている磁石と、磁気センサ1つである(Fig.3)。 磁石が磁気センサのそばを通過する周波数で回転の有無を検出している。  磁気センサが磁石から離れると、磁気センサが磁石の磁気を検出できなくなり、 ポンプが回転していても、TEMが緊急停止して電源が落ちる。
 症状としては、起動して約30秒後に、ロータリーポンプが止まり、電源が落ちる。 ちょうど起動後30秒ほどで電磁弁12(V12)(Fig.4)が開くタイミングと同じであるが、 ロータリーポンプの磁気センサと電磁弁12の動作は直接関連はない。

Fig.3 ロータリーポンプの磁気センサ Fig.4 TEMの操作パネル


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