ルーブル美術館


 ロシアの通貨ルーブル(
RUR)は正式に国外に持ち出すことが禁止されている上、日本円や米ドルのように世界各国で両替できないため、これまでお金としての価値が低かった。その上ロシア政府は幾度も通貨切り下げや紙幣の交換を行ってきたため、中央銀行が発行する紙幣がいつ紙くずになってもおかしくない状態が続いていた。元々ロシア人は日本人と違って貯蓄をあまりしない、というより貯蓄をする余裕がないと言った方が正しい。今年からは政府による銀行預金保障制度が導入され、100000ルーブル(約36万円)までの金額であれば個人のお金はある程度保護されるようになった。その影響もあり、金融システムの安定化が本格化したといえる。石炭の代わりに焼却炉で古びた紙幣を燃やしていた時代に比べれば、かなり進歩と言える。

 さらに2004年初頭からユーロの注入はストップし、去年の米国通貨量も徐々に減っていった。国民が外国通貨の必要性を感じなくなったのが原因だが、資産の50%以上をドルで運営している中央銀行にとっては決して好ましい状況ではない。中央銀行のまとめによれば2003年12月の通貨量は11月に比べ36%も落ちたという。 ロシア・ルーブル価格の上昇によって国が栄えるとのではなく、むしろ貧しくなっていくという矛盾が生じてしまった。逆に米ドル安によってアメリカの製品が低価格で提供できることから景気は順調になっていく。

ロシア政府が今年から導入した条例により不動産、株式の自由売買、ローンの利用などが可能になったが、これが経済発展への起爆剤になるのは確実である。金融庁長官のウルカエフ氏は2007年にロシア通貨の兌換性を実現し、ロシア経済は向上した。世界でも有名な格付け会社MoodiesStandard & Poor’s のロシア投資ランキング(信用評価)はこの影響でランク・アップしている。ウルカエフ氏に言わせれば経済成長は投資の拡大に大きく左右され、さらに民主的な国家ではなくとも、社会が安定している健全な状況下であれば、外国と国内の投資は増えるという。

しかし今の状態として資金は投機的な市場に集中し、不動産の価格向上や地下資源を扱う会社が主なターゲットになっている。格付会社に大きく影響される外国の投資家はこれを無視しないであろう。今までのルーブルは主要通貨に対して半値でしか売られていなかったが、信用度が高まり国民がドルやユーロを利用しなくなれば、自然と本来の価値にもどる。通貨が安定しドルに対して強くなってるといえども、あらゆる製品の小売価格の向上は続いている。この点に関しては、正当な競争環境を築かない以上これを打破できはしない。独占企業に関しては、国富に貢献できるよう税率を上げる一方で、中小に関してはあらゆるインセンティブを適応させる予定だという。さらにそれらが提供する電気、ガス、各種石油製品などはインフレ率を超えない勢いで抑える政策を実行する予定である。『参考:TRJ web ver. Jan 22, Feb 02, 2004

ロシアの紙幣