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メイン学科紹介阿原准教授の独り言阿原先生に質問!その2

阿原先生に質問!その2

記事作成日: 2009年4月19日

オリジナル記事作成日: 2006年5月12日

T「こんにちは!質問があるんですけれど。」

阿原「どうぞ、何なりと。」

T「ボクは高校で数学の先生になりたいんです。」

阿原「具体的な目標があるのはよいことだね。」

T「で、大学は数学科へ進学したいと思っているんです。」

阿原「明治大学へぜひどうぞ。」

T「はい、そうしたいところなのですが、ボク、数学のテストは出来るんですが、それ以外はさっぱりなんです。数学が好きなことについては自信があるのですが、入学試験を受けるとなるとあまり自信がありません。」

阿原「それなら、君にちょうどいい入学試験がありますよ。」

T「何ですか。」

阿原「AO入試というのがあります。AOというのはアドミッションズ・オフィスと言って、特定の科目に特別に興味を持っていたり、特定の学科に対する優れた技能を持っている人を優先させて合格させる入学試験制度です。」

T「アドミッションズ・オフィス、という部門があるんですか?オフィスというくらいだから。」

阿原「先駆的にAO入試を始めたいくつかの大学にはそのような専門の部署があるそうです。しかし、明治大学にはありません。AO入試という入試制度だけを拝借して、試験を行っています。」

T「高校を卒業している以外にも受験資格はありますか。聞いた話では、推薦入試だと、高校での評定平均がいくつなければいけない、とか校長先生の推薦書が必要だとか、いろいろ聞きます。ボクの場合は、数学以外の高校での成績はあまり良くないので、そういうことも心配です。」

阿原「そのような心配はありません。前回の入試要綱がこのページにありますので見てください。募集条件のところには高校卒業しか書いてありません。」

T「それで、どのような試験を行うのですか。」

阿原「試験は数学だけです(数学科の場合ね。)君にちょうどいいんじゃないのかな。」

T「はい。たぶん。」

阿原「試験は2回行います。(注:2010年度より試験の方式が変わります。入試要綱をよく読んでください。)1次試験は数学の学力調査と、明治大学教授による数学の講義と面接試問が行われます。」

T「学力調査、って、結局テストですよね?」

阿原「問題を解いて提出するという意味ではテストと同じ形式ですが、一般入試と異なるのはこの試験の出来を合格判定のために点数化しないというところです。採点はしますが、それはあくまでも面接の材料にするためです。テストでしくじっても面接で挽回することは十分に可能です。」

T「数学の講義というのはどういうことですか。」

阿原「数学科の教授が、高校の学習範囲外の数学の講義をしてくれます。」

T「ボクたちには難しすぎませんか。」

阿原「ほとんどの人にとってはじめて聞く話だとおもいますが、数学に興味があるならば特に難しい話題ではありません。「学習範囲外」というのは「高度な話題」と言う意味ではなくて、単に「高校では取り扱わない話題」という意味です。君ならきっとワクワクするとおもいますよ。」

T「あとは面接ですね。」

阿原「はい。数名の試験官と面接試問を行います。明治大学を志望した動機や、数学のどういうところに興味を持っているか、その日の学力調査や講義のことなど、さまざまな話をしましょう。」

T「『話をしましょう』って、知識を聞かれるのではないのですか。」

阿原「知識についてたずねる事ももちろんありますが、受験してきた生徒が数学と日ごろどのような付き合い方をしているかをたずねると言ったほうが適切でしょうね。」

T「うーむ、それはあんまり自信がないなあ。大学の先生って、どうなんですか?ちょっと面接をしただけでボクたちの数学の実力が分かっちゃうものなんですか。」

阿原「うん。まあね。」

T「げ!」

阿原「でも、数学オリンピックに出るような才能の人だけを求めているわけではないからね、数学の話を一緒にしてみて、その生徒が明治大学の数学科の授業についてこられるかどうかを判断するのが入学試験の目的ですから。」

