(引用開始) 今は昔、応永の頃(1394〜1427)、紀州熊野から鈴木九郎という若者が中野にやってきました。九郎は(中略)金銀財宝を隠そうと人を使って運ばせて、帰りにその人を亡き者にするという悪業を働きはじめたのです。村人たちは、「淀橋」を渡って出掛けるけれど、帰りはいつも長者一人だということから、いつしかこの橋を「姿見ず橋」と呼ぶようになりました。なお成願寺の創立については、これとは違う話も伝わっている。
しかし、悪が栄えるためしなし、やがて九郎に罰があたります。九郎の美しい一人娘が婚礼の夜、暴風雨とともに蛇に化身して熊野十二社の池に飛び込んでしまったのです。九郎は相州最乗寺から高僧を呼び、祈りを捧げました。すると暴風雨はおさまり、池から蛇が姿を現し、たちまち娘に戻りましたが、にわかに湧いた紫の雲に乗って天に昇っていってしまったのです。以来、娘の姿は二度とこの世に現れることはなくなったのです。
九郎は嘆き悲しみ、深く反省して僧になりました。そして、自分の屋敷に正歓寺を建て、また、七つの塔を建てて、娘の菩提を弔い、再び、つましく、信心深い生活に戻りました。めでたし、めでたし・・・(引用終了)
2019年11月23日(土)明治大学「アカデミックフェス」2019 at 駿河台キャンパス https://www.isc.meiji.ac.jp/~katotoru/20191123.html 企画名 九尾の狐カフェ Nine-Tailed Fox Café 2019(加藤 徹)12:00〜18:00 アカデミーコモン2F ROOM-D(A5会議室) コーディネーター:加藤 徹 コンセプトは「学術喫茶」。お客様にお休みいただきながら、学問の面白さに触れていただく休憩所的スポットです。お気軽にお立ち寄りください。 雰囲気は、学園祭の教室展示。テーマは、古今東西の「九尾の狐」。教員や学生が常駐し、お客様とパネル展示の図像や動画を見つつ、九尾の狐について気軽に雑談をします。 「九尾の狐」はアジア共通の伝統的キャラクターです。日本語ではキュウビノキツネ。中国語では“九尾狐”(ジウウェイフー)。韓国語では“구미호” (クミホ)。英語では“nine-tailed fox”。日本では、那須の殺生石の説話が有名ですね。 九尾の狐は、三千年のあいだ、アジアを駆け巡ってきました。昔の書物や芝居だけではありません。現代の日本や中国、韓国では、漫画やアニメ、テレビドラマなどで九尾の狐の新しいキャラクターが続々と誕生しています。いにしえの玉藻前(たまものまえ)は十二単(じゅうにひとえ)姿の貴婦人でしたが、現代の漫画『非人哉』(ひとにあらざるかな)ではTシャツに短パンのカジュアル女子です。まさに、古今東西、逍遙自在、雅俗混交、不羈奔放! 「大学って、どんなところ?」「大学の人と、気軽に雑談をしてみたい」というかたも、単に腰をおろして休みたいかたも、どなたも大歓迎です。 |