お知らせ

本講座の総括論文を『労働法律旬報』に掲載しました。

本講座の総括論文(青野恵美子「大学における労働教育:明治大学2012年度労働講座の実践から」『労働法律旬報』1777号、2012年10月10日発行)をアップしました。

最終レポートの提出について

レポート課題

 授業で学んだことを踏まえて、日本の労働社会における問題点をあげて、その解決策を論じなさい。字数は2000字以上とすること。

提出方法

 横書きでワープロ印刷のこと。表紙(学部、学年、組、番号、氏名を明記のこと)をつけ、左肩を綴じること。
 提出日は7月16日または23日の授業終了時(厳守)

・授業の映像記録

 授業の映像記録のアップを始めました。YouTubeでアップしたものを本講座のウェブサイト上でも視聴できるよう埋め込であります。毎回の授業をアップすることはできませんが、いくつかの授業は記録をアップしていきます。欠席された場合は是非ご覧下さい。

・配布資料

 授業で使用したレジュメ、資料などはこのサイトからダウンロードできます。「配布資料」のところをクリックして下さい。「このリンクは無効」などと表示されて、うまくダウンロードできない場合は、表示アドレスを再度読み込んでみて下さい。

労働講座企画委員会寄附講座
「未来の自分をつかめ~私たちが生きる労働社会を考える」シラバス

4月16日 ガイダンス、OB・OGトーク 

  • ガイダンスでは、講座全体の概要を紹介し、講義の進め方や履修上の注意点、成績評価について説明する。次に、20代のOB/OG3名からトークを受けて、先輩たちの職場の実態や働き方について考え、議論したい。
  • 当日のトーク映像
  • わたしの職場1
  • わたしの職場2
  • わたしの職場3
  • 職場のリスク





参考論文:平光初音「労働教育の実践と若年労働問題への理解」『労働法律旬報』1778号、2012年10月25日発行






4月23日 正社員の働き方(1)〜OB・OGの職場から

  • OB・OGインタビュービデオ上映する。今、どのような思いを抱きながら働いていますか——、職場で日々働く先輩たちにインタビューを試みた。このときのインタビュー映像を見ながら、自分たちの将来の働き方について考えたい。インタビュー映像には、慢性的な長時間勤務と職場の人間関係に悩む26歳男性、インターンで仕事のおもしろさを知り、NPO職員として働き続ける24歳女性、子どもを出産後、経済的自立をめざして転職した34歳女性など、20〜30代の複数の先輩たちが登場する。先輩たちの職場の実態や働き方について考え、議論したい。
  • 当日の講義映像







5月7日 正社員の働き方(2)〜長時間労働と過労死

  • 川人 博(弁護士・過労死弁護団)
  • 働く現場で蔓延する長時間労働は、身体や精神にさまざまな疾患を引き起こし、過労死すら生み出す。他方、残業しても賃金が支払われないサービス残業や何の権限もないのに残業代が支払われない「名ばかり管理職」「名ばかり店長」が増えている。このような状況に対して「過労死110番」は、過労死・過労自殺や長時間労働を原因とする疾病などの労働災害の認定申請や、企業への賠償請求、過労死予防活動に取り組んできた。今後、職場で直面する問題に対して、どのような政策や職場での取り組みが必要なのかについて、問題提起をして議論したい。
  • 参考図書
  • 川人 博『テキストブック 現代の人権』日本評論社(2009年)
  • 川人 博『過労自殺と企業の責任』旬報社(2006年)
  • 川人 博『過労自殺』岩波新書(1998年)
  • 宮里 邦雄・川人 博・井上 幸夫『就活前に読む〜会社の現実とワークルール』旬報社(2011年)。





NHKのニュースウオッチ9が講義の様子を取材。5月10日(木)に放映されました。





5月14日 正規労働者の世界(3)〜あるOGの経験から

  • 小林 範子(ヤマト運輸労働組合副中央執行委員長)
  • 女性が働き続けるためには、現実の職場は様々な困難が溢れている。男性が多数を占める運輸職場で、妊娠したときに上司から「やめるんでしょ」と言われた経験。それにめげず、出産、育児をどう乗り越えて働き続けてきたか、労働組合を通じて、女性が働きやすい職場をどのように作ってきたか、実際の経験を報告し、議論したい。
  • 当日の講義映像





