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WindowsへのTeXのインストール

Macへのインストールは非常に簡単(幾つかのパッケージがあります)ですが、別途説明する予定 。 ディスク容量は沢山必要だけど、後々のパッケージやプログラムを最新に保てるMac TeXが手堅い(筆者もこれだ)。Mac TeXには、各種TeXシステム一式と、その統合環境 TeXShopやLaTeX It!やTeX Unitilityなどの一括インストールできて便利だ。

WindowsへのTeXのインストール

日本語TeX Wikiのインストーラにある、 TeX インストーラ 3 が簡単。

筆者の古いPC(Windows XP)にも問題なくインストールできた(2012年12月現在)。 日本語TeXの「教科書」ともいえるLaTeX2e 美文書作成入門の付属CD-ROMにもWindows/Max OS双方のTeXシステムや便利ツールが収納されています。

TeXシステムをインストールしてから使うTeX統合環境(ラッパーアプリケーション)としてWindowsでは次が有名です。

MeijiのTeX Windowsシステムでは統合環境システムはインストールされていないようだ(dvioitやGhostscriptは wtex のインストール時にインストールされてる)。

目次

TeX インストーラ 3
TeXシステム環境の確認
WinShellの設定
TeXworksを使う

TeX インストーラ 3 (for Windows)

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  1. abtexinst-inst-folder

    TeX インストーラ 3 のページの下段にある「ダウンロード」から

    の圧縮ファイルをダウンロードして(何処でも構わない)、それぞれ解凍展開する。
  2. 「プラグイン集」内にあった次の4つのファイルもフォルダabtexinstに解凍されていることを確かめる。
  3. jsclasses.rb
    WinShell.rb
    Xypic.rb
    plugin_ispell.dll
    
    これらをフォルダabtexinst内にあるフォルダ「plugin」に移動します。 以上で、フォルダabtexinst内は右図のようになっている。
  4. 「最新版」内のabtexinst.txtを必ずよく読む(以下でもghostscript等について触れています)。

TeX インストーラ 3の手順

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具体的なTeX インストーラ 3 のインストールの様子は次のようになります(インストーラはかなり丁寧に更新されているので、以下の説明は「古く」なっているはずです(順番もあやしい (^^; あくまでも参考に)。 基本的には全て「次へ」または「OK」をクリックするだけ)。

  1. abtexinst.exeをクリックして、TeX インストーラ 3 の画面があらわれるので全て「次へ」をクリックする。
  2. inst-dir

    右図のようにTeXシステムのインストールフォルダを聞いてくる。 TeXシステム本体は標準で『C:\w32tex』にインストールされるのがデフォルト設定です。 そのまま「次へ」をクリック。

  3. inst-dvi-ghost

    重要な補助プログラム dviout, Ghostscript, GSviewのインストール設定を聞いてくる。 そのまま「次へ」をクリック。

  4. inst-files

    右図のように、ダウンロードするファイルを確認。 左ペインは原則全てにチェックが入っているはず,右ペインのGhostscript, GSviewは最新版になっているはず(古いTeXシステムに上書き新ストールする場合などで、チェックのようすや状態の「古い・新しい」が異なります)。 一応確認して「次へ」をクリック。

  5. inst-xypic

    TeXパッケージのXy-picをダウンロード元を尋ねてきます。 しかし、何故がインストールに失敗しました。必要なときに後からインストールできるのできにしなくてもよいです。

  6. inst-other

    ダウンロードしておいた「プラグイン」はここで役に立ちます。 重要な日本語論文スタイルjsarticle、TeX統合環境のWinShellやTeXworksなどがインストールされます。 全てにチェックがはいっていることを確認して「次へ」をクリック。

  7. ダウンロードが始まります(50個以上のファイルがダウンロードされる)。 ネットワークの状況にもよるが10分以内ですから、お茶でも飲んで座って待ちましょう(インストール途中でいろいろ聞いてくるので席は離れてはいけません)。 ダウンロードが終了したら、解凍展開してファイルの配置が始まります。
  8. inst-gs-wait

    右図のようにGhostscriptの圧縮プログラムが解凍展開されます。

    このとき、左図のようにGhostscriptのインストールウィザードが始まります。 すべて「Next」[OK]をクリックしてインストールを終了します。

  9. gsv-inst

    ついで、GSviewのインストールが始まります。 「Setup」をクリックしてから「Next」「OK」でインストールを進めます。


    gsv-inst-final

    GSviewでAcrobat PDFファイルを開くか聞いてきますが、左図のようにチェックを外しておきます。 PDFファイルはWindowsでは最新のAdobe Readerで開くのが無難ですから(最新のは Reader XI(11)です。Adobe Readerはセキュリティホールが狙われやすい筆頭のソフトウエアの一つです。常に最新のものを使いましょう)。 一番最後に、「GSviewを起動する」はチェックをはずしてインストールを終えます。

