自治労寄付講座 2025年度
5月28日 早川佐知子(経営学部准教授)ゼミナール
松長拓朗(自治労本部・青年部長)
ぶっちゃけ地方公務員ってどうなの?−現状とこれから
地方公務員の働き方や職場の課題をテーマに、自治労本部青年部の松長拓朗さんに特別講義をしていただいた。学生と年齢が近い松長様のお話は、とても親しみやすく、共感のもてるものだった。
松長さんは2015年に仙台市役所に入職したのち、いくつかの部署を経験されている。ゼネラリストである行政職の公務員は、人事異動が必須である。新しい部門に異動になるたびに、1年目は新人のように仕事をおぼえ、2年目にようやく普通に仕事ができるようになり、3年目になって業務改善ができるという具合のようである。そのため、柔軟性が求められるとのことである。近年はジョブ型採用も増えているものの、学生たちは未だゼネラリストがよいのか、スペシャリストがよいのか、迷っている段階であろう。そのようなタイミングでお話をうかがうことは、大いに益となったようである。
一般の市民からは見えにくいが、市役所には多様な部署があり、さまざまな役割を果たしてくださっている職員の方々がいる。今回は仙台市役所の大きな組織図を見せながら、公務員という仕事の多様さをご紹介くださった。とりわけ、仙台市は地方政令都市であり、市役所の中に区役所を持つという特殊さを併せ持っている。
地方公務員の仕事は「民間ではやらない・やれない仕事を、住民サービスの向上を目的に行う」だそうである。民間企業とて、公務員の下支えのもとに成り立っている。そして、一人でやるというよりは、チームで仕事をすることも特色のようである。何人かの職場の仲間たちの談話をご用意くださり、それぞれの部署の職員が仕事についてどのように感じているのか、親しみやすくお話しくださった。
学生たちはとかく、賃金水準やステイタスに惹かれがちだが、それでは測れない仕事の意義を教えていただけた貴重な時間となった。
