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自治労寄付講座「地方自治体の仕事と労働組合」シラバス(2021年度春学期)

4月8日 イントロダクション 
早川 佐知子(経営学部准教授)
野角 裕美子(自治労強化拡大局長) 


この寄付講座の講師の多くは、公共サービスの広範な仕事に携わっている現役の職員であり、同時に労働組合の役員・組合員でもある。こうした公共サービスという仕事・現場の実情、公共サービスで働くことの意義、自治体政策をめぐる諸問題ついて、最も肌で感じている人々を全国から集め、この講座を構成する。イントロダクションでは、講座全体の概要として、自治労という労働組合の説明、毎回の講義の進め方、履修上の注意点、成績評価について説明する。

受講上の注意
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4月15日 水道・下水道事業の取り組みとそこで働く労働者の取り組み
石川 雄一(川崎市上下水道局下水道部入江崎水処理センター/自治労公営企業局長)


近年、地震や台風、豪雨などの大規模災害が増加している。災害が発生すると人々の生活に大きな支障をきたすが、特に、水道・下水道などのライフラインは、生命や健康を守ることにつながるため、早期に日常生活を再開できるよう行政機関は平時から施設の耐震化などの災害対策を行っている。安心・安全・安定をめざす水道・下水道事業の取り組みとそこで働く労働者の取り組みを紹介し、公共サービスのあり方について考察する。

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4月22日 廃棄物行政の確立と労働組合の役割
小迫 敏宏 (自治労現業局長)


毎日の生活で欠かすことができないごみ(廃棄物)の処理や住んでいる地域の廃棄物行政。日本は、経済成長をめざすなかで、石炭・石油などの化石燃料を原動力として大量生産・大量消費・大量廃棄の生活スタイルを築き上げてきた。その一方で、大気汚染・水質汚濁・土壌汚染など環境への負荷は増大し、また化石燃料、エネルギーの逼迫等の課題から、近年ではリサイクル、エコカーや太陽光発電など持続可能な社会の形成が求められており、自治体でも、環境保全・循環型社会の構築に向けて様々な政策を展開されている。
自治体職員、労働組合の組合員、地域住民という三つの視点から、廃棄物行政等にかかわる自治体政策・公共サービスのあり方について考えていく。

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5月6日 都市公営交通の課題と取り組み
古賀 弘(熊本市交通局/熊本市交通局労働組合)


この間、地域公共交通は、マイカー中心のモータリゼーションの進展や人口減少により、多くの公共交通事業者においては経営状況が悪化し、存続の危機に直面している。これは、これまで人口規模の小さい自治体や中山間地域などの課題として受け止められてきたが、首都圏などの都市部においても例外ではない。地域公共交通の衰退は、マイカーなどの交通手段を持たない人たちがその地域に住み続けられるかという深刻な事態と受け止め、今後迎える人口減少社会の中の公共交通・公営交通の必要性について考えていく。

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5月13日 自治体の不安定雇用労働者・臨時非常勤労働者の現状と労働組合の取り組み
野角 裕美子(自治労強化拡大局長) 


現在、自治体には職員の3割以上、全国で70万人にも及ぶ臨時職員・非常勤職員が働いている。正規職員と同様の業務に携わりながら、法的には民間パート労働者以上に不安定な位置付けにあり、かつ低賃金が問題となっている。保育や給食調理、医療、図書館、学童保育など、市民の自立や利便性を支え、生活に不可欠な仕事をしているにもかかわらず、自らが経済的に自立できないという現状をめぐり「官製ワーキングプア」という言葉まで造られている。町田市の文学館の事例を通して、業務や労働条件の改善を求める労働組合の役割を考察する。

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講義動画(ブラウザからご視聴ください)
https://commonsi.muc.meiji.jp/em/609b86983698c

