細胞膜に貫通したタンパク質は、細胞の内外を通してシグナルや物質をやり取りする重要な機能を担っています。この機能は、膜内でのタンパク質の構造や脂質分子との相互作用に敏感です。しかし、膜貫通型タンパク質を伴った脂質二重膜を、再構成するのは困難です。このことが、膜貫通型タンパク質の理解を妨げており、水溶性タンパク質に比べて、かなり研究が遅れています。そこで、単純な1回膜膜貫通型タンパク質が細胞膜に貫通した構造を、非常に簡単に作製できる水面上の単分子膜でモデル化することに挑戦しています。このモデル化ができれば、様々な分析・観察機器で膜構造を評価できようになり、膜内での膜貫通型タンパク質とリン脂質の混和性などの相互作用の理解が進みます。
細胞膜のモデル化