T「面接の練習とかしてきたほうがいいのでしょうか。」

阿原「それはかまわないですけれど、当日の学力調査の内容や当日の講義の内容は予想できませんよね。その場の数学の理解力をアピールすることが大切です。」

T「どんな講義が行われるかなんて・・」

阿原「・・・・教えられません。当然。ただ、過去2年間の内容は公開しています。」

T「それで、全員が2回目の試験に進めるのですか。」

阿原「いいえ、1次試験後に適当な人数に選抜されます。入学定員がありますから、それに応じた人数になります。」

T「2次試験は面接だけですね。」

阿原「その前に、1次に合格した人は、講義で出されたレポートの宿題を提出しなければいけません。2次の面接はそのレポートを題材に面接を行います。」

T「・・・・レポートは自宅で書いていいんですよね・・・・・」

阿原「・・・もしかして、君、レポートを学校の先生に教えてもらって書こうとか考えませんでしたか。」

T「・・・いいえ!・・・」

阿原「ホントに?チョビっともそういうこと考えてませんか?」

T「・・・そう言われればチョビっとは考えます。ズルできるかなあ、って。」

阿原「レポートの内容は高校では教えていない内容です。数学教授の講義をじかに聴いて、そこで自分が考えたことをレポートにまとめるのです。どれだけ自分で考えられるか、ということが問われている課題です。」

T「でも、ズルできなくはないですよね。」

阿原「そのために、2回目の面接試問があるのです。自分の力でレポートを書いていない人は、すぐにバレルと思いますよ。」

T「2次試験で落ちる人もいるんですよね。」

阿原「はい、数名落ちます。」

T「なんだか、話を聞くと、壁が高くてとっても入学できないように感じてしまうのですが。」

阿原「そうかもしれませんが、それは君が高校で『与えられた数学だけを機械的にこなしている』からなのです。自分で数学に興味をもち、自分で本を調べて新しい話題を見つけ、自分の頭で考えるという習慣さえあれば特別難しい入試ではありません。それに、英語や理科の試験ががない分ハードルがすこし高くなっているのは仕方ないでしょう。」

T「そんなことができる高校生っているんですか?」

阿原「いるからこそ入学試験をしているわけです。一言で言えば、数学が好きな人は誰でもウェルカムですよ。」

T「ともかく、受験してみることにします。」

阿原「高校の教科書や参考書以外の数学の本を買ってみて、腰をすえて読破することをお勧めしますよ。今からなら間に合うでしょう。」

T「数学の話の出てくる小説でもいいですか。」

阿原「まあ、極端に否定はしませんが、小説よりは数学の内容の読み物のほうが望ましいですね。」

T「専門書がいいのですか。明治の教授が書いたような。」

阿原「専門書は高校生が一人で読むのは大変ですよ。読み物的なものが良いとおもいます。」

T「出願は9月ころですね。そのころにまた質問に伺います。」

阿原「8月に2回、オープンキャンパスが生田で行われて、そこでもAO入試の相談が受けられます。そういう機会もぜひ利用してください。」

T「では、ぜひオープンキャンパスには来ます。」

阿原「はい。・・・あ、そうだ。」

T「なんですか。」

阿原「君、高校で、数学IIIや数学Cを勉強していますか?」

T「ボクは理系なのでしていますけれど、なぜですか?」

阿原「AO入試の現状の入試体制だと、数学IIIや数学Cを履修していなくても入学が可能です(過去にそういう人もいました。)一方で、大学の数学の講義は数学IIIや数学Cを履修済みだと仮定して講義を始めますから、そのような人は大学に入る前に自分でよっぽど勉強しておかなければいけません。」

T「ボクは大丈夫だと思います。」

阿原「ならいいけど。」

T「念のために聞いておきますが、AO入試で失敗しても、一般入試で入学することも可能ですよね。」

阿原「もちろんです。過去にもそういう人はいたようです。」

T「どうもありがとうございました。」

阿原「はい、こちらこそ。そうそう、AOで入ってくるにしても、英語は勉強しておいてね。大切だから。  


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