参院質疑では小会派を先に

   西川伸一  * 執筆日2005年3月10日/朝日新聞「声」に投稿→不採用

 先日、NHKの国会中継をみていた。午前11時52分頃、社民党の福島瑞穂党首が質疑を行い、小泉首相が答弁をはじめた。そこに、中継できなかった部分は午後1時から録画と録音で放送する旨のアナウンスが入って、画面は54分から天気予報に切り替わった。

 参院委員部に確認したところ、テレビ中継が終わる11時54分ですべての質疑が収まるように時間の割り振りはしてある。ただ、質疑や答弁が予定の時間枠をオーバーすると最後の質疑者が割を食うことになるという。質疑順は大会派優先のため、小会派が必ず損をする。こうした場面を幾度かみたことがある。

 そこで提案したい。参院憲法調査会の「二院制と参院のあり方に関する小委員会」が、最終報告書を決定した折でもある。参院での各会派の質疑は、議員数の少ない会派から順に行うようにしてはどうか。

 大会派にとっては、十分な質疑時間の最後の数分がテレビ中継からはみ出たところで、大きな痛手にはなるまい。しかし、小会派の場合、わずかな質疑時間が完全中継されるかどうかは、会派の存在理由にかかわる。

 参院の「独自性の発揮」は、少数意見の尊重という民主主義の原則を実践することでも示せるのだ。


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