文字列情報とレイアウトの分離

文書とは何かで説明したように、文書(document)とは、文字情報だけでなく、その文字列の大きさや配置・色などのレイアウトも主たる役割がある。 言い換えると、同じ文字列からなる文章でも、そのレイアウトを変更すると、違った性質の文書となる(用紙1ページに横書きで1段段組とするのか横に2段組するのか、または縦書きで1段組とするのか上限に2段組するのかなど)。

原稿用紙の升目に埋められた文字が文字列情報(または原稿)である。 これを書籍・雑誌の編集者やデザイナーが出来上がり結果を想定して割り付けしていく、これがレイアウトである。 この作業は、下の図のように、原稿から取り出した文字列を、指定した文書スタイルに流し込んでいくのに似ている。 このような作業ができるとすれば、文書スタイルを取り替えるだけで、同じ文字列情報を持つ違ったレイアウトをもつ文書を容易に作成することができる。

文書スタイルの制御

マークアップ文書の場合は、比較的容易に文字列情報とレイアウトを分離することができる。 HTML文書の場合には、スタイルシートを積極的に活用する。 また、LaTeX文書の場合には、documentclass宣言で別の文書クラスを指定すればよい。

ワードプロセッサで文書を作成する場合、文書スタイルがどのように制御されているかを知っておくことが、美しく統一感のある文書作成のために大きなポイントである。 ワードプロセッサでは文書スタイルをテンプレートによって指定することができる(さらに、その書式設定を行う)。