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メイン研究室紹介後藤ゼミ学生の声

学生の声:後藤ゼミ


磯田 裕也(2010年度)

 後藤研究室では代数学、可換環論を研究しています。私は可換環論の基礎を学んでいます。

 後藤研究室は縦の繋がりが強い研究室です。もちろん研究室のリーダーである後藤先生もその例外ではありません。みんなが一丸となって、週に何度か集まって自分の勉強(研究)の成果を発表し合います。 研究室のみんなは先輩方の前で自分の勉強してきた事、自分の研究してきた事を発表します。発表は良い緊張感の中で行われ、ただ発表して終わり、というわけではなく発表内容に関して自分の見えていないところ、気づいていないところ、また思ってもみなかった視点を先輩方から突っ込まれます。始めのうちは自信を喪失するかもしれませんね。「この発表の仕方が一番賢い(スマート)だ!」と信じてセミナーに臨むのですから、全く気付かなかった上手い証明を教えられると悔しくもしかし清々しくもあります。

 しかしそれは新たな発見でもあるのです。私も後藤研究室にいて、先輩方(もちろん後藤先生も偉大な“先輩”でもあります)に指導されることで「そういうことだったのか!」と思える事が何度もありました。そのおかげで幅広い視野を持てるようになりました。

 こういった研究室での新たな出会いは数学でのみならず生活の中や社会活動の一部でも結果は顔を見せます。いろいろな考え方やとらえかた、他者の感情や言動、その起因、社会の仕組み、将来のこと、過去の自分…その他沢山の事に関心を持ち、世界の物事の本質を捉えよう、自分ならできると私は考え出すようになりました。 研究室に配属していなかった当時の私と比べると物凄く思慮深くなったとそう思っています。後藤研究室は数学以外にも成長を図る事のできる魅力のある研究室です(もちろん研究室の数学に関するレベルは常に高く、みんな目標を持って研究に没頭しています)。

 後藤研究室は“数学だけを重んじる研究室“ではありません。少なくとも私はそのように感じています。 この研究室のリーダーである後藤先生は私たちの成長を心から喜んでくれる先生です。一見、厳しいように見える先生は”本質としては”学生たちの数学における、また人としても成長する事を心から願っていてくれているのかもしれませんね。

 後藤研究室で私たちと一緒に数学をしませんか?

谷口 直樹(2010年度)

 僕は後藤研究室で可換環論の基礎を学んでいます。可換環論は代数学の一つの分野で、数や函数などの集合で、加減乗除という四則のうち足し算・引き算・掛け算が自由にできる集合の構造を、主にこれらの三つの演算を手がかりに解析する数学です。僕は目下具体的には、M. F. Atiyah−I. MacDonald 著「Introduction to Commutative Algebra」を読みこなすことに没頭しています。この書物は1960年代に書かれた本で、もう既に少し古いのですが、依然として定評のある教科書(入門書)です。11章からなるこの本の10章の半分くらいを読んでいるところです。後藤先生の話では「3年生の秋にここまで読み進んだ学生は、初めて」だそうです(一応、自慢をしておきます)。

 僕のゼミではこの本を読んで行くわけですが、その読み方は、ただ読むだけではいけません。自分で1行1行きちんと理解しながら読んでいくことが重要です。例えば、本に「明らか」と書いてあるので「これは明らかです」という発表は、絶対にしてはいけません。著者にとっては「明らか」でも、読んでいる自分にとっては「明らか」とは限らないからです。(うっかり「明らかです」と言おうものなら、「どうしてですかね」と質問されて、万一答えられなかったら、思いっきり軽蔑されます。)また、この書物はかなり薄い本なので、定理の証明などはとても上手に省かれている場合があります。それも自分できちんと補いながら証明しなければいけません。このような努力をせず、理解が不十分なままゼミで発表すれば、当然ながら、後藤先生やゼミの先輩方に突っ込まれて、1時間くらいは立ち往生することになります。

 ここまで少しきつい言い方をしたかもしれませんが、ゼミの雰囲気は緊張感のある中で和やかだと思います。分からないことは質問すれば後藤先生は勿論、先輩方が丁寧にやさしく教えてくれます。

 また、後藤先生は国内だけでなく海外の先生方とも非常に交流が深いので、学生である僕たちも海外の学会に出席したりすることがあります。後藤研究室のある第2校舎は、目には見えないかもしれないけれど、大きなパス(通路)で海外とも直接繋がっているのだと思います。僕は、後藤研究室は自分の努力次第で自分の将来を大きく変えることができる研究室であると、心から信じています。

 このように、決して甘く易しい研究室ではありませんが、数学に対して熱い気持ちを持った人であれば大歓迎されますし、そこでは有意義なとても濃い時間を過ごすことができると思います。

 みなさん、後藤研究室で一緒に楽しく熱い数学を学んでみませんか?