5月21日 非正規労働者の働き方

  • 武田 敦(首都圏青年ユニオン)
  • 正社員の職がなく非正規労働者として働かざるを得なかった若者たち。リーマンショックでクビを切られ、寮を追い出された派遣労働者たち。労働相談活動を通じて見えてくる、このような若者たちの働き方の実態を通じて、非正規労働者の働き方について考えてみたい。同時に、一人で加盟できるユニオンの活動についても紹介したい。
  • 当日の講義映像





5月28日 私たちの働き方(1)〜アルバイト経験を出発点に 

  • アルバイトとして働く者も法律上の労働者である。労働基準法をはじめとする労働法が適用される。しかし、働く現場では、賃金未払いやサービス残業、セクハラ、パワハラ、火傷・事故、勝手なシフト変更、休憩が取れない、などの問題が起こっている。第2回目で実施した「アルバイト・アンケート」をもとに、アルバイトの現場で多発する様々な問題とその解決の方法について、具体的に考えたい。
  • 参考資料『ポケット労働法』 以下のサイトからダウンロードできます。
  • LinkIconhttp://www.hataraku.metro.tokyo.jp/sodan/siryo/pocket/
  • 当日の映像





6月4日 私たちの働き方(2)〜問題点と解決の仕方

  • 前回に引き続き、アルバイトの現場で多発する様々な問題とその解決の方法について、具体的に考えたい。前回に引き続き、2名のゲストを招待し、一緒に議論したい。
  • 当日の映像





6月11日 中間まとめのワークショップ「わたしの働き方を考える」

  • 中間のまとめとして、前半の授業で学んだ先輩たちの働き方を振り返り、自分たちの働き方を考える。グループごとに分かれて議論し、発表して、全体で議論する。







6月18日 日本の労働社会(1)〜成り立ちと改革の方向

  • 濱口 桂一郎(独立行政法人労働政策研究・研修機構 労使関係・労使コミュニケーション部門統括研究員)
  • 戦後日本の労働社会がどのように形成されてきたのか、そして、現在、正規・非正規労働者に過酷な働き方をもたらしている労働社会のありようを今後どのように変えていくべきなのか、について問題提起し、議論したい。
  • 参考図書
  • 濱口 桂一郎『日本の雇用と労働法』日経文庫(2011年)
  • 濱口 桂一郎『新しい労働社会:雇用システムの再構築へ』岩波新書(2009年)





6月25日 日本の労働社会(2)〜専門職からみた新しい働き方 


   瀬山 紀子(埼玉県男女共同参画推進センター)

  • 90年代以降の雇用労働の急激な変化のなかで一つの会社や仕事場で長期間働くという長期雇用型の就業ではない、柔軟型雇用労働が急増している。専門職の領域も、そうした柔軟型雇用形態での就業者が増えている領域の一つだ。ただ、現在は、その就業形態の不安定さ等から「高学歴ワーキングプア」と呼ばれる課題も表面化している。こうした課題を見据える一方で、新しい働き方としての専門職領域の仕事のあり方を、あるべき労働環境や雇用条件の課題と合わせて議論したい。
  • 当日の講義映像





7月2日 世界はどこへ向かうのか〜グローバリゼーションの視点から 

  • 竹田 茂夫(法政大学経済学部教授)
  • グローバリゼーションと新自由主義的な市場政策や規制緩和政策が進められるなか、先進国における労働のあり方と労使関係は大きく変容した。日本においても例外ではない。90年代以降、不安定な雇用と劣悪な労働条件の非正規労働者が急増する一方、正規労働者も長時間・過密労働を強いられてきた。正規・非正規労働者に過酷な働き方をもたらした原因について、グローバリゼーションと経済学の視点から議論したい。
  • 当日の講義映像
  • 当日の講義内容をもとにした論文

