従来の細胞膜損傷アッセイは、物質の細胞への出入りの程度で、損傷の程度を評価しています。例えば、細胞質にあるタンパク質の1種である乳酸脱水素酵素(LDH)が、細胞外に漏出する割合で、損傷の程度を評価します。細胞膜の基本構造は脂質二重膜です。正常な状態では、脂質二重膜を通過してLDHが細胞外に漏出することはありませんが、損傷により細胞膜に小さな穴が開くと、その穴を通過してLDHが細胞外に漏出します。つまり、LDHが通過できるような穴が細胞膜に開かないと、損傷していないと判定されてしまいます。しかし、細胞膜に穴が開いていない状況でも、分子レベルで見ると細胞膜の構造に異変が起きていることが分かりました。
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