「労働教育だって?そんなの、時間が無い、面倒くさい、やり方がわからない・・・」
「出前授業、やってみたけど、な~んだか生徒たちの反応、悪かったんだよね。自信、無くした・・・」

Don’t Worry!!! Never Mind!!! ご心配には及びません。
 労働教育研究会は、現場で悩む先生方・外部講師の方々のつよ~い味方!
 とにかくクリックしてみてください。
 あ~らあら不思議、不安や悩みが解消・軽減します。
 労働教育、なんだか、できる気がしてきます。
 なぜなら、
「これが立派な『完成品(モデル)』ですよ!」と、授業案や教材を提示するのではなく、仕掛かり途中での失敗談や創意工夫、手伝ってくれた人のエピソードなどが満載だからです。

スーパーティーチャー/スーパー講師じゃなくて、「全然オッケー」なんです。

上に掲げた6つの不安は、「先生なんだから/労働問題のプロなんだから、ちゃんとできなくちゃダメだ」という気持ちが強すぎることから生じるのではないでしょうか。つまり、Super Teacher/Super Lecturerであることを目指しすぎるあまり、足がすくんでいるのです。

けれども、スーパーティーチャーやスーパー講師なんて、ほんの一握りです。そんな人を見上げて「自分には無理」とか嘆いていても無意味です。それにそもそも、スーパーティーチャーやスーパー講師だって、最初はショボかったわけです。

現実の、ショボい自分をゆるしてあげるところから始めませんか。では、どうやって? それには、上記5つのQについて、以下のように考えればいいのです。すっごく楽になりますよ!

不安や悩みを吹き飛ばす6つのQ&A

Q1 「社会科の教員とはいえ、労働関係の知識は足りないなあ。授業、できるかなあ・・・。授業の準備にどれくらいかかるのだろう。時間を食ったら嫌だなあ・・・」



A1知識不足は恥ずかしいことではありません。最初は誰だって無知なのです。でも、ムダな努力は減らした方がいい。それにはコツがあります。

 「無知の知」だとか「訊かぬは一時の恥、知らぬは一生の恥」といったセリフを生徒や子どもに言ったことのある方は少なくないでしょう。でも、いざ自分が、知らないことを学ぶ状況に置かれると、「ケツが重たく」なるものですよね(笑)。また、不充分な勉強のために中途半端な授業になったら嫌だな、と恐れの気持ちも生じます。「保護者対応や報告書作成に忙殺されて、そんな時間は無いっ!」と不機嫌にもなることでしょう。

たしかに、充分な時間は、どこにもないのです。誰もが、心身をすり減らすようにして、日々の仕事をしています。その状況はなかなか変わらないでしょう。けれども、労働教育の授業準備にかかる労力や時間が、思ったよりずっと少なかったらどうでしょう。「すっごく大変だ」と思い込んでいるがために、一歩を踏み出せないということは、よくあります。

これを読んでいるみなさん、とにかく、本ホームページの実践報告を読んでみてください。みなさんの準備にかける労力と時間を減らすべく、先駆けて実践してきた先生方や外部講師の方がいるのです。これを読めば、ムダな努力をしなくて済みます。コツやキモがすうっと入ってくるので、あとは、みなさん自身の学校や生徒の実態に合わせて、マイナーチェンジをしていけばよいのです。

 しかも本HPの実践報告は、さまざまなタイプの高校(全日制/定時制、普通科/専門学科/総合学科、など)、複数の教科、異なる種類の授業規模(学年全体、3クラス合同、1クラスずつ、など)、教師単独授業か外部連携か、などパターンが豊富です。大いに参考になると思います。

Q2 「労働教育って、どんな教科のどんな単元でできるの?」



A2 社会科はもちろん家庭科や保健、また、総合的な学習の時間、進路ガイダンスでも!
 「複数の教科だって? 労働教育を教える教科といえば、現代社会じゃないの?」――こんな質問が出てきそうです。たしかに、現代社会の教科書には、「労働三権」や「労働組合」といったキーワードが太字で出ているので、ドンピシャな科目かな、と思います。