  10. tex-home

    難しくいうと環境変数 TEXMFHOME の場所の設定。 右図では古〜いWindows XPにインストールしたので "C:\Documents and Settings\ユーザー名(masahiro)"と表示されています。

  11. Macの場合やTEXMFHOMEの詳しい使い方はtexmfの利用で説明します。


  12. TeXworksのインストール(解凍展開)が自動的に行われ、C:\w32tex\share\texworks に配置されます。
  13. /inst-winshell

    右図の後に、Winshellのセットアップウィザードが始まります。 以降、原則すべて[次へ]。 最後に、WinShellを起動するか選べますが、起動のチェックを外しましょう(後で、こまかく設定します)。

以上で、インストール作業は終了です。 Windowsを再起動してきうださい。

念のために注意しておくと、TeX統合環境WinShellとTeXworksとではデフォルトの文字コードが違います。設定した文字コード以外で表示すると文字化けしなり、タイプセットするとエラーになります(デフォルト文字コードの変更は可能ですが,幾つかのスクリプトを変更する必要があります)。

ついでにいうと、改行文字がWindowsとMacとでは違います。

WinShell <--> TeXworksなどで文字コードの変換するときや、WindowsとMacとか改行文字を含めてコード変換するときには、注意しましょう。

TeXシステム環境の確認

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w32tex 上記のTeX インストーラ 3 でTeXシステムをインストールするとC:ドライブに関係するファイルが右図のように配置されます。 特に、統合環境 WinSHellおよびTeXworksの場所に注意してください。

GhostscriptやGSviewの場所、および統合は次のようになります。

C:\Program Files
      |--gs9.06
           |--bin
               |-- gswin32.exe
               |-- gswin32c.exe   <---  ghostscript(Postscriptファイルの閲覧に必要)
      |--Ghostgum
            |--gsview
                 |--gsview32.exe  <--- GSView(Postscriptビューア)
      |--WinShell
                 |--WinShell.exe  <--- 統合環境 WinShell
C:\w32tex  <---TeXシステム
      |--bin     <-- TeXプログラム群
      |--download
      |--dviout
          |-- dviout.exe  <--プレヴューアー dviout
      |--ispell <-- isspellチェック
      |--share
          |--TexWorks <--- 統合環境 TeXWorks
          |-- texmf        <--TeXスタイルファイルを格納するフォルダ群
          |-- texmf-local
          |-- texmf-projects
          |-- plain2       <--- text変換 plain2
          |-- ctxdir       <--- ConTeXt mkvix
          |-- mule2        <--- Emacs Lips

WinShellの設定

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winshell-menu 右図はWinshellを起動してTeXファイル(ShiftJIS)を書いて(あるいは読み込ませて)表示した様子です。 赤丸で囲ったのが、それぞれ次のためのアイコンボタンです


winshell-option

以下に、これらのボタンを押したときの動作の設定を説明します。 設定は、右図のようにWinShellの[オプション]/[TeX関連プログラム設定]で行います。

以下の説明はすべてWinShellWinShell/設定/ShiftJISに基づいています(WinShellをUTF-8用に設定するにはWinShell/設定/UTF-8を参照)。 不明の点や疑問があれば直接参照してください。

  1. LaTeXの設定は、右図のように

    [exeファイル名] C:\w32tex\bin\platex.exe
    [コマンドライン] "%s.tex"
    

    が標準である。

    しかし、次の内容のバッチファイル platex-nonstopmode-sjis.bat を作成して利用するとよいようです。

    @echo off
    platex -no-guess-input-enc -kanji=sjis -synctex=1 -interaction=nonstopmode -jobname="%~n1" %1
    
  2. winshell-option

    上記内容をそのままcopyしてエディタに pasteして platex-nonstopmode-sjis.bat で保存、それを C:\w32tex\bin\platex-nonstopmode-sjis.bat に置きます。

    その上で、上図のように

    [exeファイル名] C:\w32tex\bin\platex-nonstopmode-sjis.bat
    [コマンドライン] "%s.tex"
    

    とします。

  3. winshell-bibtex p> BibTeXの設定は右図のように

    [exeファイル名] C:\w32tex\bin\pbibtex.exe
    [コマンドライン] -kanji=sjis "%s"
    

