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微分方程式3
微分方程式3
●授業の概要・目的
3年次の微分方程式2に続き,この講義では偏微分方程式を扱う。主として,フーリエ変換を使い偏微分方程式の解を求める方法と,与えられた方程式に解が存在することを関数解析学的手法により示す方法について解説する。関数解析は微分方程式の研究において欠かせないものであるから,解析系の学生はもちろんのこと,現象数理系の学生もぜひ聴講してもらいたい。丁寧な講義を心がける予定なので,確率系・代数系・幾何系の学生も大いに歓迎します。
●授業内容
[第1回] 複素関数論の復習
コーシーの定理を用いて複素積分を行なう方法について復習する。
[第2回] フーリエ変換の復習
3年次の実解析1で学んだフーリエ変換について復習する。
[第3回] 1次元熱伝導方程式のフーリエ変換による解法
デルタ超関数を紹介し,これに対する微分,フーリエ変換などを論じる。その上で,1次元熱伝導方程式の初期値問題(デルタ超関数を初期条件とする)をフーリエ変換を用いて解く方法を解説する。
[第4回] 線形空間
この回から第8回にかけて「関数解析学の基礎知識」を学ぶ。まず,線形空間について解説する。
[第5回] ノルム空間,バナッハ空間
ノルムが備わった線形空間をノルム空間といい,完備なノルム空間をバナッハ空間という。用語と定義を確認して,有界閉区間上の連続関数の集合はバナッハ空間であることを証明する。
[第6回] p 乗可積分な関数の集合
有界閉区間上で p 乗可積分な関数の集合がノルム空間になることを証明する。
[第7回] p 乗可積分な関数の集合の完備性
有界閉区間上で p 乗可積分な関数の集合は完備である,すなわち,バナッハ空間になることを証明する。
[第8回] ヒルベルト空間
内積が定義された複素線形空間を内積空間という。内積からノルムを定めることができるので,内積空間はノルム空間である。さらに完備な内積空間をヒルベルト空間という。
[第9回] 弱微分
この回以降,ソボレフ空間と呼ばれるバナッハ空間を導入し,2階楕円型方程式の解の存在を示すことを目標とする。まず,サポートコンパクトな関数の集合について解説し,弱微分という概念を導入する。
[第10回] ソボレフ空間
弱微分の定義を受けて,ソボレフ空間を定義する。さらにサポートコンパクトな関数の集合の閉包について論じる。
[第11回] 汎関数
ノルム空間や内積空間の各元に実数値または複素数値を対応させる写像を汎関数という。必要な用語を解説し次回の講義に備える。
[第12回] ラックス・ミルグラムの定理
前回の講義を受けて,ラックス・ミルグラムの定理を紹介する。この定理に関連し,リースの表現定理も紹介する。
[第13回] 2階楕円型方程式の弱解の存在
ラックス・ミルグラムの定理を用いて,2階楕円型方程式の境界値問題の弱解の存在について論じる。
[第14回] まとめ
●履修の注意点
3年次の「実解析1」「実解析2・同演習」「微分方程式1・同演習」「微分方程式2」を履修していることが望ましい。
●教科書
使用しない。
●参考書
「フーリエ解析+偏微分方程式」 藤原毅夫・栄伸一郎著,裳華房
「関数解析学の基礎・基本」 樋口禎一・芹沢久光・神保敏弥著,牧野書店
●成績評価の方法
定期試験100%で評価する。
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