堀内 陽介(2005年度)

最近、理系離れ、特に数学離れが声高に叫ばれていますが、それは本質的な数学を勉強してきていないからだと思います。学問としての数学には高貴さと美しさがあります。本質的な数学をある程度の圧力の中で一生懸命に勉強することによって、それらを感じ取る力が身に付いていきます。後藤研究室はまさにうってつけの環境が整っています。

ゼミの内容は学年や学生のレベルによってまちまちですが、代数学について勉強しています。代数学は、非常に高貴で美しい分野であると思います。テキストを輪読する方法がとられていて、学生は毎週しっかりと予習をし、ゼミに臨みます。先生からは時に厳しい指摘もありますが、それがよい圧力となり、自分の力を高めていくことにつながります。

ゼミの雰囲気は、とてもよい緊張感の中ゼミが進められていく感じです。先輩に質問をしに行ったり、ゼミに先輩も顔を出していただけたり、縦のつながりも強く、学生の間にも、お互いを高め合う気持ちがあり、とても良い環境で勉強することができます。

進度については、これも学年や学生のレベルによってまちまちですが、自分の思っているよりも少し速いくらいだと考えて下さい。これも良い圧力として働くので高い学習効果を生んでいます。

皆さんも、是非後藤研究室で数学の美しさに魅せられて下さい。では、後藤研究室でお会いしましょう!


大関 一秀・木村 了(2005年度)

後藤研究室では代数学、特に可換環論を研究しています。

我々の研究室の特徴としては、毎週セミナーを各学年個別に行うのではなく、学部生、修士、博士まで共同で行っています。そのため、どんな小さな事でも、気づいた事や疑問点が一人で考えるよりも早く解決し、それだけでなくより発展した形で理解することができます。

また、学生たちの研究集会・勉強会等への出席に非常に協力的です。そういった場へ参加することで、他大学の先生方や学生たちとの交流を持つことができ、それにより自分の研究の進展だけでなく、人間としての視野の広さも得ることができます。また、国内だけでなく海外での国際会議等への参加に対して支援してもらえることもあります。

最後に、我々の研究室では数学の研究の進展と人としての成長が同時に求められます。


山田 修平(2005年度)

私たち学部四年生のゼミでは今『可換環論 松村英之著(共立出版)』を読んでいます。この本には可換環論に関する様々なことが書かれています。難しい本ですが、とても読み甲斐のある本であると私は思います。

ゼミは週一回、水曜4,5限に行われています。主なゼミの方法は、自分の読んだところを、ゼミの学生達と先生の前で板書をしながら発表します。「本を読む」といってもただ読むだけではありません。自分の中で納得し、少なくともその内容を人に説明できるまで読まなくてはゼミにはなりません。また、自分の中で納得していても、実際は理解が足りてないことも多く、先生に指摘して頂いたりしながら、とても充実したゼミが毎週行われています。毎回同じ本を読むわけではなく、分からないところがあったら違う本を読み、それを発表することもあるため、一冊の本を読む速さとしては決して速くは無いとは思いますが、着実に進んでいると思います。

ゼミの雰囲気は、時には緊迫した空気になることもありますが、分からない部分は先生に質問をして答えて頂き、先生がその場で問題を提示し、皆でそれを考えるなど、とても自由な雰囲気で行われていると思います。また、ただただ毎週数学をきっちり2限分行うわけではなく、時には先生と雑談をするなど、数学だけではなく、人間として色々な面で成長することが出来るゼミであると思います。


服部 巧実(2005年度)

現在、Joseph Rotman 著の「GALOIS THEORY」という本を読んでいます。先生や先輩方に優しく教えて頂きながら、完全に理解、納得するまでみっちりやるので、進度はあまり速くはありません。穏やかな中にも適度な緊張感があり、とても集中力を持続できる環境です。


村上 亮(2005年度)

私達3年のゼミは、今は群論を勉強しています。 毎回一人ずつ黒板で定理を証明していくという形です。 私たちのゼミは4年生の方も一緒に参加し、色々教えてもらうなど手伝ってもらっています。 進度は一つ一つの定理をじっくり焦らず学習していっているので、あまり速くはないので助かっています。


松岡 直之(2005年度)