    とします。

  4. winshell-dviview

    DVIViewの設定は右図のように

    [exeファイル名] C:\w32tex\dviout\dviout.exe
    [コマンドライン] -1 "%s.dvi"
    

    とします。

  5. winshell-dvi-ps

    VI->PSの設定は右図のように

    [exeファイル名] C:\w32tex\bin\dvips.exe
    [コマンドライン] -Ppdf -o "%s.ps" "%s.dvi"
    

    とします。

  6. winshell-gsview

    GSViewの設定は右図のように

    [exeファイル名] "C:\Program Files\Ghostgum\gsview\gsview32.exe"
    [コマンドライン] -e "%s.ps"
    

    とします。

  7. winshell-pdflatex

    PDFLaTeXの設定は、右図のように

    [exeファイル名] C:\w32tex\bin\dvipdfmxx.exe
    [コマンドライン] "%s.dvi"
    

    が標準である。 TeX typesettingで成功して生成されたDVIファイルを dvipdfmx.exe によってPDFファイルを生成するのである。

    しかし、近年のTeXシステムはPDFファイルの生成が目的としているので、エラーがなければ生成されたDVIファイルから一気にPDFファイルを生成する以下の内容のバッチファイル pdfplatex-nonstopmode-sjis.bat を作成して利用するとすこぶる便利です。

    @echo off
    platex -no-guess-input-enc -kanji=sjis -synctex=1 -interaction=nonstopmode -jobname="%~n1" %1 && ^
    dvipdfmx "%~n1"
    
  8. winshell-nonstop-pdflatex

    上記内容をそのままcopyしてエディタに pasteして pdfplatex-nonstopmode-sjis.bat で保存、それを C:\w32tex\bin\pdfplatex-nonstopmode-sjis.bat に置きます。

    その上で、上図のように

    [exeファイル名] C:\w32tex\bin\pdfplatex-nonstopmode-sjis.bat
    [コマンドライン] "%s.tex"
    

    とします。

    (たぶん)標準設定で、Texファイル⇒typesetting⇒DVI->PDFという段階を経てPDFファイルを生成しなければならないので面倒である。 自分のパソコンでは、この一気に処理できるバッチファイルの利用を強く勧めます。 上図をクリックするだけで、TeXファイルのtypesettingから(エラーがなければ)PDFファイルが得られるからです。
  9. winshell-pdfview

    PDFViewの設定は右図のように、Adobe Readerを利用します。

    たとえば、Adobe Reader XI(ver.11)を利用する場合には

    [exeファイル名] cmd.exe
    [コマンドライン] /c start "C:\Program Files\Adobe\Reader 11.0\Reader\AcroRd32.exe" "%s.pdf"
    

    とします。 Adobe Reader X(ver.10)の場合(安全のために可能な限り最新のAdobe Reader XI(ver.11)を使ってください)は

    [exeファイル名] "C:\Program Files\Adobe\Reader 10.0\Reader\AcroRd32.exe"
    [コマンドライン] "%s.pdf"
    

    とします((正確には[参照]ボタンで「AcroRd32.exe」を探して選択してください)。 Adobe Reader XIからPDFファイルの取り扱いが変わったためです。

TeXWorksを使う

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TeX インストーラ 3 でTeXシステムをインストールした場合、TeXWorksが右図のように C:\w32tex\share\TeXWorks にインストールされています(WinShell以外に TeXWorksも使えます)。 このTeXworksを使ってください。

このフォルダ内にある TeXWorks.exe のエイリアス(このファイルを選択して右ボタンメニューから作成できます)をデスクトップなど適当な場所に置けばいつでも起動できます。

TeXWorksとWinShellはいずれもTeXシステムの代表的な統合環境であり、TeX処理できることは同等です。 ただし、デフォルトでWinShellでは日本語文字コードがShiftJIS、TeXWorksでは UTF-8 である点が違います(TsudaのMacOSのTeXシステムの統合環境 TeXShop ではUTF-8の文字コードがデフォルト設定ですが、ShiftJISを使うように設定を変えることもできます)。 Windows版のTeXworksについての詳しい設定方法についてはTeXworks/設定/Windowsを参照してください。

texworks-typesetting

TeXworksでUTF-8文字コードのTeXファイルを書いて(あるいはdrag & dropで読み込ませて)typesettingするには、右図のように TeXworksウインドウの左上でのように[pdfpLaTeX]を選んでおいて(pLaTeXとLaTeXの前に「p」が付いていることに注意)、その[緑丸矢印]ボタンを押すだけです。 エラーがなければ,PDFファイルが生成され自動的に右図の背景にあるようにPDFプレビューアーが起動します。


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