けれども、労働教育ができるのは、現代社会だけではありません。家庭科や保健の授業においても、学習指導要領に則ったうえで、バッチリできます。生活そのものに地に足をつけて暮らしていくには、また、自分や家族や職場の同僚が、心身ともに健康で働いていくには、どうしたらよいのだろう。こうした重要な問題を考えさせる家庭科や保健は、だから、労働教育が適切な科目なのです。では、どんな授業ができるのでしょう。詳しくは、本HPの実践報告をクリックしてください。

なお、これはすでに実施されているでしょうが、総合的な学習の時間や進路ガイダンス、人権教育などでも可能です。次期学習指導要領では、横断型授業の推進がひとつのカギとなるという意味でも、多様な科目や活動で労働教育を展開しておくと良いと思います。

Q3 「外部講師を呼びたいけれど、全然心当たりがない・・・」


A3 労働教育研究会の講師が伺います。あるいは、紹介します。幅広いネットワークにあなたも入りませんか。

労働教育研究会には、さまざまなタイプの労働問題の専門家がいます。労働行政、NPO、労働組合、大学の研究センターの関係者、司法書士や弁護士・・・経験や強みも多様です。大人数講義に慣れている人、グループディスカッションを混ぜた授業が得意な人、「やんちゃ」な生徒たちとのコミュニケーションが好きな人・・・みなさんのニーズをお知らせください。マッチした講師を派遣します。

とにかく大切なことは、「出前授業」を始めることによって、みなさん自身が、幅広いネットワークの一部となることです。なにかの折に、なにかと頼りになります。みなさんの人脈をググッと広げませんか。

Q4 「専門家である外部講師に、『学校の先生って、こんなことも知らないの?』って思われたくない・・・」



A4 労働問題の専門家だって、学校教育についてはド素人です。お互いさまだね、って笑い飛ばしましょう。そんでもって、労働教育研究会に、コラボのコツを訊いてみましょう。実践事例集をクリックしてみましょう。

多様なスキルや専門性、立場や価値観をもった人びとが協働するとき、うまくいかない最大の理由は、「自分は〇〇の専門家だ。このことを認めろ!」という態度で臨むことです。この態度は、隠しているつもりでも漏洩するので、お互い心のなかで「なんや、アイツ!」と感じてしまうものです。思うに、こうした態度の根底には、実は自分の専門性がカバーする狭さに気づいていて、だからこそ専門性によって自分を守ってしまうことがあるのでしょう。

労働問題の専門家だって、学校教育についてはド素人です。いまの生徒たちが学校でどんなふうに過ごしているのか。騒がしいとき、どうすれば彼らの気持ちを落ち着けられるのか。誰も発言しない静かなクラスではどうすれば盛り上がるのか。勉強が苦手な生徒には、どんなアプローチが効果的か――こうしたことは、外部講師の方はまず知りません。にもかかわらず、「今日は自分の専門知識で生徒にインパクトを与えてやろう。彼らは僕の知識に感心するだろう」なんて、鼻息の荒い人がときどきいます。こんなふうに自信満々と来た日には、見事に授業で「ハズして」しまいます。

まあ、これもご愛敬ですよね。でも、こんなことにならないよう、先生は事前に助言しましょう。そこでこそ、教師の専門性は生きるのです。外部講師にとっては、嗚呼ありがたや!なのです。

学校の先生は何を知らないのか。外部講師は何を知らないのか。これらをどう押さえて、事前にどんな協働をしておけばよいのか――これ、大切なところですよね。労働教育研究会では、そのコツをお伝えします。研究会に来てください。あるいはもっと手っ取り早く、このホームページに掲載している実践事例集を読んでください。あまりうまく連携ができなかったな、という事例も率直に語っています。