5月20日 地方自治体の関連職場で働く民間労働者の現状と雇用確保の取り組み
坂本 仁 公益社団法人岐阜県森林公社/Greenユニオン


自治労には約7万人の民間労働者が加入している。彼らは自治体の民間委託先の企業や公務員以外の非営利組織、社会福祉法人などに勤務している。小泉内閣の「民にできることは民で」以降、自治体の財政難と経営効率化の観点から、民間活力の導入の流れが加速し、自治体関連職場の民間労働者数は大きく増加した。自治体は契約の相手を選ぶ方法として例えば入札制度をとっているが、価格が安ければ良いというだけでは、契約した企業は低価格化の実現のために人件費を削減する可能性があり、労働者にとって不安定な一面がある。また国同様、自治体にも外郭団体が多く存在し、自治体だけではこなせない業務を民間労働者が補完的に行っているが、公務員と同様の仕事をしているにもかかわらず、雇用は不安定で処遇も低い。これらの現実を通し、労働組合による雇用確保と処遇改善の取り組み、労働組合の必要性について考える。

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5月27日 暮らしを支える公的年金の役割
小濱 賢吾日本年金機構・名古屋広域事務センター/社保労連・ねんきん機構労組 


公的年金制度は、一人ひとりが生涯にわたって安心した生活を送ることができるよう、日々の暮らし支える重要な社会基盤である。急速な少子高齢化の進展により、世代間の支えあいや年金財政への不安も叫ばれているが、老後の生活を保障する老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金など年金制度は若い世代の生活も支えている。この講義では、公的年金の役割や必要性について考察するとともに、年金職場における労働組合の取り組みについて考える。

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6月3日 消防職員の活動と地方自治体の責任
西尾 基貴尾道市消防局尾道西消防署/全国消防職員協議会


自治労には約7万人の民間労働者が加入している。彼らは自治体の民間委託先の企業や公務員以外の非営利組織、社会福祉法人などに勤務している。小泉内閣の「民にできることは民で」以降、自治体の財政難と経営効率化の観点から、民間活力の導入の流れが加速し、自治体関連職場の民間労働者数は大きく増加した。自治体は契約の相手を選ぶ方法として例えば入札制度をとっているが、価格が安ければ良いというだけでは、契約した企業は低価格化の実現のために人件費を削減する可能性があり、労働者にとって不安定な一面がある。また国同様、自治体にも外郭団体が多く存在し、自治体だけではこなせない業務を民間労働者が補完的に行っているが、公務員と同様の仕事をしているにもかかわらず、雇用は不安定で処遇も低い。これらの現実を通し、労働組合による雇用確保と処遇改善の取り組み、労働組合の必要性について考える。

配付資料1
配付資料2
配付資料3
参考サイト
全国消防職員協議会

6月10日 医療危機と看護職員の取り組み
原尾 健作(長崎精神医療センター/長崎県職員連合労働組合)


社会保障の要である医療が、財源不足、医師・スタッフ不足などにより、崩壊の危機に瀕している。人材の中でも特に「看護師不足」は深刻化している。医療を提供するため、看護師は医師と同様、不可欠の存在であるにもかかわらず、この問題が重要視されていない。女性の「なりたい職業」で常に上位となる「看護師」がなぜ不足するのか。医療現場の実態から、看護労働の問題点と今後のあり方を考える。同時に、看護師が生き生きと働き続けられる労働条件・労働環境の改善に取り組んできた労働組合の経験と成果、その役割、今後の課題について考察する。

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6月17日 子育て支援の学童現場での取り組み
近間 博之(八王子市社会福祉協議会/自治労八王子市公共サービス職員労働組合


2015年度より「子ども子育て支援新制度」の本格運用がスタートし、児童の放課後の居場所である「学童保育」に注目が集まっている。共働き世帯の増加等で児童の就学後の居場所が重要視される中、学童保育のニーズは年々高まっているが、一方で待機児数の増加や保育環境の悪さ等、解決すべき課題は様々あり、児童が安全安心に過ごすことができる環境整備が必要不可欠である。今後の学童保育における子育て支援に何が必要なのか、何を改善するべきか。現場経験を通しつつ、放課後児童支援員を組織する労働組合の意義についても考察する。

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6月24日 健康で文化的な最低限度の生活〜生活保護
倉岡 孟史(熊本市中央区役所保護課/熊本市役所職員組合)


すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する―憲法第25条は、中学生や高校生の間でも最も有名な法規定のひとつである。憲法で定められた生存権を保障するための「生活保護」制度は、様々な社会保障給付を含め、その利用し得る資産や能力その他あらゆるものを活用してもなお、生活に困窮する方を対象としているため、社会保障の最後のセーフティネットといわれている。しかし、昨今、不正受給の問題等から、「生活保護」という言葉が独り歩きし、ときには全くの「悪」であるかのように取り扱われることがある。景気回復とともに、生活保護者数は減少傾向にあるといっても、まだまだ多くの課題が残された生活保護制度の現状と実態について、一現場職員の視点を交え伝えたい。

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7月1日 国家財政・地方財政の課題と取り組み
竹中 慶吉(赤平市教育委員会/赤平市職員労働組合)


国家財政・地方財政とも財政悪化が進んでいるといわれているが、受益と負担、財政の仕組みなどから、財政悪化の要因や財政が果たす機能を考える。とくに2006年に財政破綻をし財政再建取り組んでいる北海道夕張市や、赤平市等を具体的事例として取り上げ、自治体や労働組合が果たす役割について考える。

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7月8日 原発事故と復興支援
愛場 学(大熊町役場/大熊町職員労働組合)


東日本大震災、福島原発事故によって世界的にも経験のない課題、矛盾が、次々と明らかになっている。特に、安全神話のもと、原子力災害への対応は無策・無防備に等しく、住民、自治体そして職員も翻弄されている。国の意思決定が自治体を住民から乖離させ、民主主義さえも否定されかねない一方、原発立地住民にとっては、未だ脱原発を唱えることが難しい側面もある。このような中で、自治体機能の回復、住民の生活再建に取り組んでいる自治体の現状を通じ、民主主義、行政、自治体とは何か考える。

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参考ビデオ
『被災自治体のしごと:南相馬市2016 』(2016年、13分)
制作:明治大学労働教育メディア研究センター


7月15日 労働組合との出会いを通じて〜自治労委員長との対話
川本 淳自治労本部中央執行委員長)
早川 佐知子(経営学部准教授)


景気の回復が叫ばれる一方で労働者の賃金は低く抑えられ、「中間層」と呼ばれる市民層が減少している。世界でも、不安や不満が爆発し、デモやストライキなどのニュースが駆け巡っている。労働組合は職場を改善すると同時に、社会全体の市民生活を底上げする、社会運動としての使命も担っている。自治労のトップである川本委員長がこれまで歩んできた労働組合の活動を通じて、地域社会に拠点をおく自治労に何ができるのか、労働組合の役割とは何か、について考える。

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【授業の概要・到達目標】
地方自治体や関連する団体および企業は、住民の健康と福祉を守るための基礎的なサービスを提供し、そのサービスは「セーフティネット」の役割をはたしている。これが公共サービスである。公共サービスを担うのは、地方公務員はもちろん、地方自治体関連の公社や事業団、そして、福祉や医療などに関わる民間労働者である。これらの広範な労働者を組織する労働組合の全国連合体が、全日本自治団体労働組合(自治労)である。自治労組合員は約80万人であり、日本でもっとも大きい労働組合連合体の1つである。

本講座では、公共サービスをになっている地方自治体や自治体関連の事業体の職員、業務委託先の民間労働者を講師に、公共サービスの現状と課題について講義してもらい、さまざまな仕事の役割、労働の意義、公共サービスを取り巻く諸問題についての解決策や、地方自治体の職員組合や公共サービス関連の労働組合の役割について考え、学ぶ。

【準備学習(予習・復習等)の内容】
最終レポートでは、講師が取り上げたテーマの中から複数のテーマを取り上げて論じる課題を出すので、毎回の講義で気づいた点などを記録しておいてほしい。

【履修上の注意】
授業に出席すること。質問や議論に積極的に参加すること。

【教科書・参考書】
教科書を使用しないが、要点レジュメや資料を配布する。DVDなど、映像メディアを活用する。

【成績評価の方法】
毎授業時の出席確認の感想文は各4点×14回で計56点、最終課題レポートは44点で評価する。

明治大学学部間共通総合講座
2021年度春学期(半期)2単位
木曜日3限(13:30-15:10)
駿河台校舎リバティタワー○○教室

コーディネーター
経営学部 早川 佐知子 

支援組織(明治大学の特定課題研究ユニット)
LinkIcon明治大学労働教育メディア研究センター

本講座は自治労の寄付による講座です。
LinkIcon自治労(全日本自治団体労働組合)のサイト