後藤研究室では「可換環論」を中心に、「群論」や「ガロア理論」を含めた「代数学」の勉強を進めていきます。

まず、後藤研究室における勉強過程の一つのモデルをご紹介しましょう。 ゼミ配属後は可換環論の基礎の構築を行います。もちろん可換環の定義から始め、「次元論」と呼ばれる非常に面白く、奥深い理論まで到達することが目標です。大学院博士前期課程では、「可換環論」の研究に革命的な発展をもたらした「ホモロジー代数」という理論を勉強し、可換環論を研究するための道具をしっかりと構築し、修士論文に臨みます。

上記はあくまでも一例で、他にも大学一年次の講義でも取り扱われる「線型代数」を、自分たちが納得するまで勉強し、その成果として「線型代数の手引き」という教科書を作成し、卒業研究とした学生たちもいました。土台を固める作業を行わず、無理をして高度な勉強を進めては、理解が非常に空疎なものとなります。そうなってしまうよりは、例え大学一年次で学ぶような基礎的なことだとしても、それを自分が納得のいくまで勉強し、しっかりとした理解をして卒業していくことは非常に素晴らしいことだと思います。

このように、勉強の仕方にも色々なパターンがあります。自分には付いて行けないのではないか、などという不安は抱く必要はありません。とはいえ、後藤先生の指導は恐らく「厳しい」と感じる人がほとんどでしょう。しかし、その厳しい中で自分を鍛え上げ、その成果を示すことができたとき、それは自分自身のかけがえのない財産になります。また、後藤先生は厳しいだけでなく、適切な助言を与え成長を促し、学生たちの成長を心から喜んでくれる先生でもあります。

ゼミの形式はテキストを読み、その内容を先生の前で発表をする、いわゆる輪講の形を採ります。その際、先生だけでなく先輩が出席しアドバイスを与えることもあります。そういう意味で、上下のつながりも強い研究室ですし、学ぶ側としては非常に学びやすい環境であると思います。


根本 玲音(2005年度)

後藤先生のゼミでは代数を勉強しています。 先生も先輩も丁寧に教えてくれるので、わからないところもきちんと理解することができます。

今、3年生は群論を勉強しています。僕は、ゼミに入る前まで群論が全然わからず、ついていけるか不安でした。しかし、先生にアドバイスをもらい、段々わかるようになってきました。

このゼミに入れば、数学の見方が変わり、もっと数学が楽しくなるでしょう。


華輪 努(2005年度)

私たちのゼミナールでは、三年後期から可換環の基礎的な勉強を始め、四年の夏頃から「可換環論」(松村英之 著)に沿って勉強しています。

各学生が順に、勉強したところを発表するという形式で行われていますが、先生や先輩方の指摘や、発表者以外の学生の発言も多く、非常に有意義な時間となっています。それだけに、厳しくはありますが、自ら進んで学ぼうとする学生にとっては、正にふさわしい研究室であると思います。


虻川 雄穂(2005年度)

後藤ゼミの4年生は、可換環論(松村英之 著)という本を週1回輪読しています。輪読というのは、一つの本について交代で内容を発表することを指すのですが、この方法のメリットは、自分の理解した内容を客観的に評価できることです。

数学を深く理解するためには、自分で考え、自分で手を動かし、自分で整理することが必要不可欠です。しかし、自分一人では、勘違いや見落としに気づかないことも多々あります。そのような時、同じ内容に対して他の人が別のアプローチをしていたり、自分の間違いを指摘してくれたりすることは、大変参考になります。ゼミに参加することによって、数学が一人よがりになることを防げるのです(この、「人の意見に耳を傾ける」という姿勢は、数学に限らず大切なことだと思います。後藤研のおいても、このような人間性を持てない人は歓迎されません)。

つまり、ゼミというのは、勉強における舵取りのようなものです。先に進むためには、自分の力で船を漕がなければいけません。そして、明後日の方向に進まないためにリードしてくれるのが先生や先輩であり、ゼミの仲間なのです。

抽象的になってしまいましたが、簡単にゼミに参加する意義を書いてみました。大学に入るまでは、なかなかこのような体験は出来ない(特に、優れた指導者に会えない)と思いますので、後藤ゼミに入ろうと思われた方は、楽しみにしていて下さい。


西 遥(2005年度)

私たち三年生のゼミはガロア理論の勉強に必要となる群論の勉強をしています。

基礎的な内容から復習するような形ですが、理解しないで前に進むような事は絶対に許されません。なので、場合によってはゆっくり進みます。つまり、進行速度は基本的にはゼミ生の理解度によるということです。

また四年生も三年のゼミに参加し、サポートしてくれ、いろいろな指摘をしてくれます。そこで交わされる指摘は本質的で、勉強した内容をしっかり理解して自分の言葉で話せるようになり、相手に分かるように説明しなければなりません。


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