Q5 「授業、失敗したらどうしよう?」



A5 失敗したら、サクッと生徒に謝る。失敗したら、労働教育研究会で実践報告をする。

失敗したら、生徒たちに、「うまく説明できなくて、ゴメンな!」と率直に謝ればいいのです。生徒たちは、そういう先生を「リスペクト」します。反対に、「君たちの勉強が足りないから理解できないんだ!」などと言って、自分の授業の下手さを糊塗する先生は「マジムカつく」と嫌われます。

失敗したら、次はどうしたらうまくいくかな?と工夫を凝らせばいいのです。しかも、この作業は、一人で行なう必要はありません。親身になって考えてくれる誰かに、助言をもらえばいいのです。あるいは、労働教育研究会の定例研究会で、実践報告をしてみればいいのです。「こんなところでコケちゃったんですけど、どうしたらいいですかね?」と訊いてください。出席者の誰もが親身になって、知恵を絞ってコメントします。「この資料はとてもよくできているじゃないですか!」と、いいところも見つけて指摘します。元気でまっせ~。

Q6 「今日の説明、ちゃんと伝わったのかなあ・・・?」



A6 第三者に見てもらって、あとで一緒に検討しましょう。

 「さっきの説明、わかった?」なんて生徒に訊いてみることがあるかと思いますが、これはあまり役に立ちません。生徒は、うまく説明できなかった教師を「思い遣って」くれるので、<まどろっこしい説明だったけど、要するに、こういうことが言いたかったんだよね>と心のなかで思っていても、「はい、理解できました。〇〇ということですよね?」と、教師が「傷つかないように」返事をくれることが多いからです。これでは、自分を見る目がどうしても甘くなります。

 だから、やはり第三者に見てもらって、コメントをもらうのが一番です。A5でも述べたように、労働教育研究会の定例研究会で実践報告をして、一緒に授業研究をしましょう。研究会のメンバーが、ビデオとフィールドノートをもって、授業見学に行きますので、あとでじっくり深いふりかえりができます。

労働教育に対する社会的・行政的要請の存在――でも、もっと「積極的理由」がある
以上6つのQ&Aをお読みいただければ、「変にシャチホコばって、労働教育を考えなくていいんだな」とおわかりいただけたのではないかと思います。

さて、周知のとおり、今日の若者を取り巻く労働環境・生活環境には、大変厳しいものがあります。教育には、彼らが逞しく・しなやかに働き暮らしていけるよう、力を授ける責任がある――こうした声が、さまざまな運動団体や研究者、ジャーナリストから上がり続け、それを受けて行政も、施策の実行や法的整備などをしてきました。2011(平成23)年1月の中教審答申においても、キャリア教育の内容として、労働者の権利・義務や労働問題について理解を深めさせる必要がある、と指摘されました。

直近では、若年者雇用促進法があります(201510月施行)。同法では、「個々の若者のニーズに沿った円滑な就職等の実現に向け、若者本人を含め、国、地方公共団体、学校、事業主に加え、職業紹介事業者、求人情報提供事業者等の就職支援関係者、地域若者サポートステーション等、地域における関係者等の役割・責務を明確にし、社会全体で責任をもって若者雇用対策に取り組む体制の整備を行うことが必要」とされています。そうです、学校も責任の一端を担うのです。具体的には「在学段階からの職業意識等の醸成」のひとつとして、「労働法制に関する知識等の周知啓発」に務めなくてはならないのです。そう、法律に明記されました。

さらには、高校段階で「公共」が科目として新設されれば、労働教育にはいっそう力を入れて取り組まねばならないでしょう。

以上のように、労働教育の実施には、社会的・行政的要請があります。しかし、「やらなくちゃいけないからやる」といった義務的・消極的発想しかなかったら、授業をしていても大変つまらないでしょう。せっかくですから、楽しんで授業をしませんか。楽しんで授業準備をしませんか。それこそが、生徒に届く、生徒のエンパワーメントにつながる、生徒も楽しめる労働教育の授業を創り上げるでしょう。