保守政治家に学ぶ

   西川伸一  * 『QUEST』第37号(2005年5月)「編集後記」

☆自民党立党50年企画として、自民党本部で「歴代総理・総裁・官房長官リレー講演会」が今年1月から毎月1回開かれている。第1回と第2回は中曽根康弘元首相。3月の第3回・塩川正十郎元官房長官(前財務大臣)の会に参加してみた。

☆参加申し込みはウェブで簡単にできる。会場は自民党本部8階ホール。平日の午後にもかかわらず、席の8割方は埋まっていた。議員の後援会のツアー客と一目でわかるおじさん、おばさんたちもいる。

☆塩ジイの前に「前座」として、福田康夫前官房長官が登壇した。官房長官時代の国会答弁や記者会見での彼の仏頂面しかみていない私は、その愛想のよさに目を疑った。支持者を前にするとこうも変わるものなのか。

☆そして「真打ち登場」。塩ジイ節は健在で、小泉構造改革のポイントをわかりやすく説明する。厳しい選挙を何度もくぐり抜け、落選も経験した大物政治家の話術は、やはりたいしたものである。どうしたら聞いてもらえるかを本能的に心得ている。

☆今後、後藤田正晴、宮澤喜一、野中広務と続く。保守政治家たちの人心収攬術をじっくり観察したい。


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