矢崎研究室

矢崎成俊 (YAZAKI, Shigetoshi)

矢崎成俊 写真

研究テーマ

◎解析系テーマ:移動境界問題の数理解析

水の中を浮上する泡の動き,2枚のアクリル板にサンドウィッチされた油や絵の具の動き,雪の結晶成長,氷の中に閉じこめられた空気の泡の変形,金平糖が大きく成長する過程…など,身の周りにはさまざまな現象があふれています.本研究室では,このようなさまざまな現象の中でも,主として境界(境目)が時々刻々と移動していく移動境界問題を,微分方程式などの数学の言葉で表現して,それを数学的に解明することを目指しています.

本研究室の特徴は,現象を数学の言葉で語るだけでなく,その現象を再現するような実験して観察したり,プログラムを書いて,コンピュータシミュレーションなどもおこなうことです.そういった意味で,「三度の飯より数学が好き」「何時間計算しても平気」なんていう学生はもとより,「実験など手を動かすことが好き」「プログラムを作って数値計算したい」などという学生は,当研究室に合っているでしょう.

もちろん,解析はいつも都合良くできるわけではありません.そんなときには,「ふしぎに思っていることがありそれをどうにか解決したい」という欲求がぶれない信念となって,解決へ向かうこともあります.あるいは,「気合いと根性」で考えを深める場合もあるでしょう.どうにかしたい気持ちを持っている人や気合いと根性では負けないという人も,当研究室に向いているかもしれません.

◎数理教育系テーマ:数理源泉の探求

現在ぼくらが接している数学は,数,大きさ,形などの概念を源泉とした学問体系で,そのもとを辿れば紀元前2000年以上前には到達するでしょう.つまり,少し誇張して言えば,高校の教科書も,中学の教科書も,4000年の数学の研究成果を集めたものと言ってよいのです.したがって,数学を学ぶということは,数学の歴史と文化,そして研究成果を学ぶことに他なりません.数学は人間の創った学問ですから,そこには,悲喜こもごも,栄光と挫折,さまざまなドラマが詰まっています.

将来みなさんが人に数学を教えることになろうとも,あるいは全くならなくても,ぼくらの先達が開祖してきたさまざまな数理の源泉を探求することは,単に歴史を知るということだけではなく,現代数学を理解する,そして未来がどのように展開していくのかを展望するためにも,とてもワクワクする作業になるでしょう.そのような知的な作業をみなさんと共に学習できればと思います.

ひとこと

共に学び,
共に挑戦し,
そして,
共に作り出しましょう.

納得のいく数学を!

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