   竹田茂夫「グローバル化を考える」『労働法律旬報』1782号、2012年12月25日発行


7月9日 労働組合とは何か〜職場や社会における役割

  • 小山 正樹(財団法人総評会館専務理事/産業別労働組合JAM参与)
  • 職場レベルから産業別や全国的な労働組合で30数年活動してきた経験にもとづき、労働組合とは何か、職場や社会における役割は何か、労働組合の組織率や影響力の低下、厳しい職場の現実のなかで、なぜ労働組合が必要なのか、労働組合は何をなすべきかを問題提起し、議論したい。
  • 当日の講義映像





7月16日 【特別講義】原発労働から見える日本の労働社会

  • 風間 直樹(東洋経済新報社記者)
  • 2011年3月の福島原発震災は、原子力の「安全神話」を打ち砕き、甚大な被害をもたらした。未だ10万人を超える住民が避難し、多くの人々が外部被曝、食品などを通じた内部被曝を心配しながら生活している。他方、福島第一原発においては、事故を収束するために、数千人規模の下請労働者が投入され、日々被ばく労働を強いられている。重層的な下請構造のなかで、手配師や暴力団によるピンハネを受けたり、無権利な状態におかれている。原発労働は日本の労働社会の縮図である。取材を通じて見えてきた原発労働の実態を明らかにし、議論したい。
  • 参考図書
  • 風間直樹『融解連鎖』東洋経済新報社(2010年)
  • 風間直樹『雇用融解』東洋経済新報社(2007年)
  • 配布資料





7月23日 まとめのワークショップ

  • 講義から学んだことを振り返り、自分たちの働き方と労働社会の改革の方向について考える。グループに分かれて、学んだことを整理し、各グループから発表し、全体で議論する。


【授業の概要・目的】
 日本の雇用不安が止まらない。高止まりの失業率、就職難が続くなか、学生のみなさんに10年後の自分たちの働く姿がみえるだろうか。今はまだ、就活だけで精一杯に違いない。しかし、社会人になる一歩手前で、ぜひこれだけは知ってほしい。先輩たちが雇用の現場で体験した光と影を、不安な時代を生きるための知恵を。「知る」ことで人は強くなれるはずである。


講座の前半では、正規労働者(正社員)と非正規労働者(パートや派遣、契約労働者など)の実態について学ぶ。講座の後半では、その原因とどのような雇用や労働のあり方をめざすのか、働く者としての権利と働き方について考え、議論する。      


【履修上の注意】
一般の就活セミナーでは聞けない労働現場の光と影について知り、就職や進路、将来の働き方、自分たちの権利について考える機会にしてほしい。普段聞けない外部講師の話なので、毎回の授業に出席し、積極的に質問や議論に参加してほしい。第1回目のガイダンスに出席すること。


【教科書・参考書】
教科書は使用せず、レジュメや資料を配布する。適宜、映像資料の上映も行う。                
参考書:宮里邦雄・川人博・井上幸夫『就活前に読む〜会社の現実とワークルール』旬報社(2011年10月)。


【成績評価の方法】
授業の出席確認を兼ねた毎回の感想文提出56点(各4点×14回)とレポート44点(アルバイトアンケート提出4点・最終課題レポート40点)で評価する。最終レポートの課題と締め切りは、6 月 11 日までに発表。






明治大学学部間共通総合講座
2012年度前期(半期)2単位
月曜日4限(14:40〜16:10)
駿河台校舎リバティタワー8階1085教室

コーディネーター 
LinkIcon商学部教授 平井陽一
連絡先:
hira(at)kisc.meiji.ac.jp [(at)を@に置き換えて、送信してください]

支援組織(明治大学の特定課題研究ユニット)
LinkIcon明治大学労働教育メディア研究センター

本講座は労働組合や労働NGO、個人で構成される労働講座企画委員会[代表:平野敏夫(NPO法人東京労働安全衛生センター)]の寄附による講座です。