「碓氷峠で考えた」

   西川伸一  * クルマ社会を問い直す会会報『クルマ社会を問い直す』第9号(1997年9月20日)

「これが最後だ」という思いをこめて、信越線の碓氷峠を先日往復してきました。とある合宿が小諸郊外の湯ノ丸高原であり、乗る機会を得たのです。
 週末のためか、横川−軽井沢間の至るところにカメラの放列がありました。線路脇にまで入ってしまっている人もいて、危ない!と何度肝を冷やしたことか。注意すべきJR側ももはやお手上げの様子。
 トンネルを出るごとに必ずカメラに迎えられ、その後ろにはRV車が見えます。機材をこれで運んで撮りに来たのでしょう。ちょっとちがうんじゃないの、と舌打ちしました。
 一方で、東京−長野間の新幹線定期が発売されるとのこと。確かに通勤は可能かもしれません。しかし、そんな遠距離通勤の需要がある社会こそおかしいのではないか。
 ところで、小諸から湯ノ丸高原へは去年まであった路線バスが廃止され、今ではタクシーでしか行けません。財布をはたき、往復で1万2千円也!全くクルマ社会はカネがかかる。


back