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後藤四郎教授 代数学賞を受賞
3/28 明治大学理工学部数学科 後藤四郎教授が,2012年日本数学会年会(東京理科大学理学部)において、日本数学会代数学賞を受賞しました.
日本数学会には,10前後の分科会があります。その中でも,代数学分科会は最大のもので,整数論・代数幾何学・環論(可換環論・非可換環論)・群論といった分野からなります。代数学分科会にはフィールズ賞を受賞した数学者が2名も所属するなど,日本で最も活発でレベルの高い研究者の組織です。
代数学分科会では,15年前から「代数学賞」を設け,代数学の分野で優秀な業績をあげ,代数学の発展に寄与するところ大である人を表彰することを始めました。代数学分科会としての表彰で,権威ある重い賞です。永田雅宣京都大学名誉教授の発議で開始されたもので,永田先生の趣旨は「広い意味で,代数学の発展に寄与した人を表彰する」というものです。非常に優れた研究業績を挙げた方々が,年齢や大学における地位には関りなく,同賞を受賞しています。
今回の後藤教授の受賞は,「局所環および次数付き環の研究」をテーマにしています。授与式は,2012年3月28日に,東京理科大学で開催された日本数学会年会の代数学分科会で行われ,向井茂・京都大学数理解析研究所教授・代数学賞委員会委員長から,賞状と副賞が授与されました。
後藤教授は,可換環論分野で日本を代表する研究者で,国内よりも海外の方で遥かに著名です。研究業績も群を抜いていますが,それよりも大きな業績は,日本国内の可換環論分野を40年間に渡ってけん引したことでしょう。指導を担当した学生たちも,今やいろいろな大学で教授・准教授となり,自らの学生を育てていますし,40年近い歴史を持つ「可換環論シンポジウム」を育成する中で,多くのすぐれた研究者が育ちましたし,今も多数の若手が育ちつつあります。
明治大学理工学部数学科
学科長 藏野和彦
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